拉薩脱出 心残り

 この赤ん坊を背負った女の子である。さる田舎で食事の後遅れてきたこの子だけは我々の残した食事にありつけなかったのである。必死な形相で何か欲しいと言っているのであるがどうしようもなく立ち去った。一日空腹であろう。戦争後の私の姿と重なり心残りであった。とるに足らないことかも知れないが拉薩よりの飛行機の切符がとれずに苦労した。