マツバボタン
学名
Portulaca grandiflora
別名
ハナマツナ、イワボタン、日照草、天気草、ツメキリソウ、ホロビンソウ
sun plant,
rose moss(英)
オンゼ・オーラス(ブラジル)
季節
夏、7〜8月
分類
スベリヒユ科
スベリヒユ(ポーチュラカ)属
赤、橙、ピンク、紫、黄色、白
10cm
特徴
 生長の遅い半匍匐性の一年草。原産地はブラジルです。原産地のブラジルの熱帯では多年草ですが、日本などでは、種子で更新する一年草となり、生き永らえます。株よりも種子は、本来の生育気候より厳しいところで耐えることができるからです。
 丈はあまりありませんが、匍匐性があり、たくさんのびます。また、一つの花の花期は短いですが、次々と咲くため、長く楽しむことができます。夏から初秋にかけて、通常は晴天の午前中に咲きます。もちろん園芸種によっては、一日咲いているものもあります。
 肉質があり、松のような形の葉で、ボタンのような花を咲かせます。基本は五弁花ですが、八重のものもあります。カラフルに様々な色を持ちますが、アントシアニン系の色素の欠如で、青色はやはり出ません。
 19世紀初めごろ、ヨーロッパに持ち込まれ、その後文久4年(1864)にオランダより渡来したとされています。(寛文年間という説もありますが、湯浅浩史農学教授によると、疑問であるそうです。)。一度植えればこぼれ種で毎年咲くので、今では日本の至る所で見ることが出来る花となっています。一つの実にはなんと200〜300の種子が入っているそうです。

マツバボタンという名前は、葉が松葉に似て、花がボタンに似るという、見たまんまの名付けです。明治になってこの名前に落ち着いたのですが、その前はハナマツナなどと呼ばれていたそうです。他にもたくさんありますが、花の咲き方や日照りでも咲く程の花であるために、テンキグサ、ヒデリソウ、ヒヨリバナなどとも呼ばれます。かわったところでは、一度植えると絶えることがないため、ホロビンソウ(不亡草)とも呼ばれます。ツメキリグサは、爪で先をちぎり取って挿し芽ができるくらい丈夫といった意味です。その他に、アメリカボタン(新潟)、ツキミソウ(静岡)など呼び方に地域性が現れるのも、特徴的です。学名は「porta」=「入り口」の縮小形からきていますが、熟した果実が開いてくることからつけられたそうです。ブラジル名は、「11時の花」という意味で、やはり、午前中に咲くという性質からのようです。

 だいたいどんなところでも生育しますが、日当たりの悪くてじめじめした場所は好まないようです。むしろ、乾きすぎるくらいのところがよいでしょう。また、日の当たらないところでは、まったく花を開かないこともあります。挿し芽もしやすいので教材としても好適なのではないでしょうか。


花言葉
可憐、無邪気、にぎやか
 花を見てください。小さな牡丹です。大きな牡丹と違って、なんだかすれたところがないようなそんな雰囲気がします。そしてカラフルに咲く姿は少女が楽しく踊っているそんな風すらあります。
花と文化
今では当たり前の花になってしまって、ほったらかされている花の代表選手の感がありますが、渡来した頃はまだまだ珍しく、ある大名が大切にしていた鉢を守衛が居眠りして鉢を倒してしまい、手打ちになりそうになった話も伝わっています。
また、あるご領主が、自分の育てているマツバボタンがいつも農民たちに盗まれてしまっていたことから、欲しい者には種をやるから城へ来いと触れを出した。それから、そのご領主は花を見せに来いと、命令し、こもごも農民達は自慢気に見せにいったのだが、ある農民はおそるおそる、どうしても芽が出ないと申し上げると、花を持ってきた他の農民達に、渡したのは鉄の粉で花が咲くわけがない、この泥棒どもめ、と一泡吹かせ、花が出ないと訴えた農民は褒美をもらってめでたしめでたし。という愉快な話もあります。

紅白の松葉牡丹に母を思ふ  原石鼎

日照草大工肘より手を洗ふ  上条絹子

松葉牡丹玄関勉強腹這ひに  中村草田s男