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こちらは第5研究室:伝説

巨 人 伝 説

− もう一つの進化の果て −

 古来から巨人にまつわる伝説・伝承は数知れない。果たして巨人は存在したのだろうか。そして,現代でも何処か広大な森林地帯や山岳地帯等のロストワールドにて生き延びているのだろうか。

1.黄金の時代 ( 神話という射影の中で )

2.鉄の時代 ( 20世紀の巨人観 )

3.異界からの旅人 ( 彼は何処より来たり )



1.黄金の時代 ( 神話という射影の中で )

[謎]
 ギリシャの未だ世界がオリンポス山やデルフォイの町を中心としていた時代。神々と人間の父と呼ばれるゼウスには巨神族の父クロノスと母レアを持っていた。巨神は古神と呼ばれ,息子達はクロノスを倒し,ゼウスは「天」,ポセイドンは「海」,プルトンは「死」を支配した。時代は下りトロイア戦での凱旋中オデッセウスがキュクロブスという巨神の島へ渡航している。北欧では巨人族の母を持つ3人の兄弟(オーディン,ヴィリ,ヴェー)が巨人ユミルを倒し,その身体から大地を,血から海を,骨から山を,毛髪から樹木を作ったという。巨人族はヨーツンハイムという住処に居る。オーディンの息子雷神トールは巨人と争闘している。代表的な上記の神話の他にも巨人に関する記述は数多くある。そして多くの比喩は繁栄する巨人の国を倒し人間の国を創った事,そして辺境には巨人の国が残存している事を物語っている。

[考察]
 より穏当な解釈をすれば,巨人とは大自然の比喩であると言える。古代の人々は未開の大自然を開拓し住居を設け暮し始める。この過酷な歴史が神話の礎と成った感は否めない。現代人までの進化をアフリカ単一起源説から見た場合,世界中を流浪した人類は土地毎に見たことの無い生物と悪戦苦闘した事であろう。その中に先住民である原人や旧人との争闘も在ったかも知れない。特に旧人は高度な文化を持ったと考えられ,彼らと何らかの交流があった可能性はある。そして人々は彼らを古神として封じたのだ。しかし一番の疑問は残る。何故彼らは姿を消し,現代人のみが地球の覇者に成ったのであろうか。現代人の能力が他の種を駆逐する程逞しいものだったのか。もしかすると古神達は奥深い山々や広大な森林の中で未だに生存しているのか。

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2.鉄の時代 ( 20世紀の巨人観 )

[謎]
 1910年(明治43年)米国シアトル・タイムズ紙は奇妙な記事を報じた。セント・ロレンス山で金鉱掘削を営む丸太小屋が「山の悪魔」に襲撃されたというのである。襲撃者は半人半獣で身長は2mを超えていたと描写される。土着のクララム族とクイノールト族のインディアンはこの動物をシーアティックと呼ぶ。彼らの伝承によれば,神が人間を動物から創られたがシーアティックは人間になりきる以前の段階で放置されたものだという。時代は下り1967年(昭和42年)米国オレゴン州エスタカーダでは土中の巣を掘り鼠を捕食する姿が目撃されている。これら身長2〜3mの巨人の目撃例は米国だけでなくカナダ,ロシア,中国,モンゴルなどに数多く分布している。野人,雪男,ビックフット,サスクワッチ等,呼び名は異なれども猿以上人間未満の生物が存在する可能性を否定できないのではないか。もしかすると古代日本に現れた鬼もこの種なのかもしれない。

[考察]
 仮にこの生物が存在すると仮定する。彼らは全身が毛に覆われている。身長は2〜3mである。そして北半球の山岳地帯,森林地帯に棲息している。極度に警戒心が強く人里には近付かない。そして目撃例が年々減少する事から絶滅寸前であると推定できる。一説には旧人の生き残り,もしくは旧人から進化した種と考える者も居る。旧人と同習慣を持つなら旧石器時代程度の文化を持ち死者を埋葬する習慣がある。共食いをするかも知れない。何故か猿人の頃から取得していた「火」の効用を何らかの要因で利用しなくなった。彼らは文化を残し文明を捨てたのか。もしかすると現代人の直接の祖先である新人と旧人は前者が南半球,後者が北半球と棲み分けていたのか。誰も捕獲出来ず,死体も発見されない幻人に対しては疑問しか掲示できない。

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3.異界からの旅人 ( 彼は何処より来たり )

[謎]
 一体彼らは何者なのか。現代人の疲労感から来る蜃気楼的なものなのだろうか。旧人の生き残りにしては身長が現代人より大きいのは何故なのか。(旧人は現代人より平均身長が低い)更に旧人から進化した亜種なのか。死体が発見されないのは,彼らの埋葬習慣が既知のものと大幅に異なっている所為かも知れない。かつて首狩族は人の頭蓋骨を猿の頭ほどの大きさにする技術を持っていた。もし彼らがこの技術を持って埋葬していたら遺体の身長と実態は異なる可能性があるのだ。また,他の可能性を考慮してみる。古文献の場合,単に野生化した人間(狼に育てられた少年等)や未知の部族だった可能性もある。そしてゴリラの様な巨猿の未知種なのかも知れない。

[考察]
 19世紀,オーストラリア大陸には身長2〜3mもある巨鳥がいた。走鳥類の一種でエミュという。前世界,全身毛に覆われ長い牙を持つ巨象がいた。名をマンモスという。何れも人類との関わり合いの中で,捕食され絶滅した。巨人(巨猿)も神話時代に駆逐された生物の一種なのか。残存した者達は人里離れた山岳地帯や森林地帯に安住の地を見出したのかも知れない。20世紀に入り人間が巨大な社会システムを携え辺境の地を制覇しようとした。彼らは人間の動物図鑑に掲載される事よりも自滅の道を選択した。彼らが残したのは素人の目には石ころにしか見えない石器や,子供の悪戯にしか見えない壁画だとしたら...将来全てが判明されたとき,人間の業の深さを思い知らされる事になる。

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