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-Fairy garden- "クリスマスカ−ド" |
登がクリスマスは家でもパーティとかするものだと知ったのは叔父と暮らすようになってからだった。
でもそれを知っても特にどうとかは思わなかった。
なぜなら、ツリーとか飾らないだけでいつも兄と父がいたから。
いつも家族一緒である事こそが登には何より大切なことだった。
…とは言っても、初めて自分でする飾り付けは楽しくて…。
(悠兄もこういうのやってるかな)
そう思っていると、ある日ニュースに大きなツリーが飾られている議事堂がうつった。
「あのツリー、悠兄ちゃんがつくったのかな」
兄があまりそういうことに興味がないことを知っている晋は、それはないだろう…と思いつつも「そうかも
ね」と返した。
そもそもあんな大きなツリーを兄一人でつくるわけがないのだが…
そんな事を言えば登も『兄とやりたい』などと言い出すかもしれない、と思っていると、やはり
「悠兄と一緒にやりたいな〜。あんな危険な仕事なんて止めちゃえばいいのに」
「登っ」
怒られて少しムクれる登。
登は寂しさも手伝って長兄の仕事に反対していた。
それも昔の話で今は長兄のSPにつけるよう日々鍛練をかかさない。
「あ〜あ、今年も悠兄は帰れないのか〜」
机に顎をのせて足をぶらつかせる。
「この時期は犯罪も多いみたいだからね」
「つまんねぇ〜」
「仕方ないだろ。ほらもう寝ないと。明日も早いんだろ」
「はーい。お休みなさい」
叔父にも挨拶をした後部屋に戻った登は、いつものように写真な中の長兄と両親にもおやすみのあいさつを
する。(正月には帰ってこれるかなぁ)
おまけつきでいいから帰ってきて欲しい…。
(電話してみようかなぁ)だが兄の多忙さはこの夏隊を見に行った時に分かっている。
(悠兄〜)
今年は叔父の再婚相手もくる。
再婚相手…。
登は去年、その人からクリスマスカードをもらったことを思い出した。
(そうだ。悠兄ちゃんにだそう♪)
カードなら邪魔にならないはずだ。
翌日、早速下校途中にカードを選びに文房具屋へ。
時期が時期なだけに専用のコーナーが設けられていて、そこには多数の女性客がいた。
ちょっと恥ずかしかったが、それでも気に入るものが見つかり、上機嫌で帰宅。
家へ戻るなり部屋にこもり、文章を考える。
…いろいろ考えたが、結局シンプルな文章になった。
(これのほうが俺らしいよな)
早速封筒に入れ封をしようとして……もう一度カードを取り出した。
しばらくカードと睨めっこしていたが、ペンをとる。
(ついでだからな。ついで)
誰に言い訳するでもなく追伸を書き加えた。
クリスマス当日。
登は昨日から外をウロウロしていた。
別に返事を期待して書いたわけではないが…やはりもしかしたら…と思う。
「何してるの?」
友達の所から帰ってきた晋が、不思議そうに聞いた。
「べ、別に…」
いつもは晋が緒方の家へいくと不機嫌な登が、今日は全く無反応。
そう言って一緒に家へ戻ったものの、すぐに外へでる。
午後の郵便が届いた。
だが、そこには登が待っていたものはなかった。
肩を落として家へ戻ろうとした登を、郵便屋さんが呼び止めた。
「ごめん。もう1通あった」
登に封筒を渡すと郵便屋さんは配達に戻る。
封筒の差出人を見ると…。
「に、兄ちゃん!!きた!!悠兄ちゃんからだ!!」
登はダッシュで家へ入った。
「これ晋兄にだ。これは叔父さんの。あ、これが俺のだ♪」
封筒にはいくつかのカードが入っており、それぞれ石川から個人に宛てたものだった。
「うわっどうしよう。今からでも返事出した方がいいかな」
晋は驚きながらも、自分宛のカードを嬉しそうに見る。
登もずっと自分宛のカードを見ている。
「?まだ入ってるみたいだけど?」
「え?」
登はカードを受け取ると開いた。横から晋が覗き込む。
「岩瀬さんからだ」
それは岩瀬から石川家に宛てたもの。
「ふーん……。はい」
「え?」
登は岩瀬のカードを晋に渡した。
「俺、悠兄のだけでいい」
「こいつのなんていらない」と言わんばかりの態度。
(こんなんじゃ兄さんもなかなか言えないよね)
晋は心の中でため息をついた。
と、カードの追伸蘭が目に入った。
「…………………」
小さく『ありがとう』と書かれた文字。
「…登…」
「なに?」
「………なんでもない……」
岩瀬が礼を言うような事。
自分は何もしていない。
叔父が何かしたのなら、もっとちゃんと書くだろう。
とすると………
「な、なんだよ」
突然笑い出した晋に驚く登。
「ううん。これ、本当にいらないの?」
晋はもう一度、岩瀬からのカードを登に差し出すが、
「なんで俺が」
といって自分の部屋へいってしまった。
照れ隠しでもなんでもなく、本当に嫌そうに。
(やっぱり登が岩瀬さんと仲良くなるのはまだ先かな)
でもそれもそぉ遠くないかもしれない。
<fin>
(2001.12.26)