月刊「狩猟界」誌 平成4年7月号 第36巻 第7号 1992 

心理学コンサルタント 中嶋 柏樹

愛犬の夫婦善哉観察記

出産後の状況と子別れの落ち込み

 

ウンチとオシッコのお世話も数が多いと大変だーっ

 

 お産がすべて終って子どもを保温箱に移すと、タロウは自由になれます。お産で疲れたハナ母さんと世話で疲れたタロ父さんは、お産布団の上に向かいあって巴の字のようになってしばらく眠ります。 朝から始まったお産がすべて終るのは夕方です。夕食を食べて散歩へ行って戻ると、すべてもとの生活です。唯一ちがうのは保温箱の中に子どもが眠っているということです。子どもたちのオッパイを吸う力は並み大抵のものではありません。第1回目のお産の時の反省から、子どもたちにミルクを飲ませその後にハナ母さんのオッパイに吸いつかせることにしました。

 

 

そんなに狭いわけでも無いのにぃ

 

 これは正解で、ハナ母さんがミルクを飲んで満腹顔で眠る子どもたちの傍らに横たわると、満腹で眠っているはずの子どもたちが一斉に吸つきますが、痛がって逃げだすようなことはありません。また、哺乳瓶の穴を大きくしてポタージュ・スープのように濃厚なミルクが子どもたちに満腹感を与えたようです。 ハナ母さんは、子どもたちのウンチとオシッコを舐めるよりは哺乳瓶に残ったミルクを舐めるほうが好きなようです。子どもたちにオッパイを飲ませながら、ハナ母さんは哺乳瓶を舐めていると、タロ父さんは子どもたちを1匹ずつ丹念に舐めます。

 

 

子どもはころころ母さんはげっそり

 

 そして哺乳瓶が空っぽになると、ハナ母さんはさっさと保温箱から出て行ってしまいますが、その後も子どもの世話を続け、傍を離れようとはしません。 こうした毎日が続き、子どもたちが新しい飼い主のお家へ行ってしまった直後に、タロ父さんは落ち込みます。よほど気を張っていたのでしょう。まる2日は食餌もとりません。鬱々とした表情をして、ほとんど寝て過ごします。 そして、お産の前に「ブタラブ」といわれていた体重が、ハナ母さんは「お産」で、タロ父さんは「育児」で、それぞれが減量できて、すっかり元に戻ります。

 

 

女王陛下のクラブ誌に載りまして

 

 この間を見ていないと、この出来事が信じられないほど元に戻り、2匹とも何食わぬ顔をしています。子どもを見せなければ信じてもらえないかもしれませんが、どの子どもを見てもハナコ顔にタロウ目をしているので見れば容易に信じることができます。動物心理学の鉄則として、動物の行動を「擬人化」してはならないといいますが、ラブ犬の行動は人間のそれに酷似していて、あたかも同じと思えてなりません。

 

 

 

Mail to Taro-Hanako Family

 


 

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