「木偶と演劇」

ここは仮面を付けた舞台上
台詞は与えられる
役割は守らなければいけない
特徴は誰かに組み立てられる
それらの代わりに名前がもらえる

夜は日没をこえて闇となる
朝は日の出をこえて光となる
夜を待つのは誰だい
朝を待つのは誰だい

時を示す音を座って待つ名のない木偶
しばらくしてふと歩きだす名のない木偶
本当は何もかもわかっている

でも立ち止まるまでそれには気付かない

夜も朝も暮れ明けて
大きさも重さも何もない
雨も時間も降り乾き
肉体も魂も朽ち果てた

約束と命令を結び付けて
私に支配をください
自分に自分の名前をください
形は他人に破壊されてしまう
決してそれを望んだわけではないのに

夢は闇をすぎて夢のまま

己は集団の中で誰かのまま
形をつくるのは誰だい
嘘を語るのは誰だい

壊される前に素顔が見たいと思う名のない木偶
くずれはじめる体を水に映す名のない木偶
存在は何一つ見付からない
誰かにつくられたのにそこからそのまま

どこまでもどこまでも突き抜ける空間で
動きも声も映らない
光も吸い込まれる時間の中
ありもしない新しい復活を
      ただずっと待っている

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