どうしてクビになっちゃったのか 労働基準監督署へ行こう つっこみ満載バカ社長のお言葉 訴状!訴状!訴状! 裁判の日が決まりました バカ社長の答弁書 裁判当日 判決書を取りに 回収方法 強制執行ですって、奥様 お金をいただきました。ちょっとだけ。 「差し押さえを止めて下さい」 バカ社長の顧問弁護士 で、強制執行はどうなったのか Sメディアフジタ××記念


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この日記は、管理人が1999年の11月に、インターネットカフェを経営する某有限会社に解雇されてから、解雇予告手当を請求し、少額訴訟・強制執行へと進む一連の流れを書いた体験文です。
この不景気のなか、もし急にクビを切られて困ってるから解雇予告手当を請求したい、または少額訴訟をしたいんだけどどうしたらいいの?といった方々のお役に立てたらな、と思います。



解雇されました。


 先日、このHPの元家主でわたくしのダーリンであるさとう先生が給料が振り込まれていないということでばたばたしておりました。
そこでさとう先生は元勤務先まで直談判に行ったのだが「セミナー代金がどーのこーの」(くわしくはさとう先生のHP「不払賃金奪回日記」を)と女社長にごねられ怒り爆発させて帰ってきました。
その社長との話し合いの場でなぜかわたくしの名前が出てきて「きよはらさん(わたくし・仮名)はさとうさんととおつきあいがあったようなので解雇しました」と社長がほざいたおっしゃったそうな。「いい機会だからそっちの解雇予告手当も一緒に請求しない?」と言われてわたくしはほいほいその話に乗っかりました。

 というのは昨年の11月7日まで、わたくしはさとう先生と同じインターネットカフェを経営する某会社(これからはさとう先生の「不払賃金奪回日記」にならって会社名を「Sメディアフジタ」と表記する)に勤務しておりました。
しかし11月のあたまにひいたカゼのせいでクビになってしまいました。社長が言うには、
社長「きよはらさん(仮)はお疲れだし、ウチもまだまだ発展途上の会社なので、スタッフを無理のきく男性だけにしようと思ってしばらく休んでいただこうと思ってます。明日から来てくださらなくて結構ですよ」
さなえ「しかし、明日はセミナーがありますよ」(この会社はパソコンセミナーもやっている)
社長「いえ、それは代わりに私が入ります」
さなえ「もう来なくていいということは、解雇ということですね?」
社長「まあ、そういうことになりますね。本当は色々お話もしないといけないのでしょうが、顔を見ると情が移るので、店には来ていただかなくて結構です」(結局後日、保険証を返しに行くはめになったのだが)
情が移るって、あたしゃ犬猫かい。
 しかしこいつには裏があって、あとから出てきます労働基準局のぼんくらK氏によれば、
「きよはらさん(仮)は休みがちで遅刻も多かったのできよはらさん(仮)の家族と相談して辞めていただきました。ですから解雇ではありません」
と社長がぬかしたおっしゃったとのことですが(なんや、話ちがうやないかい。さとう先生に言うたこととも)、うちの家族はもちろんそんな相談事もされてないし、わたくしの遅刻は過去2回、きちんと電話も入れていて、そのうちの1回はさとう先生に代わりに出勤してもらっている。休みっていっても熱が出たから2日、休んだだけじゃねえか。それを「休みがち」ってなんやねん?日本語の使い方おかしくないか??(ひとのことは言えないけどさ)
 まあモノが解雇予告手当ですから「奪回」とはちょっと違うような気がするんだけど、「不払賃金奪回日記」の姉妹編ということで、そのへんは大目に見てやってくらはい。まあ奪回できるかどーかもわからんのですが。

そもそもこいつを書こうと思ったきっかけ>
「世の中のクビになったあわれなひとたちはどうしているんだろう?」
と気になって解雇予告手当について書いてあるサイトをネット上で探しまわったんですが, これがまた見事なまでに無い(あることはあるのだが、少額訴訟までいったケースがない)。
わたくしが調べたかったのは「もしいきなりクビになって解雇された人はどうしたんだろう?労働基準監督署に行くのかな?もし裁判になんかなったらどんなふうにやるのかな?」ということでありました。でも見つからないんですわ。わたくしの探し方が悪いのか。
賃金未払いでどーのこーのというのは結構あるのですが・・・。
こんな景気のよろしくない世の中、急に会社をクビになって困っているひとはいっぱいいると思うんです。
そしてどうしていいかわからなくてそのまま泣き寝入りしちゃうひとだって。じゃあ解雇予告手当をくれって言ったって、素直に支払うよい雇用者ばかりとは限らないしね。
わたくしもクビになってしばらくはそうでした。
でもそんなんじゃだめだって思ったんです。急にクビ切られて、ああわたしが悪かったんだってそのままあきらめちゃうのはよくない。わたしは労働者として労働力を提供したかわりにもらわなくちゃいけないものをもらわないといけないって思ったんです。だって当然の権利なんだから。まあさとう先生がらみであのバカ社長がわたくしのことをあることないこと言っているのを聞いてアタマに来たってのもあるけどね。
話がそれちゃったけど、急にクビ切られて困っているひとのために、どうしたらいいかまでなんて書けないけど「わたしは解雇されてこうしました」ってのを残しておきたいと思ってこいつを書き始めました。役に立つとは思わないけど、参考にしてくださったらと思います。よりによってこんな読みにくい文章でごめんねっ。

 まずは「解雇予告手当とは何ぞや」ということから。
労働基準法によれば第20条に、

「使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない(略)」
とあります。まあほかにもいろいろ書いてあるのですが、労働者に責がない限りいきなりクビを切ってはいけない、それなら30日分以上の賃金払ってやれ、ということですな。
早い話これが解雇予告手当ってもんです(早すぎ)。

 わたくしの場合まぎれもなく解雇でございますから、当然請求をしました(口頭で)。が社長は、
「払ってあげたいんですけどウチにはその余裕がないので・・・。でも働いた分はきちんと払いますよ」
解雇予告手当っちゅうもんは「金がないから払えませーん」ってなもんじゃないはずなんだが。。。。
その場でもっと粘るなり解雇の事実を認めさせてそいつを記録に残すなりすればよかったのですが、なんだかこのバカ社長を相手にするのがアホらしくなっておとなしく帰ってしまいました。まあこれがあとから命取りに・・・なってなければいいけど。

 そして話は4月下旬の「さとう先生給料入ってないやんけ事件」へと進むわけです。





2000.05.16*労働基準監督署


 まあそういうことで「解雇予告手当」をSメディアフジタに請求することになりました。 まずは困ったときの労監署、ということで、さとう先生に電話番号を聞いて労働基準監督署に電話をしました。相手の会社がいっしょということで、さとう先生の件の担当、K氏を指名(というのもヘンだな)しました。Kさんをお願いします、って言ったら本人だったのにはびっくり。そして事情を説明しました。するとK氏、さとう先生を通じて話を聞いていたのでついでといったかんじでSメディアフジタの女社長に話をしてくれていたのですがあちらは「解雇していない」の一点張りだそうで。 そこでわたくしはK氏に解雇までの流れを説明しました。簡単に書くと、
・7月下旬に求人誌を見てSメディアフジタに面接に行った。そして9月までアルバイトということで試用期間をもうけ、働くことになった。9月になった時点でわたくしより先に応募していたさとう先生とわたくしと両方の働きぶりを見て、どちらを採用するか決めると言われた。
・話には9月にどちらか一人を採用、ということであったが、二人とも10月にめでたく正社員となった。
・しかし11月のあたま、わたくしがカゼをひいてしまい、11月5、6日と欠勤してしまった(11月4日にあのバカ社長が模様替えをするとかぬかしておっしゃってパソコンや書類や机の運搬といったことをさせなければ、2日も休むことにはならなかったと思うのだが・・・)。
・11月7日、自宅に女社長から電話がある。先に簡単に書いているが改めて説明すると、 「きよはらさん(仮)は精神的にも身体的にも疲れている。そこで私(社長のこと)はきよはらさん(仮)のためを思ってしばらく休ませる(ここでわたくしが「それは解雇ですね?」と聞いたところ「そうですね」と返事)。ウチはまだ発展途上の会社であるから、そのために社員に無理をかけるかもしれない。これを機会にスタッフを男性だけにしたいと思っている。顔を見ると情が移るので引継ぎなどのために出社する必要はない。明日から来なくてもよい」
・後日、女社長から再び電話。やっぱりわからないから仕事の引継ぎに来てほしいとのこと。ついで保険証を返すことにする。そのときに「これは解雇であるから解雇予告手当を支払ってほしい」と言ったところ、「払ってあげたいが、ウチにはその余裕がない」とのこと(解雇じゃないと思うならなぜここで抵抗しない!?)。働いて1月しかたっていないが、離職票が欲しければ発行してやると言う(結局もらわなかった。今から思えば離職票には退職の理由が書いてあるのでもらっておけばよかった)。
・そして3月、さとう先生退職、4月末給料未払事件発生。労監署や弁護士(!)に相談し、Sメディアフジタに給料支払を要求する内容証明郵便を送ることに。さとう先生、ついでにと弁護士の先生にわたくしと女社長とのやりとりやいきさつを話すと、弁護士の先生「それは明らかな解雇です。」とのこと。よってわたくしもさとう先生と連名で解雇予告手当を請求する内容証明郵便を送ることにしました。
・5月3日、内容証明郵便を送る。到達後3日以内にさとう先生の未払い給料とわたくしの解雇予告手当が支払われない場合は簡易裁判所に提訴する旨あわせて通告する(郵便局は営業していた。えらいえらい)。
・5月8日、内容証明郵便の配達記録が届く(受取拒否されなくてよかった)。
・相手方に配達されて10日経つが、支払いどころか連絡すらない。
ということをお話しました。するとK氏、めんどくさそうに、
「でもあっちが解雇したって証拠ないんでしょ?やりとりだけだったら、言った言わないになって収拾つかなくなるんだよねー」(原文ママ)
などと言います。さとう先生も言っていましたが、やつらはお役人だからやる気がないんですよね。実際に話をしてみてよーくわかりました。
こちらが「弁護士さんは”明らかな解雇だ”って言っていましたよ」
と言えば、
「じゃあ弁護士に言えばいいじゃん!」(原文ママ)
・・・これが「労働基準監督署」の人間の言葉なのだろうか?わたくしは耳を疑ってしまいました。あまりにもひどすぎます。腹が立ったので「そんな口のきき方しかできないの?さっきからタメ口じゃないの」と文句を言ったら逆ギレする始末。
「なんだとてめー、さっきからこっちがおとなしくしてりゃいい気になりやがって。ふざけんなよ!」(原文ママ)


は、ふざけとんのはどっちやねん!!


こっちの我慢にも限度があるので「はあ!?とキレかかったところ、
「いや、すみません、今のはごにょごにょ」(原文ママ)
よっぽど「てめえの上司を呼べ!」と言ってやろうかと思った。
・・・これで落ち着いたのか(気がすんだのか?)K氏、さきほどまでのめんどくさそーな態度から「あちらにもう一度電話して事情を聞いてきます。明日にこちらから連絡します。お役に立てるかどうかわかりませんが」とちょっとは仕事をする気になってくれたようです。

結論:労働基準監督署はあかん。

後日談:さとう先生のおはなしによれば「全国の労働基準監督署にはK氏よりもやる気がなくてやばい職員がいっぱいいるらしい。世の中おかしい」





2000.05.17*もうすこしましな嘘はつけないのか?


ものぐさK氏とのやりとりの翌日。
さとう先生から携帯に「K氏が女社長に話をしたところやっぱり”解雇じゃない”と言っているそうだ。くわしい話が聞きたいので、できれば今日、労働基準監督署まで来てもらいたい。折り返し電話が欲しい」とメールが来ていたので10時のおやつの時間にK氏に電話を入れる。
しかし、急に来てほしいと言われてもなあ。こっちも仕事してるんだし。
一応だめもとで専務にこういうわけで外出させてほしい、と話をすると、
「おう、ばっちりふんだくってこい」(原文ママ)
・・・なんてものわかりのいい人なんだ。
ということで1時すこし前、合同庁舎内の労働基準監督署へ。
ドアを開けると中にいた職員が一斉にこっちを見るのだが、誰も「どうしましたか?」なんて声をかけてくれない。1時に5分前とはいえまだ昼休みだからか。・・・やなかんじ。
仕方がないので近くの机の人に「Kさんにお取次ぎをお願いします」と言うと呼んでくれた。ついたてで簡単に区切られた、机と椅子があるだけのスペースに案内される。そこですこし待たされた。
しかしK氏、電話であれだけすごんだんだからどんなヤツだろう、と思ってみれば、

なんかそのへんにいるふつうのおやじ

だもんなあ。いかにもお役人さん、ってかんじの人だった。この人が電話で「ふざけんな!」なんて言ったとは信じられない。
K氏、メモ用紙をいっぱい持って「お待たせしました。お仕事中にわざわざ出てきてもらってすみません」と座った。すっげえ腰低い
電話とのギャップに驚くというよりむしろびびりつつ話を聞く。K氏が聞いてきたところによると女社長は、
パーティーの予約が入っていた11月7日に(さなえが)出勤してこなかったからうんぬん
ぬかしておっしゃっているらしい。おいおい、昨日聞いたのと話がちがうじゃねえか。
さらに「遅刻や欠勤がどうのこうの」と言ったことについては、

さとう先生と毎晩夜遊びするから遅刻や欠勤が多くなった

と言っているそうだ。まったく言いがかりである。・・・しかし、百歩ゆずってそれが本当のことだとしてもどうやって彼女がそのことを知りえたんだ?
「わたしはあちらが言っていたことをそのまま伝えているだけですからね」と何度も念を押すK氏。わかってるって。
あちらの言い分(というかでっちあげなんだが)をひととおり話してからK氏は「解雇までの流れをもう一度話してください。できれば詳しく」とメモを取り出した。 そこでもう一度くわしく話をしてやる。前日電話で話したことに加えて、採用された時の条件(月給14万円、交通費1万5千円まで、休みは月6日←求人誌には月8日と書いてあった、どんな仕事かetc.)、辞表・退職願は書いたかどうか(どちらも書いていない)などを話す。まだ思い出せることはありませんか?と何度も聞かれた。
ひととおり話が終わったあと「それでは今からSメディアさんのところに行って話を聞いてきます。・・・でも、解雇だとはっきりわかる書類がない以上、あちらが解雇ではないと言い張ればわたしたちは動くことができません。その辺をわかっていただきたいのです」とK氏。
「わかってます」とわたくし。「だめでしたら提訴します」
「わたしは個人的には解雇と思うのですが、あちらがあんな調子ですから、法廷に持ち込んだほうがいいかもしれませんね。・・・でも裁判官はどんな風に判断するのだろう?」
ここでK氏、少額訴訟にいたく興味を示したらしく「少額訴訟とはなんぞや」とわたくしに聞いてきました。わたくしもそんなにくわしいわけではないのですがひととおり説明してあげました。やれやれ。
社交辞令(「お仕事中のところ申し訳ございませんでした」「こちらこそお手を煩わせてしまってすみません」「いえいえ」etc.)のあと、労働基準監督署を出る。女社長にもう一度話を聞きに直接出向いて、夕方またこちらに連絡をしてくれるとのこと。頼むよん。


 6時ぴったりに(なんでぴったりってわかるのかって?携帯の履歴を見たのさっ)K氏から電話。あのあとSメディアに電話したらなんと女社長は「話すことは何もない」といきなりぶっちしたそうな。大胆。もう一度電話したら今度はゴネ始めて、さとう先生に全額払うと約束した給料も払わないかもしれないらしい(くわしくはさとう先生の「不払賃金奪回日記」5/17日分を)。ぜんぜん関係ないのに。
これで交渉決裂。


 その夜、「訴状出す前にひとこと言っておくか」とSメディアに電話することにしました。K氏にあほなこと言うてるようやけどなんでそんなうそっぱちばっかり言うの?とちょっと文句を言ってやろうと思ったのです。裁判する前に本人に直接連絡しておいたほうがいいのかな?と考えたのもあるのですが。 それがあの大ボケ社長、電話でわたくしに、
「110番していいですか」
とぬかしました。ばかたれ。警察は民事不介入じゃ。「ええどうぞどうぞ!」と言ってやりました。べつにこっちは悪いことをしているわけではないのです。・・・さとう先生が不払賃金のことで直接話をしに行って「この会話をテープにとらせてくれ」と言ったところほんまに110番したことがあったそうだ。やれやれ。

しかしあのおたんこなす社長、つくのならもっと手の込んだ嘘をつけってかんじですな。誰かに聞いたらすぐにバレるようなでっちあげじゃ大したことないよ。しかも自分の言っていることが「解雇したことを認めている」ということに気がついてないみたい。たとえどんなにわたくしが悪くたっていきなりクビを切っちゃいけないのよ。

さて、いっちょ出るところに出てやるとするか。訴状見て腰ぬかすなよ。





2000.05.18*訴状提出


訴状:民事訴訟で、訴えの提起をする者が当事者および法定代理人、請求の趣旨および請求の原因を記載して裁判所に提出する書面のこと・・・うーん、むずかしい←ばか

 というわけでいっちょ少額訴訟、となったはいいのですが、現在のわたくしはカタギの勤め人、平日にひょいっと休んで裁判所へGO!ということはできないのです。少額訴訟は一期日の原則、といっても訴状も出してこなければなりません。休みが訴訟当日、訴状を提出する日と2日ほどいります。というわけで職場の上の人に話をすることにしました。 労監署へ行くときに話をしたG専務は「いいぞ。いくらふんだくるんだ?1千万ほどか?」(少額訴訟やっちゅうねん)と快くOKしてくれましたのですが社長の息子Hは、

そんなことで裁判するんか?」

と冷ややかにぬかしました。うーん、何もしなくてもゆくゆくは社長になるであろうこいつには、労働者の気持ちなんてわからないのかなあ?
今は仕事があんまりなくてヒマだから早いうちに行ってこい、ということなのでさっそくその日の午後に外出させてもらうことになりました。
12時半、さとう先生に迎えに来てもらって簡易裁判所へ向かいます。裁判所のまわりには弁護士やさんや司法書士やさんがいっぱいいるそうですが、確かにそうだった。もうかってるのかな?
少額訴訟の場合、書記官の方が相談にのってくださって、訴状の書き方も教えてくれるそうなのですが、提出する前に弁護士に聞きたいこともいろいろあったのでまずは少額訴訟専用の訴状をもらってくるだけにしました。これは必要なところを埋めるだけでよく、わたくしのような素人さんでも簡単に訴状が作成できるようになっています。
また被告となる相手が会社の場合、商業登記簿謄本が必要だそうです。どこでもらえるのかと聞いたら法務局。うざっ。しかも1,000円とられた。
このあとに弁護士に相談に行く予定でしたが、30分5,000円と時間が限られているので訴状の埋めていける部分はもう書いていこう、と家に寄っていきました。そして弁護士会に行って話を聞いてくれるヒマな弁護士さんを探してもらいます。受付のおねえさんは見つかるまで名簿を見ながら手当たり次第電話をします。こうして弁護士会の近くにあるA法律事務所を紹介してもらいました。一時期テレビをにぎわせた某宗教団体の顧問弁護士と同名のこの方は、忙しいのかおカネにならないことはイヤなのか、あんまり相談に乗ってくれませんでした。弁護士に相談するのがはじめてで緊張していたわたくしですが、ちょっとがっかり。木村晋介さんみたいな弁護士さんがもっと増えてくれたらいいな。

訴状(給料支払請求事件用)はこちら。

3時過ぎ、再び裁判所へ。
ロビーでは「少額訴訟とは何ぞや」といったビデオが流れていて、わたくしは見たいと言ったのですが「4時からエアコンの工事が入っているんだ。それまでに帰らないと」とさとう先生は許可してくれませんでした。うう。。
さきほどの書記官のおにいさんに訴状の書き方を教えてもらいます。弁護士さんにも聞いていたのですが、なんかてきとうにあしらわれたような気がしていたので心配だったので。 その間にさとう先生は訴状と一緒に提出する添付書類をコピーするためにわざわざ車でコンビニまで行ってくれました。裁判所の中にコピーを取るところはあるそうなのですが、
「1枚40円で高いから、コンビニまで行ったほうがいいですよ」
と書記官のおにいさん。このおにいさんは、訴状なんか書いたことのない(当たり前だが)素人さんのわたくしにもいろいろ親切にしてくれました。
「”被告は××××××(×は空欄)業を営むものである”・・・?なんて書いたらいいんですか?」
「あなたはどんな仕事をしていたんですか?」
「インターネットカフェでパソコンセミナーをしたり、お客にコーヒー出したりしてました」
(登記簿謄本を見ながら)「なんかいろいろやってますねえ。・・・この“情報サービス業”でいいんじゃないですか?」
「“情報サービス業”と」
「ここは、“未払給料”の“給料”に2重線をひいて“解雇予告手当”と書いてください」
「2重線をひいて、“解雇予告手当”と・・・あの、労働基準法114条に“付加金が請求できる”って書いてあったんで、それも請求したいんですけど」
「じゃあ“解雇予告手当及びその付加金”と書いてください。“その他の参考事項”にも書いておくといいですね。ほかに書いておきたいことはありますか?」
「労働基準監督署に相談したけど、払ってくれなかったってことは書いてはいけませんか?」
「それも“その他の参考事項”に“労働基準監督署に指導をお願いしたが、払ってくれませんでした”と書けばいいでしょう」
「添付書類なんですけど、給料明細がないので通帳のコピーをとってきたのですが、これは“給与等支払明細書”にチェックすればいいんですか?」
「それは下の四角(□)にチェックをして空欄のところに“通帳写し”と書いてください」
・・・こうしてわたくしの訴状が完成しました。なんか訴状ってより、アンケートのよう。これ出しただけでほんとに裁判できんのかな?みたいなかんじ。
「訴状はこれでいいですよ。あとは向かいの“U商店”で切手と印紙を買ってきてください。裁判所内には売っていないので。・・・ポストがあるからすぐにわかりますよ」
戻ってきたさとう先生とU商店におつかい。戻ってきたら「(原告用)少額訴訟手続について」という紙をもらって本日は終了。
今日から原告生活だよ。どうしよう(別にどうってことはないのだが)。


<後日註>これを書いている5月26日、わたくしの勤めている会社が5月いっぱいで営業を停止することが社長から発表されました。従業員は全員解雇、だそうです。
これでわたくしは半年に2回、解雇されてしまったということになります(泣)。
ちなみにこの日は給料日だったのですが、「先立つものがない」そうで6月以降に解雇予告手当と一緒に支払われるそうです。
まあこれで裁判に集中できるというものだ。と強がってみよう。
しかしあと1月も収入がないのはきついなあ・・・。


<再後日註>5月分の給料、結局6月には出ませんでした。
なんか債権届とか、ややこしいことになるそうです。





2000.06.02*期日呼出状がやってきた。


 訴状提出から約2週間後、ついに期日呼出状が届きました。
なんかごついでっかい封筒で来るのかな・・・と漠然と想像していたのですが、なんだかふつうのお手紙。拍子抜けしました。でも表には「簡易裁判所」って書いてあるんだけど。
さとう先生の分はわたくしより遅く提出したにもかかわらず先に届いていたので、 そちらと比べてみます。
「あなたと有限会社Sメディアフジタの解雇予告手当等(等、というのは付加金がついてるから・・・かな?)請求事件の口頭弁論期日が,平成12年7月14日午後3時00分・・・なに?一緒??」
なんと期日も時間も部屋もさとう先生と一緒。「まさかとは思うけど似てるからまちがえてるんちゃう?」とさとう先生が裁判所の担当の方に電話。被告が同じだから同じ日時の呼び出しにしたとのこと。
「同じ日だったらいいね」と話していたので、ちょっとどころかかなり心強いです。さとう先生は証人として出てくれるし(彼はバカ社長がわたくしを辞めさせた、と言うのをはっきり聞いているので)、同僚だったCちゃんも来てくれます。
日も決まったし、これであとは裁判だ!!

しかし、あとひと月以上もあるのね。それまでにこの怒りが続いているかな?なんだか下手に落ち着いちゃっているような気もするけど。寝る前にはあのバカのことでも考えて自分を奮い立たせるとするか。でもそれもやだなあ。





2000.07.12*答弁書に怒る


 訴状提出から約2週間後、ついに期日呼出状が届きました。
裁判を2日後に控えた本日、ようやく被告からの答弁書(原告の訴状に対する被告の回答のこと)が。さっそくオープン。
おっ、直筆じゃん。当たり前だけど。しかしあいかわらず汚ねえ字だな。

内容は、(カッコ内さなえ、斜体被告記入内容)

1 原告から提出された訴状に書かれている請求の趣旨及び紛争の要点は,
 すべて間違いない。
 間違っている。
※ 上記□(チェックボックス)の「間違っている」欄にレ点をつけた方は,どのような点について間違っているのか具体的に記載してください。
言っている事が意味不明のため企業として相手にしない。
原告が自己都合により辞めた。労働
(訂正印あり)
※ 間違っている部分についての,あなたの言い分があれば具体的に記載してください。
労働基準監督署へ説明済み
・自己都合退社である(訂正印あり)旨
ふーん、たったこれだけ書くのに、訂正印2つも押してるんだ?
どうもあちらはさなえとまともにやりあおうとしているようです。
前回ここで、自分の怒りが萎えるんじゃないかと余計な心配をしてしまった。どうもその必要はなかったようだ。
今までは正直言って、あのバカ社長を裁判所まで引っ張り出せるということに満足していたのだが、わたくしはこれを読んでかなり頭に来た。徹底的に叩き潰してやると物騒なことを思った。
意味不明?企業として相手にしない?
情がどうだと言いながら、都合のいいときだけ企業人ぶってるんじゃないよ。
さあ、どうやってわたくしが自己都合退職であることを説明してもらおうか?退職願でも偽造しちゃったりする?今から、ある意味楽しみです。


同じ日に、5月まで勤めていた会社が破産宣告を受けたそうで、債権届が送られてきた。ついでだからあさって持っていこう。





2000.07.14*やっぱりわたしは間違っていなかったんだ


とりあえず、結論から。

原告、全面勝訴です。

ばんざーい!ばんざーい!ばんざーい!
解雇予告手当はもちろん、付加金まで、請求金額はすべて認められました。
とりあえず、当日のことをお話しましょう。

開廷時間は午後3時。10分前まで書記官室に来いということだったので、早めに家を出ました。簡易裁判所に着いたのが午後2時30分ちょい過ぎ。早かったかな?
入ってすぐに期日呼出状に書いてあった「民事第6号法廷」があったので見に行く。さなえの裁判はここで行われるらしい。ドアの横に、本日行われる予定の裁判が書いてあった。お、さなえの名前が載ってる。あたりまえだけど。すかさずパチリ。なにがパチリかって?カメラに決まってんじゃん。裁判なんてなかなか経験しないだろうから記念に写真とっとこうと思ったの(爆)。
とりあえず書記官室に期日呼出状を持っていくと、時間が早いから「申立人待合室」で待ってろとのこと。原告と被告は待合室も違うのね。そりゃそうか。 待合室のドアを開けると、がらがらだと思っていたのに6人も人がいてびっくり。しかもみんなお年より。ひとり弁護士さんみたいな人がいました。彼らの話を聞いていると、病院がどうとか1日1000円がどうとか言っています。またしばらく聞いてみるとどうも調停のようでした。5分ほどして、裁判所の人が呼びにきて彼らは出て行ってしまいました。いきなり静かになる待合室。そのあとも何人か入ってきては出て行くといったことを繰り返しました。
午後2時50分になり、ふたたび書記官室へ。さっきの民事第6号法廷へ行ってくれとのこと。ここはラウンドテーブル法廷といって、普段わたしたちがテレビのニュースでみる法廷のようすとは違い、テーブルがどんと置いてあって、それを当事者と裁判官さんと書記官さんたちが囲んで裁判というか話し合いをする、といったかんじ。少額訴訟ではラウンドテーブル法廷がおもに使われるとか。
「当事者・傍聴者入口」と書かれたドアを開けると(なんとのぞき穴もある!)、おばちゃんが2人、おっちゃんが1人いたので間違えた!と思わずドアを閉めてしまった。さとう先生と「ここだよね?」と確認してもう一度入る。中の人に、「3時からなのですが」と言うと、「ああそこに座ってちょっと待っててね」とおっちゃんに言われたのでおとなしく指された入口近くのソファに座る。
中のおばちゃん2人は「3月10日3万5千・・・」などとなにか計算しているよう。最初はわたくしの裁判を担当してくれる人かと思ったのですが、どうも違うみたい。 そのうち、自分の座っているソファが「傍聴席」ではないかと気づく。だってラウンドテーブルとの間に木の柵が。ほかに傍聴席らしきものは見当たらないし。
3時きっかり。おばちゃんたち出て行く気配もなし。こっちの裁判を担当する人も来ないし、被告のバカ社長も来ない。どうなっているんだ?
ヒマなのでさとう先生とひそひそ話をする。
5分後、ドアが開いて、被告の社長が入ってきた・・・と思ったら違っていた。書記官のOさんだった。姿格好があのバカ社長に似ているものだから一瞬びびっちゃったよ。さとう先生も同じことを思ったらしく「びっくりしたー」と小声で言った。
「ここ、使いますんで」とOさんはおばちゃんたちに言うと、おばちゃんたちはそそくさと出ていった。・・・結局このおばちゃんたちが何者かわからなかった。 そしてスーツ姿の裁判官さん入場。あれ、「あの衣装」じゃないんだ。なあんだ。 「まあ空いているところに座ってください」と裁判官さんとOさんは窓際の席に椅子をひとつ空けてとなりに座った。こちらもとりあえずてきとうに座る。

被告のバカ社長はまだ来ない。

少額訴訟を経験された方のHPに書いてあったような「はじまりの起立、礼」もなく裁判は始まった。裁判官さんが「少額訴訟とは何か、という説明は聞いてますね?(うなずくさなえとさとう先生)・・・それは省略します」。
「被告は欠席ですね」と裁判官さん。
「そのようです」とさとう先生。
ちくしょう!逃げやがったな!!・・・まあ来ないということは何も言うことがないのだろう。というかバカ社長、のこのこ来てなにを喋るつもりだったのか楽しみだったのだけど。
そして本人かどうかの確認、請求金額の確認、そして被告が同じ会社、人なので同時に裁判を進めるという説明のあと、まずはさとう先生から質問が始まった。さなえの方が事件番号が先なんだけどな・・・なんでやろ。まあいいや。さとう先生がどんな受け答えをするか聞いていよう。
さとう先生がいつ入社して、いつ辞めたかという質問のあと、「それではきよはらさん(仮)のほうは・・・」といきなりさなえにふられる。メモを見ながら丁寧に答えた(自分ではそのつもり)。
その後もどんな仕事をしていたか、給料はいくらだったのか、訴訟に至る経緯など、さとう先生とさなえと交互に聞いていく。途中、「就業規則について」や、「さとう先生とさなえの訴状に書いてある仕事内容の違い」や、「試用期間に関しての説明はあったのか?」、「正社員として採用される際に、社長のほうからいつ、どんな言葉があったのか?」、「給料はちゃんともらっていたのか?」、「この請求金額は、どのように計算したか?付加金というのはどこから調べてきたのか?」等細かいところまで質問は及ぶ。
そして本格的にさとう先生に質問。これはさとう先生のHP「不払賃金奪回日記」に詳しいのでここでは省略。
さとう先生への質問が一段落ついて、さなえへの質問が始まった。ここまで40分くらいかかってる。腰いてえ。
まず、先に話した入社から解雇までの経緯をまたひととおり説明する。一度話したことを何度も聞かれる。本当のことを言っているかどうか確認のためだろうか?
前日に作ったメモを見ながら話をする。・・・作っておいてよかった。
いちばん大事な解雇を通告された電話のやりとりでは「あなたは解雇を言い渡されて拒否や抵抗はしなかったのか?」というつっこみを受ける。・・・うっ。
「雇用主である社長からの通告だったので、働かせてくださいと言ってもむだだと思った」と答えた。

解雇予告手当いうのはどこで知ったか?

「解雇を通告された日に、友人に求人誌関係の会社に勤めている人がいるのでその人に相談したら教えてもらいました」とさなえ。

それを聞いてどうしましたか?

「払ってくれるとは思わなかったので、とくに請求はしなかった。後日、保険証を返しに行ったときにだめもとで言ってみたが、やはりもらえなかったのであきらめた」

その後どうしたか?

「インターネットで調べたりしているうちに、『これはわたしがもらわなくてはいけない当然のお金だ』ということに気づいたので、労働基準監督署に相談した。(中略)だめだったので、こちらのお世話になることにした」

解雇されるようなことをしたおぼえがあるか?(仕事上のミスなど)

「ありません」

というやりとりが続く。
「これは言っておかなくっちゃ」「こんなこと言ってよかったかな?」などと頭の中で考えをめぐらせつつ裁判官さんの反応をうかがうが、これがまたノーリアクション。無表情なんだ。まあこうでないと裁判官はつとまらないのかも。
そして「被告は何才?」「だんなさんは?」という謎の質問があり、しばらくのやりとりのあと閉廷。・・・所要時間1時間30分。結構かかったかな?と思ったけど、ふたりいっぺんにやったからこんなものかなと思い直す。
判決が出るまでしばらくかかるので待合室かロビーで待っていてくれとのこと。「ありがとうございました。よろしくお願いいたします」と頭を下げた。こうして第6号法廷を出る。主張するべきことはした。あとは判決を待つだけ。

ロビーで缶コーヒーを飲みながら待っていたら、4時50分ごろ職員の男の人が来てテレビを消して去っていった。帰る気まんまんだな公務員。
「裁判所の便所、写真に撮ってこようかなあ」とさなえ。
「なんのために?」とさとう先生。それもそうだな。
そしてOさんが来て、

「判決が出るまでちょっと時間がかかりそうなんです。5時半くらいまで待っててもらえますか?」

な、なにをそんなに手間取るようなことがあったんだ?あたし、なにか悪いことした??と勝手にひとり動揺する。あと30分もあるぞ、おい。ヒマだから写真でも撮ろうか?とさとう先生と外へ出た。裁判所のまん前で、まずさなえを写真におさめてもらう。わーい、裁判所♪(←ばか)続いてさとう先生も、と思ったところ、職員の人が、
「写真だめだよ」
と言った。やば。さっきから撮ってるって。しかもフラッシュたいて(笑)。
あきらめて中に戻る。しばらくメールを打ったり話をしていたら5時25分、館内の電気がばたばたと消えた。・・・急にさみしくなった。職員の人も次々に「おつかれさまー」と帰って行く。うらやましいぞ公務員。ほんとに今日中に判決出るのか?まさか「来週来てください」ってことにならないよね?と心配していたらOさんが来て「お待たせしました。部屋に戻ってください」と言った。いよいよ判決が出るのだ。

このへんのことはあんまり覚えていない(爆)。
しばらくやりとりがあって、判決はまずさとう先生から。
さとう先生は、一部容認、一部棄却。
不払給料は認められたが、一緒に請求した残業代は全額ではなく、付加金も認められることはなかった。・・・あれだけ証拠がそろっているのに、なんで?
これだったら状況証拠しかないあたしはどうなるの!?

「続いてきよはらさん(仮)。主文、被告は原告に、金員××(金額)円を支払え。」

・・・え、全額?うそ?付加金も認められたの??

「・・・以上です」
そして裁判官さんは去っていった。あとは書記官のOさんと判決書の原本をどうするか?(郵送or取りに来る)といったことを相談した後、退室。
入口は閉まっていたので非常口から出る。小雨の中、ガッツボーズ。やっぱりあたしは正しかったんだ!という実感でいっぱい。Yeah!
こうしてさなえの裁判は終わりました。


・・・しかしバカ社長、「裁判所からの命令があれば支払う」と言っていたものの、ぶっちする可能性もないとは言いきれません。または「異議申立て」という方向もあります。もし払ってくれなかった場合今度は「差し押さえ」ということも。うわ、「差し押さえ」だって。すげえ。さとう先生は「たぶん払ってくれないような気がするから考えておいたほうがいいんじゃない?」と言っています。もしそんなことになったらまたここで報告するね。とりあえずいったん「解雇予告手当奪回日記。」はおしまい。
最後に。
「このお金(解雇予告手当)はわたしがもらうべきお金なんだ」ということに気づいてはじまったこの裁判ですが、正直言ってなんか自分がやりすぎているような、間違ったことをしているような気持ちになっていた気がします。でもぜんぜんそうじゃない。今日の結果が、わたしが間違っていなかったということを証明してくれているのだと思います。
裁判なんて関係ないや、と思っていても、生活のため、プライドのために裁判をしなくちゃいけない日がこれを読んでいるあなたにも来るかもしれません。そんなことないって?・・・わたくしも最初はそう考えていました。確かに裁判なんか絶対しなくちゃいけなかったの?と聞かれたらもしかしたらそうじゃなかったかもしれない。でも、自分のために、これだけはやっておこうと思ったんです。
もし、いつかわたしのような立場に立たされてしまった人がいたとしたら、その人のためにこのページがすこしは役に立てたらな、と思います。
ここまで読んでくれて本当にありがとう。


・・・と締めたはいいのですが、宴のあと、その始末もせねばなりません。
というわけでまだまだ続きます。





2000.07.21*判決書を取りに。そして、


「ところで、判決書来ないねえ」とさとう先生に言ったところ、
「取りに来いって行ってたじゃないか」と言われた。
「・・・そうだっけ?」
「人の話を聞かない子だねえ」

というわけで今日、電車とバスを乗り継いで裁判所のあるN町へ。暑いぞ。
バス停の道をはさんで向かいに検察庁がある。裁判所は、そのすぐそばにあるはずだ。信号を渡って左折。検察庁の前を通る。このまま歩けば並びに裁判所があるはず・・・だが?
検察庁のすぐ横に県職員宿舎が。何気なく番地を見る。10番*号。こんなものあったかなーと思いつつ直進。またしばらくするとS谷法律事務所が見えてきた。ここは5月まで勤めていた会社がつぶれたときにこの会社の管財人が決まる前になんか書類を送りつけてきたところだ。ん?裁判所の近くにはなかったぞ?裁判所に行ったついでに債権届のことを聞くつもりだったので、この事務所からの封筒を持ってる。住所を見た。12番*号。
裁判所からの封筒に書かれている住所を見る。9番*号。
そして今通ってきた県職員宿舎は、10番*号。
・・・ぎ、逆方向やんけ。
仕方ないので来た道を戻りました。なんと裁判所は、さなえが思っていたようにバス停から道路を渡って検察庁の横でなく、その建物の裏側にあったのでした。うわまぎらわし。ていうか地図見とけよ自分。自分につっこみを入れつつ裁判所に無事到着。やれやれ。
行ったら行ったで昼休みだったので担当の書記官Oさん不在。うー。仕方がないのでロビーの椅子に座って「少額訴訟って?」というエンドレスの説明ビデオを見る。1時まであと40分。このビデオは「約20分」と書いてあるから2回見なくちゃいけないのか・・・。1回だったら黙って見ていられるだろうけど、同じものを2回はなあ・・・とぶつぶつ言いつつ、自販機でコーヒー牛乳を買って見てしまった。訴状を提出しに来たときに見たかったんだけど見れなかったので。なんかアニメと合成したくさい芝居の大変わかりやすいビデオでした。被告の立場からも作ってあったのでなんかためになったような。これから被告になんかならないと思うけど。あ、そういえば裁判所の自販機、110円でした。いいなあ。

1時になったので取りに行ったらOさん、いました。
さっそく判決書を受け取ります。このときOさん、
「佐藤さんのはんことか持ってないですよねえ?」
はあ?
実は判決書をもらうときにははんこがいるのです。わたくしは自分のはんこはちゃんと持っていきましたが、さとう先生の判決書は郵送することになっていたはずなのではんこなんて持ってきているはずがありません。
「被告の方に判決書を送ったんですけど、受け取られなかったみたいなんですね。それでもういちど送ろうと思うんですけど、すると佐藤さんのほうに送る分の切手が余っていないんですよ」
なんやねんそれ。
仕方がないので立て替えてあげることにしました。あと380円分の切手が必要だとか。わたくしはいつも財布に何枚か切手を入れているのでそいつを出しました。でもあと60円足りません。
「60円は現金で」と言うと、
「いや、切手でお願いしたいんですけど」
・・・そうだった。訴状を出したときも手数料は切手で納めたんだっけ。しかたがないのでこのくそ暑い中、例のU商店(5/18参照)にパシリに行きました。くそっ。役人め。←やつあたり
U商店までの道のり、もらったばかりの判決書を見てみます。14日に判決を聞いていたのですが、あまりにも緊張していてあんまり覚えてないし(笑)。
7/14分にきちんと書いてなかったこともあるので、ここで判決書より一部抜粋します(カッコ内さなえ)。
(略)

二 主    文
 1 被告は、原告に対し、金**円(請求金額全額)及びこれに対する平成一一年一一月八日から支払済みまで年六パーセントの割合による金員を支払え。
 2 訴訟費用は被告の負担とする。
 3 この判決は、仮に執行することができる。
(中略)

四 理 由 の 要 旨
  証拠によれば、原告の請求は理由がある。
うーん、こむずかしくてわかんない。でも勝ったのね♪(←ばか)

おうちに戻ったおいらわたくしは、わけありの腹痛(笑)のため床にへばっていました。そんな午後4時、おうちの電話が鳴りました。
かったるかったので居留守を使うと電話はやがて留守電に変わり、相手はアナウンスを聞いてぶちっと切りました。用があるならなんかメッセージを残しておくでしょ。そう思ってほっといたのですが約2時間後、電話はまた鳴りました。またもやほっておくわたくし。また留守電のアナウンスとともに電話は切れました。そのすぐ後、またベルが鳴ります。そして切れます。
ここまでくるとある確信がありました。・・・バカ社長だ。
電話はこのあとさとう先生が帰ってくるまで6、7回ほど続きました。その間どんな怖かったことか!電話をよくよく聞いてみると外にいるような雑音が聞こえます。・・・携帯から?
むっちゃこえええええ!!!!どこにいるんだ!?
あまりの怖さに友人たちにメールを送りまくり(笑)、なんだかカッとすると何をするかわからないバカ社長がガラス窓をぱりーんと割って侵入してくるところまで想像してしまいました。・・・もし死ぬことがあったら、ダイイングメッセージ残して死んでやる!とまで思いつめていました。だってほら、さなえって小心者だから(自爆!)。
やがてさとう先生帰宅。メールにて電話のことを話してあったので「今度かかってきたらどうする?」といった話をします。さとう先生もやっぱりバカ社長の仕業だと思っているようです。
そして数分後、また電話が鳴りました。
さとう先生が受話器を取ります。・・・そして電話の録音ボタンを押しました。やはりバカ社長のようです。さとう先生しばらく無言。あとからテープを聞かせてもらったのですが、バカ社長がなにかうだうだと話していました。さとう先生はときどきあいづちを打つだけです。うだうだの内容は、
  • 判決書が来ました(Oさんはさとう先生の分は受け取っていないようだと言っていたが、実は受け取っていた)。
  • 一括払いでということだが、会社の経営状態が思わしくないので分割払いにしてほしい。
  • その支払計画の文書を作成して近日中に投函する。
  • それを読んで、また連絡が欲しい。直接話すのがいやなら手紙でもいい。
  • 金銭面だけでなく、わたくしとさとう先生に謝罪したい。
といったものでした。「分割払いにしてほしい」のところでさとう先生ちょっとむっとして、
「だからそういうのを話し合うために、ああいう場(裁判)を設けたのでしょう?」
と言うとあちら、
「申し訳ありません」
うーん。
そして夕方からの電話のことを聞いてみたところ、やはりバカ社長だったということが判明。「留守電にメッセージを吹き込めばいいことでしょう?何度も何度もかけ直して切るのはこちらも不審に思うのでやめてください」とさとう先生。
そしてバカ社長、「Sメディアフジタ」に出資していたと思われるT氏が亡くなったことを告げた。この人物はわたしの面接を担当した人物でもあります。・・・そうか、亡くなっちゃったのか。だから金銭的にきびしいということを言いたいらしい。電話の声が弱いのは、これがこたえているせいなのか?とにかく全体にわたって弱気でした。
最後にさとう先生、仮執行のことを話し、すぐにでも差し押さえができるということ(注:判決書の「この判決は、仮に執行することができる」というやつですね)を言いました。そしてバカ社長が弱気ながら一方的に喋りつづけた電話が終わりました。
とりあえずあちらが作成するという「支払計画」を読んでからです。なんかとんでもないことを書いてくるんじゃないだろうな。5年計画とか。ロシアじゃないんだからさ。
なんとなく後味が悪い。・・・知人(というほどでもないけど)が亡くなったからか?
「線香上げに行かなくてもいいかな」
とさとう先生に聞くと、
「別にいいんじゃない」
とのこと。
・・・これで解決したような気もするけど、とりあえず続きます。





2000.08.03*もはや金だけの問題なんだ


バカ(訂正線なし)社長が「来週の月曜に返済計画を書面にして送る」と言ってから、2週間が過ぎました。まだなーんも連絡がありません。バカのことだから忘れてるんだろう、と思ったのですがコトがコトなのでそういうわけにはいきません。・・・そういえばバカ社長は仕事はいつもあとまわしにして、にっちもさっちもいかなくなった時点で逆ギレ、というパターンが多かったな。まるで夏休みの最終日にまだ宿題をかかえている小学生のようだ。
そしてしびれをきらしたわたくしとさとう先生が、先週バカのところに電話を入れたのですが、
「利息の計算方法がわからないから、弁護士の先生に相談してから書面にして来週の月曜に送って火曜に届くようにします」
とのこと。遅れるんだったら連絡しろっての。
その「来週の火曜」が来ても書面が届くどころか電話一本ありません。「差し押さえてしまおう」と言うさとう先生をなだめ、とりあえずまた電話することにしました。いや、ほんとうはいきなり差し押さえしちゃっていいんですよ。さとう先生いわく「もはや金だけの問題」なので。その通りなんです。でもさなえとしてはあんまりあちらの恨みを買いたくないというか・・・だってこわいんだもん。いきなり後ろから刺されたくないし。
ということで、2日水曜日午後8時半、Sメディアにさとう先生が電話。しかし社長は帰ったあとでした。・・・そうそう、この日は、あちらが「異議申立て」をできる期間を終えた日でもありました。連絡もないし、もしかしたら申立てをしたのかどうか気になるところ。しかし裁判所に申立てをするには新たな証拠があちらに必要なはずなので、それはないでしょう。
そして今日、夜8時に再び電話。今日も帰ったあとなので今度はバカの携帯番号を聞いてそちらに電話しました。この時のバカ社長とさとう先生との会話を、できるだけバカの発言を電話と忠実に、こちらでまとめて再現することにします。わかりにくいかと思いますが許してちょ。
相手が電話に出てさとう先生一発目、
「で、その後どうなってるんですか」
つ、強い・・・。そしてバカ社長、
「その後弁護士さんにお話しして、会社の状況とか、あと、うちの会社の状況とかお話しして、来週の月曜日から現金書留でお金を送らせていただきます」
「そうですか」
「はい。・・・で、あの・・・本当に申し訳ないんですけれども、T社長(7/21参照)が亡くなられて、葬式等あってやはり、これはわかっていただけるかどうかあれ(原文ママ)なんですけれども、だいぶん物入りで、やはり会社も大変な時期ですから、わたしもせいいっぱい、返したいんですけれども、あの・・・まあ故人の遺志もあって、どうしてもわたし会社、がんばりたいと思ってるものですから、本当に申し訳ないと思っているんですけれども、できる限り返して、書留で送っていきたいと思って・・・」
「まあ、それはわかりますけど。T社長が亡くなったことでお金がいるということもわかります。で、どうしてそれをこちらに連絡してくれないんですか?」
そうだよ。遅れるならそれはそれでひとこと、どうして連絡をくれないのだろう?先週電話したときも「弁護士に相談するから遅れる」と言ったときに同じことを話したはず。学習能力がないというかそれ以前に失礼なやつ。
「あの、・・・(弁護士の)先生のほうが、来週に入ってから、その旨で連絡(書留のこと?)したらいいと。結局、直接連絡を入れると、相手が不愉快な思いをするということで・・・わたしはそんなことないんですけど、(自分は)そういうところ鈍感なので・・・わたしは連絡を入れたいということを言ったのですが、それは相手にとって不愉快だから、ということで・・・現金を少しずつ送らせていただくという形になります」
「わかりました」
「すいません」
「総額の算定は?」
「総額の算定は、一応先生にやってもらって、毎月さとうさんに1万円と、きよはらさん(仮名)に2万円送らせていただいて、算定よりも少し多く送らせていただくことにします」
「毎月?」
「毎月です」
「で・・・それで、何年かかりますの?」
さとう先生・・・(笑)、「何年?」はオーバーだって!
「ええと・・・**か月ほどなんですけど」
しばらく無言。そしてさとう先生が、
「・・・で、会社としては、月3万円がめいっぱいということですか」
「本当に申し訳ないのですが、そうです」
「いや、めいっぱいとかそういう問題じゃなく、今いちばんどこに払わなくちゃいけないのかわかってらっしゃらないようなんですが」
「いや、D情報サービス(註:T氏の会社。すでに解散?)にも負債があるんですよ。わたしも故人にはお世話になっているので」
「それは全然関係のないことでしょう。なんで、そんなもともと有限責任の会社(註:「D情報サービス」は株式会社です)なのに、(バカ社長と)登記簿上は関係ないでしょう。Tさんの会社は」
「でも、わたしは従業員として働かせていただいたので、義理もありますから、一概に、その・・・(無言)無視するわけにもいかないんですよ、やっぱり」
やっぱりわかってないんですね、とさとう先生。そしてまだ無言。裁判所が利息を認めたということは、本当はその時(さなえを解雇したとき・さとう先生から不払賃金の請求があったとき)払わなくてはいけなかったけど時間を戻すわけにいかないからお金で解決しなさい、ということだとなんだと話す。
「それを何年もかかって月3万で返すというのはどういうこと?」
「(消え入りそうな声で)いや、それがめいっぱいです」
「・・・まあ、とりあえず、具体的に、そちらの要望として書面にしていただくなりしてもらわないと、現金書留送りました、はい、いくら返しましたというのも困りますので、あともう一度弁護士さんと話し合って具体的な支払計画を書いた書面を出してください」
「顧問弁護士さんをつけたんですよ。あの、会社の」
顧問弁護士?どっからそんな金が出てくるんだ!?
「その方と月曜日に話はするんですけど・・・ではもう一度話をしてみます」
「顧問弁護士って、顧問弁護料のほうが高いやないですか。何を考えてますの?」
「いや、顧問弁護士といっても、毎月1万円で、やっていただくんですよ」
い、1万!?
「ああそうですか」
「ええ。顧問になっていただいて、状況とかいろいろ知ってらっしゃるし、あと今頼れる方がいないものですから、その方にしかお話できなくて。お話したら今の状況から考えて、そういう形(書留で毎月3万円ずつの返済)をとらせてもらったらどうか、ということで」
「ちょっと、その方の名前を聞いてよろしいですか」
「K(仮名)さん、です」
「K(仮名)さん。・・・わかりました。まあ、とりあえず、また(弁護士に)相談してください。いきなりお金やなく、今後の意向を送ってください」
「あ、ええ、本当にすみません。申し訳ありません」
「とりあえずそういうことですので」
「はい、あ、電話はしないほうがいいですよね。書面で、やっていいですよね」
「はい」
「本当に申し訳ないです。うん。そしたらまず、来週の火曜日・・・月曜日の日に送りますので多分火曜日に書面にして、(聞き取れず)」
また来週の火曜かい・・・3回目だぞ。
「まあそういうことで」
「あ、はい、本当に申し訳ございません。すみません」
通話時間、15分。
さとう先生はキレキレだし、あちらはあちらで先生に怒られている小学生のよう。今回「小学生」と2回、彼女をたとえる言葉として出てきたけど、実際小学生並みというのが現実か。今日びの小学生のほうがよほどしっかりしてるぞ?ふたこと目には「(弁護士の)先生が・・・」って、子供の使いじゃないんだから。
とりあえずバカ社長からの郵便を待つしかないか。って前回も同じこと書いたような。





2000.08.09*いざ、強制執行。


さて、バカ社長が返済計画を書いた書面が月曜になっても火曜になっても届きません。「送ります」と言っていたのに・・・。これで3回目。2度あることは3度あるってか。まあできるなら払いたくないだろうからいやなことは先送りする、というのはわかるんだけど、それとこれとは話が別です。
ていうか、払う気あるの??
先週、バカ社長の電話を切ってからさとう先生と話し合ってみました。1年もかけて払う、ということ自体に文句はないです。全額払ってくれればいいわけですから。
しかし、かの会社が1年後に存続しているか?
ということを考えると「うーん?」となってしまいます。
入居しているテナントの月々の家賃すらまともに払えない会社なのです。
突き詰めていくと我々の結論は「1年後にはない」となりました。そしていつか「払えない」と泣きついてくることもふたり共通の予想でもありました(笑)。
金自体はないわけではないようです。喫茶店ですから、毎日の収入はあります。企業を相手にパソコンセミナーも行っているのでそちらからの収入もあります。ただそれをわたくしたちに支払うくらいなら、運転資金にしたり他に回したいだけなのです。そしてそうした結果、いっぱいいっぱいになっているのでわたくしたちには「ふたり合わせて月3万」というふざけたことをぬかしているのです。冗談じゃありません。
解雇予告手当は当然払われなければいけないものですし、その支払を今まで延ばしているのですから利息が発生するのも当然です。また付加金も裁判所が認めているのです。これらは判決が出た時点で、全額支払わなければいけないお金なのです。
それを今まで「弁護士に相談する」「利息の計算をする」「来週こそ返済計画を郵送する」と言いながら支払を先延ばしにするこの行為はどうでしょう。
たとえ百歩譲ってあちらの出す条件(8/3参照)を飲んだとしても、きちんと最後まで支払ってくれるという保証はどこにもないのです。むしろ先に書いたように泣きついてくるか、会社が潰れてしまう可能性のほうが高い。そうなってからでは遅いのではないでしょうか。そこでわたくしたちは結論を出しました。
差し押さえ、すなわち強制執行しかない。
でもわたくしは悩みました。頭に血が上るとなにをしでかすかわからないバカ社長ですから、あまり逆撫でするようなことはしたくないのです。強制執行のせいで会社がまわらなくなって潰れてしまうようなことがあった日には、おちおち表も歩けなくなってしまいます。差し押さえをすること自体にためらいはなかったのですが、やっぱり自分がかわいいですからね(笑)。
でもそんなことで、もらわなくてはいけないお金をあきらめてしまうのか?
数日悩み、結局強制執行するという手段を選びました。
ある本に、「どうしようもない債務者に、強制執行をためらうことはない」というようなことも書いてありましたしね。

強制執行とはなんぞや。
裁判で勝訴判決などを得たのに相手が支払をしない場合、
現実に債権を回収するための手続のことです。
すなわちこれが「差し押さえ」です。
ちなみに少額訴訟は簡易裁判所でしたが、強制執行は地方裁判所になります。
強制執行には、

「不動産執行」 債務者(この場合はバカ社長の会社
「Sメディアフジタ」)の土地や建物を差
し押さえ競売にかけ、その代金から支
払ってもらうこと
「動産執行」 不動産以外のもの(電話加入権など)
を差し押さえ競売にかけ、その代金から
支払ってもらうこと
「債権執行」 債務者の銀行預金、売掛金などを差
し押さえ(以下略)

と3種類あります。Sメディアフジタはあるビルのテナントを借りているので不動産はなく、電話加入権やパソコンなどの動産を差し押さえようものなら営業妨害だとそれこそうしろからぐさりとやられそうなので(笑)、無難に(?)銀行預金を差し押さえることにしました。

強制執行を申請するにあたって、先にこちらで揃えなくてはならない必要な書類があります。相手が法人である場合は「商業登記簿謄本」です。これは法務局で取ってくるものです。また銀行預金を差し押さえる場合は債務者の取引銀行(これを第三債務者という)の登記簿謄本も必要です。これらを「資格証明書」といいます。

今日は午前中に病院へ行く用があったので、ついでに強制執行の申請もすることにしました。本当は診察を早くすませて午前中のうちに法務局をまわって裁判所へ行きたかったのですが、待ち時間が長くて病院を出たのは11時を過ぎてからでした。
そこから法務局へ謄本を取りに行き、駅でお昼をすませたあとバスに乗ります。裁判所に着いたのはちょうどお昼の1時、お役人様のお昼休みが終わった時間でした。
強制執行の申請を地方裁判所でする前に、判決がたしかに被告に届きましたよ、という証明をしてもらわなければなりません。そこで以前、少額訴訟の手続をした簡易裁判所へ。このへんはインターネットで調べていたのでわたくしにしてはスムーズに進みました。
書記官のおにいさんに、

「少額訴訟で判決が出たのですが、払ってくれないので強制執行をしたいんですけど」

と言うと、

「事件番号を教えてください」

と言われたので、判決書に載っているのでそれを出して見せます。

「それでは判決正本送達証明書を出しますので、申請書を書いてください」
「証明書は、今日中に発行できますか?」
「たぶん、大丈夫ですよ」

申請書をもらい、事件番号、名前などを書いてはんこを押します。申請書には「右書類の正本(判決書のこと)が7月19日に有限会社Sメディアフジタに送達されたことを証明して下さい」と書いてあります。そのあとには「右書類(判決送達証明書のこと)を同日受領しました」という文があって、そちらにも署名し、はんこを押します。証明書、まだもらってないんだけどな・・・と思ったのですが、そのへんはインターネットで調べたある方の強制執行体験文に書いてあって知っていたのでとくにこちらからつっこむことはしません。あちらからも説明はなかったけど。
そして数分後、「150円ぶんの印紙を買ってきてください」と言われたので例のU商店(5/18参照)へ。戻ってくるとすぐに証明書をもらうことができました。そして「地裁へ行ってください」と場所を教えてもらい、いよいよ地方裁判所執行係へ向かいます。
執行係でてきとうに近くにいた人(おじさん)を呼びとめ、「強制執行をしたいのですが」と言うと、机にいた若いおにいさんがやってきて「僕がやります」とおじさんと代わりました。
とりあえず判決書正本と、さきほど簡易裁判所でもらってきた「判決正本送達証明書」を見せます。「あれ、執行文は?」とおにいさんが言いましたがおじさんが、

「少額訴訟だからいいんだよ」

とおにいさんに向かって言います。本来強制執行をするには「執行文」というものが必要なのですが、少額訴訟の場合、判決が出た時点で「仮執行の宣言」がなされているので「執行文」は必要ないのです。

「何を差し押さえるんですか?」

とおにいさん。

「銀行預金です」
「では被告と銀行・・・どちらの銀行と取引があるかご存知ですか?(「H銀行です」と答える)・・・H銀行の商業登記簿謄本が必要になります」

もう取ってきました、と謄本を見せると、

「それでは債権差押命令申立書当事者目録請求債権目録差押債権目録陳述催告をなさる場合は陳述催告申立書が必要になります。書いて持ってきてください」

そんなこと言われても困っちゃうよう。書き方わかんないし。

「それって、雛型なんかありませんか?」

とさなえが言うとおにいさんは、

「ちょっと待ってください」

と奥へ行ってしまいました。その間にカウンターにあったリーフレット「強制執行の申立てをされる方のために」を失敬する。やがておにいさんは、数枚のB5用紙を持って戻ってきました。そして、

「これはあくまで参考です」

と手渡してくれました。ぱらぱらと見てみると、このまま必要事項を書いたらそのまま提出できるような気がします。そのことをお兄さんに言うと「いいですよ」とのことでしたので、必要書類も揃っていることだし、その場で書いて提出することにします。執行係のカウンターの前にある机をお借りして書くことにしました。
まず「債権差押命令申立書」。これは名前の通り、差し押さえを申請する書面です。一緒に添付する書類(判決正本、判決正本送達証明書、資格証明書)を何通提出するのか、といったことも書きます。
次に「当事者目録」。これには原告であるわたくしの住所・名前、被告の住所・名前、そして銀行預金を差し押さえるのですから被告の取引先銀行の住所・代表取締役の名前を書きます。そして取引先が支店である場合は、「送達場所」としてその支店の住所も書きます。
「請求債権目録」には、裁判で認められた金員、利息、遅延損害金、その費用(切手、印紙代)、そして執行費用(手数料、切手、印紙代、資格証明書取得にかかった費用)を合計して書きます。また、その内訳も書きます。
「差押債権目録」には、差し押さえる預金の種類の順番を書きます。「先行の差押え・仮差押えがあるもの」と「ないもの」では「ないもの」が優先されるといったことです。また、「定期預金」と「普通預金」があれば「定期預金」を優先する、ということもこまかく書かれています。
そしてわたくしは「陳述催告」をするので「陳述催告申立書」も書きます。「陳述催告」をすると、第三債務者に差し押さえた債権を教えてもらうことができるらしいです。こちらにはどのくらい、被告に預金があるかなんてわかりませんからね。

これらの書類を、先にもらってきた判決書、資格証明書を見ながら埋めていきます。利息の計算もしなくてはならないので、携帯電話についている計算機の機能を使って計算。なんだかテストを受けているような気分です。わからないところがあったらあとまわし、みたいなところもね(笑)。
ひととおり自分でわかるところは書き終えたので、おにいさんに見てもらうことにします。わからないところを聞いたあと、完璧(本人はそう思っている)に埋めて提出します。「ちょっと待ってください」とおにいさんに言われて再び机に戻り、壁に掲示されているなんだかわけのわからないものや、すぐとなりにある破産係にいる「裁判所に何の用があるの?ってかんじのヤンキーなあんちゃんと破産係の人の会話を盗み聞き(笑)したりして待っていたら呼ばれたのでカウンターに行きました。するとおにいさん、

「間違いがあるので、直してください」

・・・やっぱりな。うん、それはわかってたんだ。
いくつか書き間違いを指摘されたあと、なんと「利息も違います」と言われました。がーん。元金を365と366(平成12年はうるう年だから)で割って日数分掛けるだけなのに・・・さなえってばか。

「365で割ったあと、小数点以下は四捨五入じゃないんですか?」
「違いますよ、切り捨てです。でもこれはそれだけじゃない計算ミスですね」

がーんがーんがーん。

再計算する気力なんかないので、「そちらが計算した金額でいいです」と訂正する。自分がばかであることを再認識し、そのことに打ちのめされつつも(笑)、なんとか書類一式を提出。バスに乗っておうちに帰りました。

帰っておうちの郵便物をのぞくと、そこには郵便局からの「不在票」が。差出人はバカ社長。種類は「現金書留」。
・・・差し押さえの申請、しちゃったよ。どうすればいいの?





2000.08.10*どうしよ?


差し押さえの申請をしてきたばかりなのに、バカ社長から現金書留が届いちゃった。どうすればいいの?
受取拒否という形にして送り返してもいいんだけど、もしかしたら差し押さえをすることがばれちゃって銀行預金を引き上げられちゃうかも。だってあっちには弁護士がついてるわけだし。そのくらい想像できるでしょ?
困ったなあ・・・ととりあえず裁判所の執行係へ電話。聞いてみたところ、銀行に出向いて受け取るときに言ったらいいということ。なんだ。受け取ってOKなのね。

その夜、さとう先生と一緒に中央郵便局(24時間、預かっている郵便物を受け取れる)へ行きました。書留には現金だけでなく「返済計画」も同封されているということなのでそいつが見たかったのです。差し押さえの申請もしちゃったしどうでもいいんだけど。
おうちに帰って「カミソリが入ってたらどうしよう」とびびりつつ(爆)開封。入っていたのはにまんえん。・・・それよりも返済計画返済計画。
下は同封されていた返済計画です。ちなみに原文ママです。名前・会社名は仮名です。金額は諸事情につき伏せさせていただきます。

きよはらさなえ様

平成12年(少)コ 第 23号の裁判結果につきまして、下記の通り支払をさせていただきたくお願い申し上げます。
ご迷惑をお掛け致しましたことを深くお詫び申し上げます。大変申し訳ございませんでした。
現状の弊社の経営状態と事情により分割での支払となってしまいます。
下記の金額が現行の出切る限りの支払金額です。
ご迷惑をおかけ致しまして、本当に申し訳ございませんが、何卒、 ご了承いただければと思っております。
大変申し訳ございませんでした。何卒、宜しくお願い申し上げます。

支払期日 金額
平成12年8月10日 *****
平成12年9月10日 *****
平成12年10月10日 *****
平成12年11月10日 *****
平成12年12月10日 *****
平成13年1月10日 *****
平成13年2月10日 *****
平成13年3月10日 *****
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平成13年5月10日 *****
平成13年6月10日 *****
平成13年7月10日 *****

(有)Sメディアフジタ
取締役 ** ***

い、1年かかるの?
ていうか、1年後、会社あんの??さなえが心配なのはそれなんだけど・・・。
さとう先生に聞いてみたら「絶対ない」。やっぱり。

・・・差し押さえをしたはいいけど、問題はSメディアの口座にお金があるかどうかということですな。よく考えてみると今日10日は、Sメディアのお給料日。そして金曜日には小口現金を引き出すとのこと。ちょっとやばくない?
まあしょうがないか。続く。





2000.08.15*「差し押さえをやめてください」


パートが終わって携帯の着信を見ると、

・非通知設定 4件
・Sメディアフジタの電話番号 1件
・知らない市内の番号 3件

なんだこりゃ?
といきなり携帯が鳴って思わず出ると、
「お世話になっております。***(バカ社長の名前)です」
げっ、バカ社長!?やりとりは「相手が不愉快になるから」全部書面でするって言ったじゃない(8/3参照)。電話はしないんじゃなかったの?
「今、お時間よろしいですか?」
電話で話はしないほうがいいと思ったので「まだ仕事中です。ごめんなさい」と切ろうとするとスピーカーから「いつお仕事が終わるんですか?」と聞こえてきたけど無視してぶっち。とりあえず電源を切る。今思えば「電話ではやりとりをしません」とか言ってやればよかったんだけど後の祭りってやつだし。
法律に詳しいパート先の店長に相談し、1時間ほど話をしてから帰宅。しばらくしてからもう1台の携帯に妹から電話があった。「お母さんが話があるっていうからかけ直して」とのことなのですぐコールバック。母親、電話に出るなり、
「***さんから電話があったよ」
やっぱりな。
バカ社長がうちの母親に何を言ったかというと、
  • 差し押さえの通知が来たが、困るのでやめてほしい
  • さなえを解雇したのはもとはといえばさなえの母親のせいだから(謎)、差し押さえをやめるようさなえに言ってほしい
  • いっしょに昼飯を食べた仲なのに(しかもバカ社長のおごりでだそうだ。しかしさなえはあのバカと一緒にお昼を食べたことはない。誰と勘違いしているんだ?そういえば元同僚のCちゃんが「辞める」とバカに言ったところ、階下のベーカリーレストランに連れていかれてごはんをおごってもらって説得された、と言ってたな。彼女と混同しているのか?)、差し押さえをするなんてひどいのではないか
いきなりクビを切るほうがひどいんじゃ。
母親、「解雇したのはあなたのせい」と言われかちんと来たらしく、
「そもそもあなた、さなえをちゃんと雇う気があったんですか!?」
とつっかかったところ、
「それは関係ありません。過ぎたことですし」
と返されたそうだ。「過ぎたこと」ってのがよくわかんないなあ。そして母親に「なんで解雇したのがおかんのせいだって言ってたの?」と聞いたんだけど、「あの社長さん、話が前後してわかりにくいから、なにを言ったのかよく理解できなかった」とのこと。続けて母親がバカ社長に、
「20過ぎた子供のことに口を出すつもりはありません」
と言うとバカ社長は、
「その20過ぎた子供が会社を休むのに電話をかけてきたのは誰ですか?お母さん、あなたですよ?」
とぬかしたそうだ。それこそ関係ないような気がするが。母親にはとりあえず相手にするなとは言っておいたが、まさか実家にまで電話をするとは。あとバカ社長は、
「さとうさんのご両親に相談したほうがいいですかね?」
とも言っていたそうだ。バカすぎる。
それにしても母親にずいぶんからんだわりにはわたくしとの電話では腰が低かったなあ、とさとう先生に言ったら先生、
「どうせいつもみたいに、かっときてばーっと言ってしまってからあとからしまった、と思ったんじゃないの?」
そんなところだろうなあ。

バカ社長、「また電話する」とか言っていたし、これ以上ところかまわず電話をかけてこられると迷惑なので翌日、Sメディアの顧問弁護士に電話して文句を言ってやることにしました。まさか弁護士が「親に電話して相談してみろ」と言ったとは考えにくいのですが。ということで続く。





2000.08.16*顧問弁護士にお電話。


というわけで朝、電話帳で番号を調べSメディアの顧問弁護士K氏に電話したらつながったのがなんと自宅で(笑)いきなり弁護士が出てなんと言ったかと言うと、
「そのこと(バカ社長とのいきさつ)は聞いてますよ。でもお盆休み明けで二日酔いで頭が痛いんです。午後2時ごろ、事務所のほうに電話してもらえませんか」
「はあ!?」
あきれてものが言えないでいると、電話は切れました。またあとからかけてみたいと思います。


午後2時、事務所にあらためて電話。名前を名乗ると電話に出たおばちゃんにおもいっきりうさんくさがられながら、「Sメディアフジタの元社員と言ってもらえばわかります」とむりやり取り次がせる。代わって電話に出たK弁護士、相変わらずだるそう。大丈夫なのかこいつ。
とりあえず、電話が何度もかかってきて、実家の母親にまで因縁をつけるので困っている、ということを話す。弁護士、「はいはい」と相槌を打つのだが、ほんとに聞いているのかあやしい。頭に来たので、
「うちの母親が悪いんだから実家に電話して、差し押さえをやめてもらえって言ったのはあなたなんですか?」
と言うと、
「違います!」
とむきになって否定。そのあと「***(バカ社長の名前)さんが勝手にかけたのでしょう」と付け加える。バカ社長から聞いたところによると、この弁護士は連絡をとるときには書面で、と言ったということなので、やっぱりこいつは関係ないらしい。
弁護士がそのあと、さなえに語ったことを要約すると、
  • 先月、T氏(8/3参照)が亡くなってからストレスがたまっているようで、少し精神のバランスを崩している。夏の暑さもあり、言動にも少々常軌を逸脱したところが見られる。
  • ということでバカ社長の両親からの依頼があり、顧問弁護士ということで彼女を見張っている。
  • ちょっとしたことで自殺をしかねないので、直接彼女に連絡をとり、励ましたり叱ったりするのはやめてもらいたい。
  • さなえとさなえの母親に電話が行ったのは、彼女が勝手にやったことで、迷惑をかけたことについてはお詫びしたいと思う。
ということだそうだ。別に励ましたりなんかしないけど。「とりあえず電話での連絡はやめてください」と伝え、電話を切る。


仕事のあと、妹から携帯にメールが。「家に電話してほしい」とのことだったので、帰りに立ち寄ったスーパーで電話をする。すぐに母親が出て、
「社長さんから電話があって、すぐに全額お金を振り込みたいからさなえの(銀行の)口座番号を教えてくれって言われたけど、そんなもん知らんて言ったら『お母さんのでもいいですから』って言うから教えておいたけど?」
はあ?
「取ったりしないよ」と母親。
「わかってるって」とさなえ。
入金されたら1円単位まできっちりメモっといて、と言って電話を切った。





2000.08.17*最初で最後の直接対決


母親の銀行口座に入金する、とあちらはわけのわからないことを言っているのですが、そんなことを言っておいて差し押さえを取り下げさせてからぶっちということもありえます。相変わらず何を考えているのかわからないバカ社長です。
そしてこの日、地方裁判所から「通知書」「債権差押命令正本」、そして第三債務者であるH銀行の「陳述書」が送られてきました。
「通知書」とは、この事件の差押命令正本が債務者、第三債務者にいつ通知されたかということが書いてあります。債務者に正本が届いた日から1週間後に、差し押さえをすることができます。「差押命令正本」は、今回の事件の当事者(債権者さなえ、債務者バカ社長の会社、第三債務者H銀行)、債権の内訳である「請求債権目録」、差し押さえる預金の順番を書いた「差押債権目録」が綴られていました。ちなみにこの強制執行にも事件番号がついています。平成12年(ル)第318号だそうです。「(ル)」ってのはなんでしょうねえ?
「陳述書」とは、第三債務者である銀行が、差し押さえた債権の種類と額、弁済の意志の有無、差し押さえた債権について他に差し押さえ、仮差し押さえがないかということを書いてきます。さっそくこいつを見てみると、

陳述書(一部)

陳  述  書

平成12年8月11日

**地方裁判所 御中
第三債務者 (住所)
(所長の名前・印)


下記のとおり陳述します。

1.差押えに係る債権の存否
2.差し押さえ債権の種類及び額
(金銭債権以外の債権は、その内容)
普通預金 ¥85.
3.弁済の意志の有無
(中略)

は、85円!?

このあとに何も書いていないということは、H銀行のこの支店には「普通預金・85円」しかなかったということか。。。まあ金はないだろうと思っていたが、まさかここまでとは。
こうなるとますますおかしいです。金がないくせに、全額払う。どういうこっちゃ?親から借金でもしたのか?
いくら相手がなかば狂人ストレスをお溜めになってお疲れとは言え、あまりにも意味不明です。払ってくれるんならいいんですけど、それもちょっと信用できない。弁護士にはやめろと言われたけど、直接本人に問い質してみることにしました。
電話帳で番号を調べ、直接自宅へ。親が出たら出たでかまいません。そっちの方が話がわかりやすそうです。でも出たのは本人でした。電話がさなえだとわかっても、気持ちが悪いくらいにこやかです。うげ。
親の口座に振り込むってのはどういうこと?と聞くと、
「ええ。最初はそう考えていたのですが、さとうさんが『親を巻き込むのはやめろ』とおっしゃるものですから、郵便書留で全額、送らせてもらいました。明日あたりに届くと思います」
なぬ!?
「・・・それを、うちの母には言ったんですか?」
「いいえ」
どうもこいつは口ばっかりだ。さなえだけでなく、母親にまで迷惑をかけているのに気づいてない。さとう先生にどやされてもそれがわかっていないようです。わたくしと母親が連絡を取り合っているからいいものの、そうでなければ、うちの母はお金が振り込まれるのを待っていたに違いない。さなえに金額を報告するために、毎日通帳記入をしに銀行通いをしていたことでしょう。
わかっているのかいないのか、
「どうも私のすることが裏目に出てしまうようで」
などとぬかしました。そのあと、「一緒に働いていた仲なのに差し押さえまでするなんてどういうことか」というのを、あくまでもにこやかにグチろうとなさるので頭にきて、
「わたしも思うところはありますけど、あえて言いません」
と言ってやりました。すると「そうですね。やめましょう」と言いました。さすがに自分が「情がどうのこうの」と言ってわたくしのクビを切ったことを思い出したようです。そいつを棚に上げてさなえのことをひどいなんて言うのはあつかましいにも程があります。

とりあえず、終わりそうです。この後におよんで「書留で金を送った」なんて嘘は言わないでしょうから。その言葉通り、翌日午後4時、書留は無事配達されました。金額を確認します。・・・間違いなく全額、払われています。
翌週、裁判所へ強制執行の取り下げに向かいました。

こうして「解雇予告手当奪回」は成功しました。
提訴から支払完了まで3か月かかりましたが(裁判をしたわりには短いんだろうけど)、感想は?と聞かれても「とくにない」と答えるしかありません。まあ思ったことはこの場を借りていろいろ書かせてもらったので。ひとつだけ書くとしたら、「わたしは間違っていないと思ったから、泣き寝入りせずに思い切って司法の場を借り、それを認めてもらったのはよかった。」ということでしょうか。
また書き足さなくてはいけないことがあったらこっそりUPすることにしましょう。
最後に。読んでくださったみなさま、ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。これで終わりです。たぶん(笑)。




2001.05.07*Sメディアフジタ倒産(?)記念


さて、この体験記に出てくる「Sメディアフジタ」のその後ですが、某テナントに入れていたインターネットカフェを撤退したようです。この前店の前を通りかかったら、なんにもなくてがらーんと暗くなっていました。求人誌には、そのテナントの住所で鉄板焼屋さんがスタッフを募集していたりします。たぶんこの後釜でしょう。ということで、

Sメディア倒産ばんざーい!!!

とでも書いておきましょうか。倒産したかどうかもわからないのですが。この店のHPを見てみると「Thank you for visiting,But,...We are still under construction.」となっていますがまあたぶん復活することもないでしょう。それが世の中のためってもんです。
この「解雇予告手当奪回日記。」を始めてからもうすぐ1年になることですし、まあここで「裁判をする」ということについて考えてみたいと思います。今さら。


裁判ってどんなの?ってよく聞かれるのですが、なんて答えていいかわからなくて「まー大変だよ」と答えておくんですけどね。まあ今思えば裁判というのは

とてつもなく強靭な意志と精神を必要とする

もんじゃないでしょうか。(「お金もいるんじゃない?」って思われそうですが、それもそうですけどわたくしの場合は本人訴訟なので。弁護士もいりません)
裁判をしようと決めてから判決が出ておゼゼ(さとう先生ふう)を回収するまで、通常訴訟ほどではないにしろ何ヶ月も期間があるんですよね。その間、何度「自分はなにやってんだろ?」と自問自答し、「もうやめようかな」とめげて、しかも親はヤメロと泣くし(田舎なもんで、裁判なんかやったってったら恥ずかしいらしい。別に訴えられたわけじゃないからいいじゃん・・・)、自分は正しいことをやっているというのになんかうしろめたくなったりなんかして。それでも自分を奮い立たせていけたのは、さとう先生含むまわりの理解し励ましてくれた方々と、わたしはわたしとして生きてきたプライドと、それまで窮屈な思いをしていた自分の正義感(てめえで言うな)なんじゃないかな、と思います。もうぜってー許すもんかみたいな(笑)。
この裁判でわかったのは、正しいことをしていてもそれが必ずとも通るとは限らない、ということ。わたくしの場合は幸い全面勝訴でしたが、ここまでの道のりが長くて、正しいはずの自分の言い分がまっすぐに通らないことにイラだったりしたものですから(労働基準監督署に相談したあたりなんかね)。

これから自分の力で正しい道を開いていこうとする方、もしかするとすごくつらい道のりになるかもしれないです。でもその力できっと先を切り開いていけるはず。がんばってください。応援します。



2001.05.07
きよはらさなえ


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少額訴訟手続とは (裁判所備え付けのリーフレットより)


★民事訴訟のうち、少額の金銭の支払をめぐるトラブルを速やかに解決するための手続です。
裁判所には定型訴状用紙や定型答弁書用紙を備え付けていますので、それらをご利用ください。

★少額訴訟の特徴
1.30万円以下の金銭の支払をめぐるトラブルに限って利用できる手続です。
2.何度も裁判所に足を運ぶことなく、原則として1回の期日で双方の言い分を聞いたり証拠を調べたりして、直ちに判決を言い渡します。
3.証拠書類や証人は、審理の日にその場ですぐに調べることができるものに限られます。
4.裁判所は、訴えを起こした人の請求を認める場合でも、分割払、支払猶予、遅延損害金免除の判決を言い渡すことができます。
5.少額訴訟判決に対して不服がある場合には、判決をした裁判所に不服(異議)を申し立てることができます。






















訴状 (給料支払請求事件用)


簡易裁判所ではこのような訴状がもらえます。特に少額訴訟の場合は書記官に説明義務があるらしいので、書き方も丁寧に教えてもらえます。なるべく現物に忠実に再現してみました。(さとう先生作)


訴    状
事件名  給料支払請求事件
少額訴訟による審理及び裁判を求めます。本年、この裁判所において少額訴訟による審理及び裁判を求めるのは   回目です。
簡易裁判所 御  中   平成   年   月   日









住 所(所在地)

氏 名(会社名・代表者名)

印 


TEL      -      -         FAX      -      -








原告(申立人)に対する書類の送達は、 次の場所に宛てて行ってください。
 上記住所等
 勤務先 名 称
        〒
        住 所

TEL     -     -     

  その他の場所(原告等との関係             )
        〒
        住 所

TEL     -     -     

原告(申立人)に対する書類の発送は、次の人に宛てて行ってください。
 氏 名









住 所(所在地)

氏 名(会社名・代表者名)

 


TEL      -      -         FAX      -      -
勤務先の名称及び住所

TEL     -     -     



一枚目






給料支払








1  被告は、原告に対して、次の金員を支払え。

     金                円

 上記金額に対する 平成    年    月    日
訴状送達の日の翌日
から支払い済みまで
  年6パーセントの割合による金員
 



2  訴訟費用は、被告の負担とする。
との判決(及び仮執行の宣言)を求めます。



















1  被告は                       業を営むものである。

2  契約の内容

 (1) 仕事の内容
  [               ]

 (2) 給  料   月給    日給    時給    金          円

 (3) 支払期日   毎月       日   

2  働いていた期間(←註本当は“3”の間違いと思われる。印刷ミス?)

   平成     年     月     日から 平成     年     月     日まで

3  未払給料(←註同様に“4”か?)

   平成     年     月     日から 平成     年     月     日まで
   (      月分        日分        時間分)の給料

合計金               円

その他の参考事項







給与等支払明細書           商業登記簿謄本(登記事項証明書)



                                                                                 
二枚目


「訴えを起こす書類」とはとても思えません。まるでアンケート用紙です。やはり「裁判?小難しくて面倒臭い」というイメージを払拭するためでしょうか?また、余白に勝手に項目を書き加えたり、印刷されている文字を二重線で消して書き換えたりしても構いません(訂正印は必要ですが)。「話し合いの場を借りるための申込書」という感覚で、必要最低限記入されていれば、「細かいことは裁判当日に」ということで済むようです。





















(原 告 用)

少額訴訟手続について


少額訴訟は,特別な手続きで,通常の手続と比べて,次のような特徴があります。
1(一期日の原則)
 裁判所は,あなたや相手方の言い分を聴いたり,証拠を調べたりして,なるべく1回の期日で審議を終えます。そのため,あなたの方で,訴状に書いた以外に,言いたいことがあれば,指定された期日までにすべての言い分を裁判所に説明できるように準備しておく必要があります。また,あなたの方で,調べてほしい証拠があれば,指定された期日までにすべての証拠を提出できるように準備しておく必要があります。
2(証拠調べの制限)
 この手続では,指定された期日に法廷ですぐに調べることができる証拠に限り,調べることができます。そのため,あなたの言い分を裏付けると考えられる書類等があれば,指定された期日に書類等そのものを持参する必要があります。また,あなたの言い分を証明してくれると考えられる人がいれば,あなたの方で,その人に指定された期日に裁判所に来てもらえるようにする必要があります。
3(判決による支払の猶予)
 裁判所は,審理の結果,あなたの請求を認める判決をする場合で合っても,相手方の経済状況その他の事情を考慮して,特に必要あると判断したときは,相手方に対し,判決言渡しの日から3年以内の範囲で,支払期限の猶予をしたり,分割して支払うことを認めたり,さらに,裁判所があなたの訴状を受け付けた日の翌日以降に発生した遅延損害金の支払を免除したりすることがあります。
4(判決に対する不服申立て)
 少額訴訟の判決に対して不服がある場合には,地方裁判所への不服申立て(控訴)は出来ませんが,あなたが判決書又は判決の内容を記載した調書を受け取った日から2週間以内に,その判決をした簡易裁判所に書面で不服(異議)を申し立てることができます。ただし,判決による支払猶予等の定め(例えば,分割払の条件)に付いては,不服(異議)を申し立てることはできません。また,異議申立ての後に言い渡される判決に対しては,原則として,不服を申し立てることはできません。
5(通常の手続への移行)
 相手方から,通常の手続での審理を求める申出(通常移行の申述)があった場合には,1から4のような特徴ある少額訴訟の手続ではなく,通常の手続で審理されることになります。ただし,@最初の期日に相手方があなたの請求に対して言い分を述べた後,A最初の期日に相手方が言い分を述べなかった場合や相手方が最初の期日に欠席した場合において,その期日が終了した後は,相手方は,通常移行の申述をすることはできなくなります。



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