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歯の治療を受けた後にうがいをすると結構、血が混ざっているのを感じた方も多いと思います。そうなんです。歯科治療は歯を削る場合でも、歯肉の傍を削ったりすると、結構出血するものなんです。

そこで、問題になるのが、交差感染の問題です。つまり前の人の細菌やウィルスを後の人に移してしまうことです。

近年では、麻薬中毒の人の間での注射の使いまわしによるエイズウイルスの感染なども、医療行為ではありませんが、交差 の一種でしょう。

エイズウイルス等はあまり感染力はないですが、最も恐ろしいのが、B型肝炎ウィルスのE抗原プラスの場合の人の血液による感染です。 これが、今のところ、最も注意しなければならない感染症であり、これを感染させないように、衛生面に配慮していれば、先ずは他の細菌やうウィルスの交差は有り得ないと思えます。特に、最近話題になっているC型肝炎ウイルスはB型に比べれば格段に感染力は弱い です。つまりB型肝炎対策さえしっかりやっておけば他の感染症の心配は無いと言えます。

このB型肝炎ウィルスのやっかいなところは、通常の煮沸消毒(100度)位では、死滅しません。通常の気圧下においては、160度位、2気圧ですと、135度でしたら5分間で死滅してしまいます。(最近の厚生労働省からの文章を見ると、そこまでしなくても死滅すると書いてありました。)

血液に直接触れたりした器具に対しては、上記の方法で全ての微生物を死滅させてしまう方法で管理しなければなりません。この一連の操作を滅菌と言います。

その一例として当院での滅菌についての作業についてお見せしましょう。



先ずは、使用した器具は中性電解水(バクテリオキラー除菌水)に漬け放置。この溶液は10数秒で一般細菌は死滅。生命力の強い肝炎のウィルスも10分で不活性化します。但しこれだけでは信頼性が乏しいのでこのまま使用する事は有りません。以下の処理を続けます。

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除菌水より取り出した器具は 血液等の付着した可能性の有る物は、予め水洗や超音波洗浄、ブラッシングをして自動洗い機で更に洗浄。血液が付着しているまま滅菌しても感染の心配は先ずは無いと思いますが、他人の血液のしみが器具に付いていたら気持ち悪いでしょう。

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これがオートクレーブと言う滅菌装置です。通常の器具は135度2気圧で処理します。ガーゼや綿花もこれで滅菌できます。ラバーダムクランプやバーやファイルと言う様な小さい器具類は茶漉しボールに入れて滅菌処理します。たまに滅菌のモニタリングの紙を入れて運転して効果を確認

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上記の装置は共に、ハンドピースと言って、あのキーンと言う音のする歯を削る装置を滅菌するものです。左が、以前使っていた、カボクレーブ。右側が現在使っている、ステリマスターと言う滅菌器です。このステリマスターは優れもので、6分間で滅菌終了で、終わると自動的にカセットが開いて、冷却されます。

上記の器具用の大きなオートクレーブでもハンドピースは滅菌はできることはできるのですが、通常のオートクレーブは乾燥工程が有る事と、135度と設定しても、内部の温度のむらが生じてしまう事が多く、精密器械であるハンドピースにとってはとても良くありません。そういう訳で専用の滅菌器をが必用なのです。このステリマスターは日本ではドイツのカボと言うメーカーから発売された製品を代理店が輸入しておりますが、中身は、SCICANと言う会社が作っているSTATIM900のOEMです。

ハンドピースを本当に滅菌しようと思ったら、このSTATIMのシリーズ(日本にはSTATIM2000を吉田が輸入販売、STATIM900をカボのステリマスターとして供給された物をシロクスが輸入販売)が最も良いと思います。それは6分で完全に滅菌が出来て、自動的にカセットが開いて冷却してくれる器械はこれ以外無いからです。6分で高圧蒸気滅菌処理が終了すると言うのは驚異的で、当然、世界最速だと思われます。6分ならば、滅菌したハンドピースが無くなっても、ちょっと待ってもらえば、滅菌できますので、安心です。 このシステムは、歯を削る物(あのキーンと言うもの)全体を、圧力をかけて滅菌する為に、完全に細菌は存在しなくなります。この装置以外に、簡易的に、高熱の油に突っ込む物(オイルライザー)も発売されていますが、余程長く突っ込まない限り内部の温度は上がりませんので、当院の滅菌システムに比べて、不完全な消毒システムと言えましょう。

ちなみにカボクレーブ(上図左)は圧力釜で、これは30分はかかります。そして、終わったら開けに行かなければならないし、熱湯が入っていますので火傷の心配が有りますので使いにくいです。

当院では治療椅子のテーブルの上に滅菌を終了したものを滅菌パックに入れて並べてありますので、あと何本有るかがすぐわかる様にしてあります。テーブルの上が雑然としてしまいますが、しまっておくと使いたい時に滅菌したものが無いと言う事が多々有ったのでこうしました。

又、当院で使用しているハンドピース(マッハライト)、やドイツ、シロナ製のコントラ等(ハンドピースと同じく歯を削る器具)は逆流防止弁が付いている汚染防止型タイプですので、ハンドピースより元のホース迄、汚染されない事が確認されております。詳しくは新潟大学の論文を御覧下さい。

これが一番重要かもしれません。

逆止弁が付いていますので、水の回路の汚染は無いと思いますが、念の為にバイオプロテクターと言う微小電流をデンタルユニット(治療椅子)内部の配管に流して殺菌効果とバイオフィルムの消滅をはかる装置を取り付けました。30万円也。某国立大学 助教授ご推奨の装置です。
汚染??(これを付けていなくても給水系からは病原性細菌は一切発見されていなので汚染とは言わないと思います)を新聞等で発表?しておきながらちゃんと業者が、助教授お墨付きの対策品を販売するって何か出来すぎって感じですが、、、。 もしかしてそうじゃ無くて親切なのかも。対策品付きなんかだら。

これが取りつけてあると、治療椅子(ユニット)の中の配管には従属栄養菌(通常は全く害を及ぼさない菌)も全く居なくなるそうです。 当院には赤ちゃんからお年寄りまでいらしゃいますので、念の為。

bioprotecter.JPG
普段は治療椅子の中にしまって有ります。



あとは、飛沫の対策ですが、大型の口腔外バキュームと言って、口元に掃除機の吸い込口みたいな物を設置して飛沫を吸ってしまう方法をとってあります。

それと、空気清浄器を2台設置。1台は空気中に浮遊しているカビなどに効果が有ると言う プラズマクラスターイオン発生装置付きの空気清浄器。

これも気持の問題です。


ここで悩みの種は、設備投資を含めてかなりのコストがかかってしまう事です。ステリマスターだけで約30万円(定価34万円)もしてしまいますし、蒸留水やらパッキン等の消耗品も馬鹿にならないです。又、ハンドピースも滅菌中は使えないわけですから、同じハンドピースが8本位は必用になってきます。それで64万円也です。しかも、高温、高圧力下で滅菌処理をしますので、中の回転させる軸受けが壊れやすくなってしまい、しょっちゅう中の馬鹿高いパーツを交換していなければならないのです。この費用を患者さんに払ってもらう事は、違法になってしまいますので、全て、医療機関の負担になってしまいます。でも歯科医自身が患者になる時は、絶対にそこいらへんが気になってしょうがないはずです。せめて自分の医院に足を運んでくださる患者さんにはそんな事を心配しないでほしいので、ここまで対策を進めております。

ゴム手袋、うがい用コップ、患者さん用エプロン も当然使い捨てです。

記入2001/6/6

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