元・住友の社員であったサラリーマン作家、源氏鶏太氏の著作(英語屋さん)が株式会社・集英社の発行による文庫本(集英社文庫)
で刊行されておりますが、この本の中に流氷という私小説風短編が掲載されています。
この中で鴻之舞金山は、本社の社員達も転勤を恐れる北海道の僻地として画かれており、現代では考えられないほど社内恋愛に厳しかった戦前、
社風に背き問題を起して鴻之舞に転勤を命ぜられた男性社員とその女性の、不倫の恋の末路をえがいた物悲しさを覚える作品です。
旧住友は他の各財閥と社風が違い、役職者なども詩歌に趣味を持ち、アララギ派の歌人も多く、このような社風の中から出身した作家と思えます。