きりたの競馬ちょっといいハナシ

このコーナーは、きりたが競馬を日頃見ていて思いついた事、発見した事などを書き綴る、ヨタ話のページです。息抜き程度にご覧ください(内容を信じて、馬券的大損をしても責任は取りません)。

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98/11/12 その1/メジロライアンの陰謀
98/11/19 その2/プロやったらJC目指さんかい!

その1/メジロライアンの陰謀 メジロライアンの代表産駒2頭に潜む法則


 メジロブライトとメジロドーベル、ご存知の通り種牡馬メジロライアン代表産駒牡牝代表である。この2頭には妙な因果関係があるのだ。つまり「同時期に勝てない」のである。これを僕は「ライアン産駒操作説」と名付けている。なお、本文を読む際に「で、エアガッツは?」という突っ込みは禁物であるので、そのつもりで。

 話は3歳時から始まる。メジロドーベルのデビューは7月13日。新潟の新馬戦を好タイムで圧勝している。メジロドーベルは当然、次走の新潟3歳でも人気の一角を占めた。だが結果は離された5着。実はその前日に1頭の牡馬が、函館デビュー勝ちを収めていた。その馬はメジロブライト。3歳新馬を2分1秒6という歴史的遅タイムで勝っている。この瞬間、メジロライアンの「星」は函館に移動していて、すなわち新潟には間に合わなかったのだ。

 この後も両馬の3歳時成績は対照的だ。ドーベルが10月6日のサフラン賞、10月27日のいちょうS、12月1日の阪神3歳Sまでぶっこ抜いて最優秀3歳牝馬に輝いている頃、ブライトはすずらん賞2着、デイリー杯3歳も2着。ドーベルがGTを獲り休養に入ると途端にブライトはラジオたんぱ杯3歳を快勝。一躍クラシック候補に踊り出る。

 さて、牝馬はドーベル、牡馬はライアンという2頭の代表産駒候補を抱えたライアンパパは大喜び。しかしここで困った。どうやら自分は1頭の子供しか活躍させることが出来ないらしい。どうしようかと悩むパパ。とりあえず共同通信杯はブライトを勝たせてみる。当然マスコミはこぞってブライトを持ち上げだす。「3冠候補!」「能力は父以上、父のなし得なかったクラシック制覇確実!」ライアンはこの報道を聞いて「何だとぉ!?」と唸ったに違いない。俺を超えた? クラシック制覇? あまつさえ3冠だと? 許さん! あんまりブライトに活躍されると、俺は「ブライトの父」と言われてしまう。それは困る。そうだ、ここは牝馬のメジロドーベルを勝たせて俺の種牡馬としての能力をアピールしつつ、脚光を浴びるのだ(牝馬だとそういう言われ方って、あんまりしないよね)。こうしてライアンはブライトを一旦「見放した」。(悩んでいる間にチューリップ賞が行われたものと推測する)見放されたブライトは以後のクラシックシーズンを2着→4着→3着→3着→3着で終わらせた。ドーベルはその間、桜花賞こそ2着だったものの、オークス1着、オールカマー1着、秋華賞1着と抜群の成績を残す。

 馬産地ではメジロライアンの株が急上昇。ライアンパパは大喜び。しかし、ここでまたもやマスコミの論調がライアンパパを惑わせる。「メジロドーベル、有馬記念も制覇か」「4歳で2着だった父を超える」なにィ!? ライアンはまたも唸ったに違いない。それは困る! 超えられては、みんな俺のことを話してくれないではないか。俺は「ドーベルの父」にもなりたくない! そう思ったライアンにメジロの重鎮牝馬レールデュタンが囁いた。「メジロって言えばやっぱり天皇賞でしょ」おお、そうか。じゃあしばらくドーベルには休んでもらって、ブライトで天皇賞だ。急に父の応援を受けだしたブライトは勝ちまくる。ステイヤーズSを大差勝ちしたのを手始めに、ダイヤモンドS、阪神大賞典、そして遂には天皇賞を制覇!(長距離ばかり勝っている分には比較される心配もないと考えたかもしれない)その間のドーベルは、有馬記念惨敗に続き、日経新春杯8着、大阪杯2着、目黒記念5着と負けまくる(中距離をあまり勝たれると自身の栄光が薄らぐと考えたかもしれない)。まさに対照的な2頭の成績だ。

 さて、天皇賞も獲って意気揚々のライアンパパ。しかしここで大きな事件が。2頭とも次走は宝塚記念。宝塚記念! ああ、そのレースは、大舞台で勝ち切れなかった俺が唯一獲ったGTではないか! そこへ息子は古馬最強馬として向かおうとしている。何てことだ、これをブライトが勝った日には「父を超えた」「ブライトの父、メジロライアン」と言われるのは必至だ。嫌だー。そう考えたライアンは、ブライトを思いっきり負かした。ついでに一緒に出ていたドーベルも負かしてしまった。安心するライアンの耳に、こんな噂が入った。「ライアンの仔は成長力って面ではどうかな」「一旦調子を落とすともう立ち直れないね、要するにメンタルが脆いんだよ」なんだとぉ! ライアンはまた唸った。よーし、それならこの秋はドーベルを勝たせてやる。

 なんだか脱線著しい上に「メジロライアン秘話」になっているがそれはさて置き。ドーベルとブライトが入れ替わりにピークを迎えてるってのは本当。というわけでこの秋はドーベルが復帰する番だと見ている。ただ、気がかりなのは同じレースに横山典弘(ライアンの現役時の主戦騎手)が乗ってると、ライアンはその馬に譲っちゃうんだよね、京都大賞典のセイウンスカイとか。今週ノリが乗るのはエアグルーヴだ……。


その2/プロやったらJC目指さんかい! 日本競馬が世界に近づくために必要なもの


 いよいよ来週に迫ったジャパンカップ。私の一番好きなレースであり、日本で唯一、掛け値なしに世界レベルのレースが見れる場でもある。しかし、そのジャパンカップがピンチだ。既に、今回の出走馬をご覧になった方は多いと思うが、はっきり言って海外馬は2線級。ジャパンカップ史上歳弱のメンバーと言えるだろう。そして迎え撃つ日本勢も最強には程遠い。どうしてこうなってしまったのか? いくつかの原因を考えてみたい。

 まずは、海外馬のレベル低下の問題。これは今年一年限りのことではなく、以前から見られていた傾向であり、今後拍車がかかるであろう現象だ。それにははっきりとした理由がある。まずはスケジュール的な問題。アメリカで行われる、競馬の祭典ブリーダーズカップは今年、現地の11月7日に行われた。これは、ジャパンカップまで中2週というスケジュールになる。海外の競馬は多くの国が11月でシーズン終了に突入するため、集大成としてBCが用意され、そこを目指すのだ。BCで全力を尽くした馬が、中2週で日本という島国のレースに出走する気になるだろうか? 特に超一流馬の場合どうか? 応えは限りなくNOである。そこまでして、狙うべきタイトルではないのだ。以前、海外関係者にとって、日本は「レベルが低い上に、賞金が世界一高い、まさに草刈り場」だった。今は違う。JCを超える賞金を出すレースも数多い。それに加えてスケジュールの問題がある。これでは来てくれと言うほうが無理というものだ(無論、費用を全額持つなどのメリットも用意してはいるのだが)。更に大きな問題が、検疫である。日本に入ってくる馬は長時間の検疫を余儀なくされる、これは衛生面などの問題もあり、やむを得ないことだが、その間全く調教できないと言う点が問題。タイキシャトルもこれが原因でBC挑戦を断念している。海外では、検疫中も調教できるように施設を作るのは常識となりつつある。そういった「前時代的」体質が世界に嫌われているのも原因だろう。今後、オセアニアからの出走はもう望めないかもしれない。

 国内の馬はどうか? 古馬の場合、3週前に天皇賞がある。多くの一流馬は秋最初の大目標をここに設置する。そして3週後には有馬記念がある。日本の競馬における風物詩的レースであり、冬枯れの中山の芝を(今はもう茶色くはないけど)、一年間頑張った馬が集い、走るのは何とも言えない味がある。その真ん中にあるジャパンカップと言うレースは、日本のホースマンにはずいぶん軽く見られている。天皇賞→JC→有馬というローテーションに何か無理があるのか? そんなに調教技術が低いのか? 4歳馬だってそうだ。菊花賞からJCは中2週。大変だが、不可能ではないスケジュールだ(古馬牝馬だって、エリ女から中1週で出るんだからな)。以前、伊藤雄調教師(管理馬ウイニングチケットを、菊花からJCに進ませた)の言った「JCは日本を代表して戦うべき舞台。だから4歳でもダービーを勝った馬が出ないのは失礼に当たる」という言葉。こういった強い意思を持った調教師が一人でも増えることが国際化ではないだろうか。今年のエアグルーヴといい、数少ない「モノの分かっている」「国際派の」調教師だ。ジャパンカップを「逃げた」馬が年度代表馬になれるような、日本のシステムがおかしいのだ。有馬記念に供えて回避など言語道断。有馬は、言ってしまえば「おまけ」。あんなの只の格式上場の権威でしかなく、茶番。JCこそが古馬中距離最大のレースたるべきだ!

 さて、不満を言っているだけでは単なるアナーキストだ。どうすれば少しはマシになるか考えてみたい。検疫厩舎を(今あるものより、もっと実務的な、ね)設ける、とかそんなあまりに当たり前なことは置いておく(それでも実行できないのが日本のお役所の凄いところだ)。

 JCの賞金を上げる/これは絶対やるべき。最低2億、なんなら3億くらいに設定しても良かろう。これで海外の目を向けさせることが出来る。天皇賞にも出走したい(できる)内国産馬に対しては、「ボーナス」を出す。天皇賞、JC、有馬全てで5着以内に入った馬には賞金を順位に応じて。そうでなくても「皆勤奨励賞金」は出してもいいだろう。

 JCの時期を変更する/これも検討すべき。現状、BCに負けているのだから、BCから、最低中3週、できれば中4週は欲しい。すると必然的に菊花賞やエリザベス女王杯からも空く。12月の1週か2週がいいか。中山芝2400は嫌なので(中山に外国関係者を招待するのも恥ずかしいし)、11月東京開催と、12月中山開催を入れかえる。有馬記念は年明け、1月中山開催で構わない。まぁ、結局は日本競馬が古い長距離偏重から中距離至上へ血統的に変更したにもかかわらず、体質的に変更し切れてないのが問題。

 同日に他にも国際レースを設ける/2400mという距離自体がちょっと問題かもしれない。富士Sを1600mに戻して同日に組む。2000mの国際重賞も設け、ジャパンカップシリーズにする。BC的になるかもしれないが、こうすれば輸送負けする原因の一つである、「馬が寂しがる」というデメリットも解消できる。さらに同じ日をワールドジョッキーズシリーズにすれば最高。海外の一流ジョッキーにバンバン出走してもらって、日本のヌルイ騎手の目を覚ましてもらおう。

 トライアルレースを充実させる/マル外にどかどか出走してもらえばいいって気もする(そのほうが強いし。距離が持たなかったり、古馬が伸び悩んだりするのは、日本に買われるマル外がそういう馬ばっかってことで、それはつまり日本にそうじゃないマル外向けのレースが少ないってことだ)。そのために、天皇賞と同じ日に、マル外限定のビッグレースを作る。内国産も、天皇賞トライアルとして機能しなくなってきた京都大賞典を2週遅らせる、とか。現状、JCに標的を絞った場合に出るレースが少なすぎるのは良くないことだ(天皇賞を叩き台にすると「立派な」評論家が怒るし)。外国馬向けにもトライアルレースを用意して欲しい。

 JCに出走した馬の調教師は来年から馬房を一つ増やせる/駄目調教師も一流調教師もみんな同じ数ってーのは変だよなやっぱ。もっと自由競争しましょう。

 餌で釣る/海外からGTホースをJCに出走させた調教師、オーナーにサンデー種付け権をプレゼント。

 ともかく、JRAを含めた日本のホースマンがもう少し高いレベルの意識を持ってくれないと、JCは存在意義すら危うくなる。「我らがコースを海外の馬に荒らされてたまっけ!」くらい言ったらどうだ。そのためにも、まずは海外からの出走を促せるような再構築が早急に望まれる。