大井競馬場に行くのは4年ぶり。
しかもナイター競馬は初めて。WINKがCMをやっていたころのイメージしか持っていません。最近はすっかり単なるデートスポットに成り下がっているという噂で、かなりなめてかかってましたが、が。
やっぱりオヤジの巣窟だ。
期待は喜ばしくも裏切られ、帝王賞というビッグレースも手伝ってか仕事帰りのサラリーマンを多数含むオヤジの熱気で燃えていた。何も知らずに知ったふりしたパーニーチャンに連行されたパーギャルはオヤジに囲まれ息絶え絶え。ざまーみろ。それはさておき、大井。すっかり様代わりしている。何と言っても馬券の種類が増えている。連単(1→2着の順番も当てる。かなり高配当)や2着流し馬券(2着の馬を予想して流す)など。面白いんで色々手を出す。
しかし、血統表を見て困る。
以前、宇都宮でも陥った罠だったが、馴染みのない血統がぞろぞろ。前走を参照しても条件が複雑で何が何やら。仕方ないので、パドックで馬を見つつ、以前も使った「持ち時計至上主義馬券」で勝負に出る。宇都宮ではこれで全レース当てた。自信はあったが・・・8レース(帝王賞の前)はかすりもしない。まあいいさ。帝王賞でドンと勝負だ。
アブクマポーロという馬、
今年に入って凄みを増したレースぶり。道中後方から4角で大まくりの先頭、直線ぶっちぎりのパターンはホクトベガ、ライブリマウントに通ずる。更にこの馬は距離の融通が抜群に利く。その点でも前2頭に匹敵する。ここは勝って3代目交流王に名を残したい所だ。今日の出来も抜群。ビロードのような馬体がナイトライトに照らし出され、周囲を威圧するように睥睨する輪乗り姿はまさに「帝王」。負けようのない究極の作りにファンも1.1倍の単勝オッズで平伏する。アブクマが絡まない連単は最低でも60倍を超す(エムアイブラン−トーヨーシアトル)。しかし、この馬の2着探し以外のレース展開など有り得ない。格が違う。迷わずボックス馬券の馬連単、軸にアブクマの馬番「8」をマーク。相手探しだ。
エムアイブランの気合乗りが
普段中央で見ている姿と違うのに気付く。首を斜めにおろし、深々と歩く姿はかつてない出来を維持している事を感じさせた。この馬には大井の深いダートが合わないのでは、と懸念していたがそんな思考は消し飛び、連候補の一番手にした。ワイルドブラスター、トーヨーシアトルの中央勢もなかなか良さそう。押さえる。残る一頭の中央馬バトルラインは、減った馬体も戻っていい出来にあるようだが、昨年のマイルCSに使った反動が馬の精神面に影響しているのがはっきり分かるスランプに、長らく突入していた。復活と見るか・・・しかし距離が長い気がする。消しだ(この時点で昨年同レースで3着したことは忘れていた、が)。地方勢では岩手のメイセイオペラが明け5歳で素晴らしく充実している。馬体も覇気があり、単騎で逃げられそうなのも有利。エムアイと並んで厚めに買う。
いよいよレース。
帝王賞のファンファーレはのんびりしたリズムで、パーニーチャンも手拍子が出来ずに、両手をシンバルを持ったサルの玩具よろしく構えたままうごうごしている(良い事だ)。それでも鳴り終わると大歓声(悪い事だ)。ゲート入りは極めてスムーズ。ゲートが開く。大きく出遅れたのが地元大井のセントリック。エムアイブランは武がゆっくりと後方に下げる。予想通り単騎の逃げに入るメイセイオペラ。かなりのスローペース、これはエムアイブランにとっては痛い。アブクマポーロは中団のイン。囲むように中央勢。淡々と流れるレース。3角、4角手前。アブクマが馬群の内で動かない、いや動けないのか。メイセイオペラに並びかけるバトルライン。大外をまくって来るエムアイブラン、ワイルドブラスターは橋本騎手が押しているが付いていけない。トーヨーシアトルも窮屈な所にいる。
そして直線。
前が壁になって動けないアブクマはインで4・5番手。悲鳴のような大歓声が上がる。逃げるメイセイオペラの脚色は十分。バトルラインも残っている。外のエムアイブランは・・・伸びてはいるが、スローペースの影響か、前が止まらないのでなかなか捉え切れない。バトルラインは交わせ!(実はメイセイ−エムアイも買ってた。425倍!)刹那、アブクマポーロが先頭に「踊り出た」。いや、比喩ではなく文字通り。確かに内を捌ききれずに捕まっていたのが、何時の間にかメイセイの前にいる! あの隙間を抜けてきたと言うのか! 思わず鳥肌が立った。アブクマは馬なりで2馬身開けると悠々とゴールに飛び込んでいった・・・2着争いはバトルラインがゴール前交わしていた。
まさに帝王のレース、横綱相撲。
不利を克服しての圧勝は、この馬の現役ダート王戴冠式としてはこの上なくスリリングで、圧倒的なものだった。まさに文句の付けようもない。2着のバトルラインは藤田騎手がテン乗りで最高の騎乗をした結果。この騎手を甘く見た僕が甘かったという事か。3着メイセイオペラは早めにバトルに突つかれつつも頑張った。これからこの馬の黄金時代が到来するかもしれない。4着だったエムアイブラン。苦手な深いダート、スローペースで良く頑張った。5着トーヨーシアトル。まだ馬が復調しきれていなかったか。ワイルドブラスターは見る所なく着外に終わっていた。
結局最終レースも外したのだが、
大井のファンサービスには感心した。特別にはすべてレース名が馬券に記される。合わせて騎手名の入る単勝馬券。連単とあわせて、中央も一日でも早く採用すべき点が多い。他の地方競馬場に偉ぶり、傲慢な姿勢を見せる大井が僕は大嫌いだったが、今日来てみて、大井こそ正義で他の地方は努力もせずに「持たざるもの」を演じている怠惰経営なのだろうか、とも思えてきた。なんにせよ、一度は足を運んで欲しい素晴らしい競馬場だったと言っておきたい。
最後に一つ、
大井のお土産物屋ではいまだにスーパーオトメ号(アレです、ニュースになった、高速道路走った馬)のグッズが売られていた事を記しておく(笑)。
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