阪神競馬場は震災後に改築された、中央競馬一新しい競馬場。その外観は競馬場というよりはサッカースタジアムのよう。
別に奇麗なのがイヤってワケじゃないんだけど、どうしても好きになれない感じを受ける。噂に聞いていた、パドックから本馬場への行き来はさほど困難ではなかった(まぁ、問題はあるが)けど、なんだかギャンブル場らしくない。「いいことじゃないか」と思われるでしょう。まぁ、そうなんですけど。そんなことより、非常識な客(ファンとは呼びたくない)の対策をしろ、と内心不快感に覆われる。
他の客のマナーの悪さに、なんだかブルーになりつつもレースが始まるとだんだんテンションが上がって来ます。僕、東京競馬場(府中)以外での成績が極端に悪く、この日も全然当たりません(そりゃ、関西の下級条件馬なんて知らないですとも、ええ)。結局未勝利のまま桜花賞へ。
馬券は早くから決めていました。◎ダンツシリウス、○エイダイクインを厚めに、プラス▲ロッチラヴウインク△ファレノプシスとのボックス。出走馬中最高の出来に見えたファレノの単。それに、当日(実績の割に)オッズが高かったのでラヴラヴラヴ、マックスキャンドゥの単、ファレノプシスからその2頭への馬連。バプティスタは覇気が感じられず、ロンドンブリッジはやつれている感じを受けたので消し。
いよいよ本馬場入場。ダンツが今までになくせわしない返し馬。百戦錬磨の馬らしからぬ取り乱しに、早くも予想の軸が崩れたのを感じる。ロンドンブリッジもカリカリしている。ロッチの浅キャリア馬らしからぬ落ち着きが目を引き、エイダイの貫禄に安心。そして、ファレノプシス。武豊が珍しくスタンド側へ返し馬。トロットで歩むファレノは客席からの妨害の声を気にする風もなく、トコトコと4コーナーポケットへ移動、そこで何故か武豊はファレノを反転、再びスタンド前へ。
「あの武が自分の馬を見せびらかしている・・・」そう感じた僕には、今度は早足で駆け抜けるファレノがどんどん気合乗りしていっているのがはっきり分かり、なんだか武豊が一瞬笑ったようにも見えた。この瞬間武とファレノの勝利を確信した僕は、2着もエイダイかロッチで決まるだろう、と確信しほくそえんでいたのですが・・・。
ここで一つの大きな出来事がありました。これはテレビでも映っていたと思うんですが、発馬1分前にもなって相変わらずイライラしているロンドンブリッジ鞍上の松永騎手がすっとロンドンの首を押さえ、その場でくるくると回らせます。途端、ロンドンの首がすっと下がり、焦れ込みが影を潜め、みるみる気合乗りしていくではないですか! もともと素質では一線級の馬。(マイナス体重だったトライアルから更に減った)馬体と、パドックでの激しい焦れ込み(=逃げて押さえ利かず暴走、自滅)を根拠に消してしまったのが途端、悔やまれます。「ロンドンが単騎で逃げる、競りかける馬もなし、まんまとミドルペースに落として直線粘り込み・・・サニブーの時といい、日本の騎手は平気で同じミスを繰り返すし・・・」悪い想像が頭をリフレインする中、スターターが台へ。
ファンファーレの手拍子でムカついた話とかは置いといて、やはり落ち着いてしまったロンドンは枠入りも順調。結果が見えてしまった分、レース観戦は冷静になります。発馬。出遅れはなし。好スタートのダンツを瞬時に交わして先頭へ出るロンドン。そのままコーナー出口まで押し、あとはペースダウン。2番手以降も落ち着き、絡む気配はなし。ダンツ、エイダイらは思ったより前(4、5番手)。マックスキャンドゥ、ロッチも前。ファレノが中団。アインブライドらは後ろから。淡々とした展開。腕時計を見る(最近、ラップタイムを図る癖がついてしまった・・・)、ミドルペース。ロンドンブリッジ、勝利へ一歩一歩近づいていく。
3コーナーから4コーナー。有力どころがこぞって動き出す。ダンツはともかく、エイダイの手応えがさほど良くないのに驚く。その外から飛ぶようにファレノプシス! そしてロッチ、マックスが続く。直線。松永騎手がゴーサインを送る。並びかけようとする後続を引き離しにかかるロンドン。残り200。伸び脚は鈍らない。これは持ちそうだ。しかし、そのロンドンに外から襲い掛かるファレノ。他馬と明らかに違う伸び脚。ロンドンを捕らえ、置き去る。ああ、昨年のマイルCSのような光景だ。並んで3番手争いのロッチ、マックスを外からエアデジャヴーが交わし、ロンドン迫ってゴール。エイダイ6着、ダンツ11着。
このレース、馬の力はほぼ一線であった。違いは騎手のみ。レース前に見せた武、松永両騎手の、手法こそ違えど(ロンドンはスタンドに極力近寄らないよう、早めにスタート地点へ向かいました)プロの技、馬をレースに向かわせる技術、そして、大舞台に舞い上がらずそういった細慮を見せる余裕。その勝利。ロンドンはそれでもやはり馬体が減っていた分、末が甘くなったか距離が伸びて一番(有力馬では)辛そうなだけに、是非とも勝っておきたかった。エアデジャヴーは一番の上がりを使ったが、ちょっと後ろ過ぎたか、しかし120%力は出した。ロッチはマックスを競り落としての4着、キャリアを考えると立派の一言。マックスはやや不甲斐なかったか。エイダイクイン、初の関西輸送が響いた、とも取れるが、菊沢騎手にとってはキャリア最大の舞台。やはりどこか平常ではなく、馬に気が伝わった感も受ける。アインブライド、ダンツシリウスは見せ場なし。どちらもキャリア豊富だが、桜の花は儚く散るもの。野太さとは無縁の馬こそ愛されるのであろう。
オークスへ。距離が伸びて良くなりそうなのがファレノプシス、エイダイクイン、ロッチラヴウインク。今度はキャリアも味方するアインブライドとダンツシリウス。5/31。東京を舞台にした第2ラウンドも大混戦の予感。今年の牝馬クラシックはかつてなく面白い! でも今度は連も当てたい・・・。
最後に。阪神のファンは、今まで行ったどの競馬場よりマナーが悪かった。日本一美しいスタンドが泣いている。競馬の一般レジャー化、というJRAの思想は見事実を結ぼうとしている。ただし、それに伴う弊害の対策が全くなされていないのはどういうことか。既に事態はイングランドサッカーのフーリガンとなんら変わらないレベルまで来ている。是非JRAにはあれを参考に、強硬な対策に着手して欲しい。
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