つれづれ宇都宮競馬観戦記

◆朝8時に宇都宮に着くし
 1月11日、まだ雪の残る早朝、僕は電車に揺られて宇都宮へと参りました。目的は宇都宮競馬をやること! ……いえ、実は他の用で行ったついでだったんですが。何にせよ、こんな朝早く着いたのは競馬をやるためです。初めての宇都宮。右も左もわからないのでまずはタクシーを捕まえます。

◆遠いし
 「宇都宮競馬場まで」。頼むとタクシーの運転手(お姉さん)は何か嬉しそうです。「???」訝しんだものの、今更降りることは出来ません。出発するタクシー。過ぎゆく景色……どんどん鄙びた光景になっていきます。辺りは田圃ばかり。気づけばメーターは2000円を超えています。「……何処まで行くんだろう」競馬場に着いたのは9時。タクシー代は3000円になっていました。 初めての土地で不用意にタクシーに乗らないこと。

◆送迎バスあるし
 まぁ、こんな外れの方じゃタクシー以外の交通手段無かっただろうからいっか。そう思った僕の目に飛び込むセクシーバスストップ(意味不明)。そこにははっきりと「宇都宮←→競馬場無料送迎バス発着所」……あう。 ※調べろ。

◆入れてくんないし
 とりあえず着いた競馬場、9時というと、もう1レースの始まる頃ではないですか。慌てて入り口を探します……ありました。シャッターが降りてます……あれ? 30秒ほど呆然とした後、一旦敷地を出て、農家のおじさんをゲット。「あー、競馬ったらオメ、11時からに決まってんべ」…………そうなん? ※調べろって。

◆本当にあるし
 仕方ないので辺りをうろつく僕。信号機の下で一枚の看板を発見。「馬が渡ります、ご注意ください」こっ、これは伝説に漏れ聞く「道路馬(なんじゃそら!)」!!! まさかこの目で見れようとは! 寒さも忘れて(寒いんだ!)目を輝かせ待つ僕……待つ僕……待っ……ても馬は来ない。寂しくなったので渡ってやった。馬用信号完全制圧! ※後で訊いたところ、馬が渡るのはレース後だとか。ちぇっ。

◆馬いるし
 渡った先を探検することに。農家の物置らしきものを発見。中を覗くと……危うく馬とキスするところでした。実は厩舎だったらしい。これも地方ならでは。鼻っ面を撫でてみるとおとなしくしている。大流星の栗毛馬。生まれて初めて競走馬(それも現役)に触りました。ちょっとだけど。厩務員さんの気配を察して逃げる僕。貴重な体験だったなぁ。 んか、今日のレースで走る馬だったらしい。いいんか?

◆ようやく開いたし
 そうこうしてると10時に。戻ってみると入り口が開いています。入場料(100円)を支払って中へ。競馬新聞を購入すると、やはり第1レースは11時10分発走とのこと。勇んでパドックへ。途中、バザーをやっているおばさん発見。……いつものことらしく、唖然としているのは僕だけ。いい加減馴れなくては身が持たん。パドックへ到着! ……誰もいません。仕方なく、競馬オヤジをゲットして質問。「ぱどっくはレースの15分前だよ」え、じゃあ馬券は? 「レースの15分前まで買えねーよ」……左様でございますか。「うつのみや競馬」では、馬券は当回(直後のレース)のみ販売とのこと。……また暇になってしまった。

◆内田利雄騎手いるし
 皆様、うつのみや競馬のジョッキーをご存じですか? 僕が知ってるジョッキーはただ一人、内田利雄騎手です。大井の全日本スーパージョッキー(各競馬場のリーディングジョッキーのみによって行われるレース)に参戦したこともある方で、宇都宮の看板騎手です。今年度も現時点で120勝でリーディング2位(1位は141勝で早川順一騎手)、昨年の暮れは栃木が誇る名馬ブライアンズロマンに乗って暮れの名物レースとちぎ大賞典(中央の有馬記念に相当するものと思われる)3連覇の偉業を達成しました。そんな内田騎手を間近で見ることが出来ようとは。この競馬場、ジョッキールームがパドックの横に着いており、内田騎手が窓際にいた! 浮かれる僕。何となく外を見た内田騎手と目が合う。思わずお辞儀する僕(笑)。なんと、深々とお辞儀仕返す内田騎手! ……いい人や。 ※今後、中央に来るかもしれないぞ! その時はみんなで内田利雄騎手を応援しよう!

◆馬が横にいるし
 本馬場の方を見学します。1周1000m位の平坦な馬場。レースはみな右回りで行われるようです。ウイナ(ウイナーズサークル)を発見。ペンキで白塗りされた木箱がお立ち台として置かれています。幸せだ。馬場に沿って右から左へ歩いてみます。馬場と客席の距離はゼロ、すなわち塀があるだけです。ダートの質は(雪で不良だったのでわかんないけど)中央よりねっとりした感じ。脚抜けが重そうに見えます。これはスピードある馬には辛いかな、などと考えていると端に到着。先に何があるかと覗き込んでみると、馬が溜まっています。その先はパドック……なるほど。

◆いよいよ開始だし
 いよいよパドックに馬が出てきました。……と、ここで気づいたことが一点。競馬新聞にも、電光掲示板にもオッズがないんです。とりあえず馬をぼーっと見ていると、場内にチャイムが。同時に、辺りのおじさんがわらわらと馬券売場(200ヶ所くらいあるような……)へ。しばらく馬体のチェックをしているとオッズが出ました。単勝投票数68、1番から4番まで単勝99・9倍、5番1.0倍、6番以降99.9倍……は? 唖然と掲示板を見上げる目の前で表示が変化。単勝投票数185、3番が38.2倍、5番1.1倍、あと99.9倍。なるほど! つまりアレです。前オッズはなく、現時点の投票数が直オッズになると。コレは普段中央で競馬やってる人は困っちゃいますが、僕は元々オッズなんてモノは馬券買ってかた確認する方針なので(そうじゃないと自分で予想したことにならんでしょ)影響無し。とりあえず馬券売場へ。藁半紙(!)に枠連の番号と単勝の番号、金額を記入して受付へ。「一番下の何?」「ナニ……って、単勝」「単勝は2階でしか売らんよ」……そうですか。てふてふと2階へ。途中、ふとオッズ番を見ると僕が買った3-4-6のボックス馬券は2〜4番人気の組み合わせです。侮り難し栃木馬券オヤジ。買おうとした内田騎手の単勝(6番)は13.1倍。あまり単勝馬券は人気ないようです(馬券の種類は、単勝、複勝と枠連)。1000円分買ってオッズを見る。なんと! 12.2倍になってます! あはは、僕が1000円買ったらオッズ10倍下がったよ(笑)。思わず好奇心で一番人気薄そうな馬(この時点でまだ99.9倍)を300円購入。やった! 80.0倍になりました(爆笑)。コレは快感です! ※ちなみに平均入場者数は2000人くらいらしいです。

◆第1レースだし
 このレースはサラ系最下級のC5条件、1400mの11頭立てで争われます。1番人気はリーディング3位の横浜銀蠅風青年(笑)、山口竜一騎手の5枠5番ローランパトリオ。ニホンピロウイナー産駒の5歳牡馬でいかにもスピード体型。2戦前まで中央競馬で走っており、前走転厩緒戦を1秒差で圧勝、ここも1.2倍の断然一番人気です。ただ、いかにもぼてっとした歩様でこういった泥んこ馬場では中央下りのスピードが生きないのでは? と言った感想。2番人気の3枠3番ケンセツペガはトウショウペガサスの産駒(思わず涙が出ます)の5歳牡馬。上山競馬からの転厩馬で、重馬場は得意そうです。鞍上は気鋭の(……若そうに見える)野澤憲彦騎手。リーディングは17位です。6枠6番内田騎手のステージファイアーが3番人気。ホクトベガでお馴染みナグルスキー産駒の6歳牡馬。ベガに似て、パワーの有りそうな前脚でこの馬場は大歓迎でしょう。4番人気が4枠4番のベストハナコ。エブロス産駒の5歳牝馬で前走は逃げ勝っています。ただ、成績を見るに重馬場は苦手なようです。3-6を本線。4、5は押さえと言ったところか。レースは出遅れる馬もなく始まりました。ハナを切ったのが4番ベストハナコ。前走逃げて勝ったローランパトリオは馬群後方で包まれています。きっと泥を大量に浴びてるだろうし、もう走る気を無くしてるでしょう。しめしめ。そのまま直線へ。逃げ込みを計るベストハナコを内からケンセツペガ、外からステージファイアーが交わし、最後は追い比べになってゴール。判定はケンセツペガの勝ちでした。単勝は外しましたが、枠連は24倍。幸先いいスタートです。

◆第2レースだし
 このレースもC5条件の1400m戦。先ほど、断然人気でこけた山口騎手に八百長コールが送られる中(この厳しさがいかにも地方、といった感じでいいです)、パドックです。それでも人気は山口騎手の6枠6番セキノユウヤケ。フェアジャッジメント産駒(昨年の地方リーディングサイアー)の5歳牝馬でスピードがありそうです。僕は7枠8番のツルマイサバンナ、8枠10番のヒサノユメノオーが気に入り、これに4枠4番ヤマノギブソンを絡めたボックスで勝負です。ツルマイサバンナはジェイドロバリー産駒の6歳牡馬。血統的にも馬体的にも重のダートをこなせそうです。そして今日の目玉とも言うべきヒサノユメノオー。聞いたことがある中央ファンは多いのでは? 父ダンシングブレーヴ、母テンザンハゴロモの5歳牡馬。生粋の中央血統、しかも超良血の部類に入ります。なぜこんな所に、と言う馬。圧倒的に素晴らしい馬体、調子も良さそうです。〆切3分前で12.8倍の5番人気。美味しいです。ダッシュで単勝を買いに行きます。500円買ってオッズを確認すると7.8倍。??????何があった? まぁいいや……。ヤマノギブソンはカコイシーズ産駒の5歳牡馬。中央下りで僕も府中で見たことがあります。対して良さそうに見えなかったんですが、こういう所で知ってる馬に会うと肩入れしたくなるのが人情。レースは行った行ったの展開でヒサノユメノオー逃げ切り。2着にツルマイサバンナで9.1倍。単勝と合わせて的中。なんか威張っていいのかも。

◆第3レースだし
 2連勝でタクシー代も取り返し(笑)、懐も潤ったので3レースは大きく勝負する事に。実はこの日、午後から予定が入っており、これが最後のレースだったんです。レースは4歳馬による1400m戦。4歳まではランク分けはないようで、玉石混合と言った感じ。メンバー中前走を勝っているのは2頭だけ。そのうち、800mの新馬戦だった6枠6番カワノバトルは軽視し、本命は8枠10番のアデューファースト。ミルコウジ産駒(?不覚、知らない)の牡馬。血統的には何とも言えないんですが、パワーがありそうで、この馬場なら問題なく逃げ切りそうです。対抗は、迷った結果前々走で不良馬場を圧勝している3枠3番スターテンジンオー。あのお笑い系ダービー馬メリーナイス産駒の牡馬。母父ドンと、血統からもこの馬場への適正はメンバー中随一。母名カゼノナウシカにも惹かれ(笑)、この1点で勝負。5000円買います。オッズを見ると3.9倍。1番人気の組み合わせのようですが(俺のせいかも)、結構美味しい配当です。レースは、これも行った行ったでアデュー−スターが他馬を大きく引き離しての並んで入線。判定でアデューファーストに凱歌。

◆総評だし
 レースを終えた結果、馬券は3戦3勝。馬券購入費1万弱でプラス2万円とまず快勝と言っていい結果でした。雨が味方したとも言えそうですが、やはり中央で培った知識を元に、馬を見て決める(=外部情報は全く信用しない)僕の馬券術にマッチした結果でしょう。中央との違いとして言えることは、馬の好不調がはっきり見て取れます。オッズが最後まで確定しない上、あまりパドックを見ないで買う方がほとんどのようで、以外に美味しい配当にありつけます(たとえば、2レースのヒサノ〜などは、見たら絶対買う! そのくらいの出来だった)。僕と同じ馬券の買い方をする方には断然お勧めの競馬場です。
 そして、なにより馬と人の距離が近いのが素晴らしいです。実際に馬の息づかいが伝わる感覚、直線で駆け抜けるとき泥を被りそうになる距離は地方でなければ体験できません。
 騎手の腕は中央とそう差がない気がします。ただし、馬場もあるんでしょうが全レース行った行った。あまり駆け引きとかは感じられませんでした。今度は最上級条件のレースを見てみたいなぁ。
 何にせよ、全てが大変貴重な経験でした。

◆オチつくし
 友人に頼んでおいた中央の重賞がどっちも外れ。やっぱ人任せじゃダメね、とほほ。

今日はスキャニングできなかったので(自宅にないのです、スキャナ)、明日、うつけいグッズをアップしますね。

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