Q1 底地を地主から買う場合の価格について?
Ans.
一、はじめに
底地とは、地主から借りている土地(借地権が付着している土地)の事をいいます。そして、借地人がその借りている土地を買う場合と、第三者が借地権が設定されている土地を買う場合の価格は異なります。第三者が買う場合の価格は、客観的な価格(市場に於ける交換価値)でなければ取引が成立しません(正常価格)。しかし、借地人が、自身で借地している土地(底地)を買う場合は、借地人と地主との関係で閉ざされた市場(クローズド)での取引となります(限定価格)。
底地についての評価方法は何通りかの手法がありますが、ここでは二つの手法を紹介いたします。それは、更地価格に割合を乗じて求める手法と、地代から年間の総収益を求め、そこから必要経費を控除して求めた純収益を、資本還元して求める収益価格です。
更地価格を求める手法は、「借地権関係Q1のA1の二、借地権付きの建物の評価・四、価格の決定」を参照下さい。
二、底地価格の決定
1.底地割合に承諾料を加算した底地価格
前回の更地価格に底地割合を乗じて求めます。この場合権利譲渡の承諾料相当額を控除すべきだと私は考えますので更地価格50万D 50坪の土地として評価すると下記の通り。
2.収益価格
地代月額300D、50坪借地している場合(更新料の授受等ないものとして単純に求めます)、公租公課等年間の諸経費を30%見込んで求めます。
3.価格の検討
A.割合方式の底地価格 u\81,675.- 坪\270,000.- 総額1350万円
B.収益価格 u\15,246.- 坪\50,400.- 総額 250万円
上記の結果Aの価格は、地主の売りたい価格(供給者側)と見ることが出来、他方Bの価格は借地人が買いたい価格(需要者側の価格)と見ることが出来ます。
本来、経済学に於ける需要と供給の均衡点で価格が決定されると言う市場原理が働くわけですが、土地はそれが持つ特殊な性格の故に(土地は動かしたり作ったり出来ない)、不動産の価格に関し公平公正に価格の決定をする人の必要性が不動産の鑑定評価制度を確立し(昭和39年)現在に至っております。
ところで、地主は底地を1350万円で売りたい。借地人は地代を支払っている現実から考えると250万円で買いたいという主張となります。地価が値上がり傾向が続いていたバブル以前においては、地主がこの場合でなければ売らないと強行に主張されると、借地人も引きずられて1350万円に近い線で取り引きされてきたのも事実ですが、市場の流れは変わり、バブルが崩壊した現在においては、今後地価は値下がり傾向がどこで止まるかによって決まりますが、一般的には買い手市場になっているということです。
又、借り手は今後の地代を支払っていけばよいわけですが、なまじ高値で買うと借入金と利息の返済に追われることとなります。仮に350万円を自己資金、1000万円を借り入れ20年間均等返済の場合、金利8%では次の通り。
1年目 1000万円×0.038×1/12=31,667B…利息分
2年目以降 1000万円×1/20×1/12=41,667B…元本返済分
合計 73,334B…月額出費分
地代であれば月額15,000円でよいものが借り入れすれば月額73,334円の出費が続くわけですから、給料が年齢と共に上がっていける人はよいですが、高年齢者の場合地代の4.9倍もの費用を払い続けることに不安はないのか、したがってどこまで買えるのかは各自が判断して行うしかありません。
三、自分でどこまで買えるか、を考えるポイント
1.時間がたてばたつほどどちらに有利か?
2.そのまま借りていた方が安全ですが、売りたいときや立て替えの時に問題はないか、については、借地借家法で地主と話が付かない場合は、裁判所が地主に変わる許可の決定を出してくれることになっておりますので、若干手間はかかりますが解決の道は開かれております。
3.要は、1350万円からいくら割引してもらえるかの交渉ですので
したがって、おおむね-10%〜-30%程度の中に落ち着くのが一般で、買い主の資力とその後の利用の状況いかんということになります。
4.注意すべきは、「この価格で買わないならば、立ち退かせるぞ」などと脅しの言葉をはく人もおります。この様なことは、法律上許されていないことですので、心配する必要はありません。
5.権利金を支払わずにずっと借りてきたため、自然に借地権を取得した場合、建物は既に老朽化しておりますので、取り壊して更地で売れる価格(これが問題です)から底地価格を差し引いた残りの額が実質上の借地権価格となります。このような場合は、割合方式の借地権価格と比してどうか、吟味する必要があります。
更地で2500万円で売れるかどうか、仮に-20%でなければ売れないとすれば
したがって、1050万円は実質上の借地権価格、1350万円は計算の借地権価格で、結局300万円の差額が発します。(借地人の実質上の損失)
以上のことで底地取引に当たっては、適正価格で買いたい旨地主と交渉し、両者一緒に相談を受けられ、更に安心して取引が出来る手法や方法によって、話を進められることが肝要と思います。