借 地 権 関 係

Q1 借地権付き自用の建物を地主に買い取ってもらう場合の価格は?

Ans.

一、はじめに

通常「借地権」と一般に呼ばれている権利(旧借地法上の賃貸借関係が現在も継続している権利)は、昭和16年の戦争遂行目的のために戦場へおもむく家庭の居住の本拠(借地や借家しているケースが多く)を、期間が来たから立ち退かせることは、目的達成のため良くないとの事で借地法や借家法の改正が行われ、「自ら使用するか、その他正当な事由」がなければ地主や家主は「期間の更新を拒絶することが出来ない」とされました。その後終戦により、戦災にあった都市を中心に借地借家関係にトラブルが多発しました。そのとき、この改正された法律が弱者保護の観点から、比較的有効に機能してきました。

他方、地主は貸した土地が返ってこないことや、出ていって欲しいと思っても借家人を立ち退かすことが出来ず、 新たな金銭の要求等がなされ、トラブルが頻発しました。そこで、借地法の改正が昭和41年に当事者の利害を調整する意味で、鑑定委員会の制度が取り入れられ、裁判所が借地非訟事件(争いでない事件として裁判所がとりまとめてくれる)として利害の調整をし、「決定」を出してくれることになりました。(旧借地法 第9条の2参照)

ここでは「旧借家法 第9条の2B」に「地主の建物買取り請求権」として、第三者に優先買い取り請求があることを規定しております。この場合の建物価格は次の通りとなっています。

二、借地権付き建物の評価

更地の総額×借地権割合−権利譲渡の承諾料相当額+建物の現在価格=地主が買い取るべき価格

・更地価格=H9.4.1時点に於ける固定資産税評価の単価÷0.7×面積×時点修正率=その時点の時価

又は   平成8年度相続財産評価の路線価÷0.8×面積×時点修正率=その時点の更地価格(時価)

・借地権割合

一般に住宅地については更地の50%〜70%程度が借地権割合とされております。

相続財産評価の路線価図には、その時点の割合が A, B, C, D等により確定しております。仮に Dであれば60%であるとされています。

・時点修正率の調べ方

毎年地価公示制度に基づき1月1日時点の公示価格が2月末〜3月末頃発表されています。横須賀地域住宅地88地点、商業地15地点等(国土庁土地鑑定委員会・地価調査課)

更に国土利用計画法に基づき毎年7月1日時点で各都道府県が地価調査を実施しております。したがって、同一地域のポイントの変動率を求めます。現在の時点では、H9.1.1の価格がまもなく発表になると思いますので新聞で調べて下さい。価格の調査等は、「横須賀市、都市計画課」でお聞き下さい。

三、建物価格の評価

一般に建物評価は固定資産税評価額を1倍するとしています。(相続財産評価基準)

取引業界では、17年以後の建物は取り壊す事となるので、0評価とか、建物についてもいろいろな見方があります。評価上の見方を一つ紹介すると次の通り

新築価格×(1-0.1)×X/24

X=経過年数   0.1=残価率   24年=自用の建物の耐用年数、アパートは20年

四、価格の決定

借地権価格+建物価格=借地権付き建物の価格

坪50万円、面積50坪、建物30坪で15年経過、現在坪50万円で新築できるとすると総額1500万円=再調達原価、地主が買う場合

更地価格    借地権割合     承諾料控除      地積       借地権価格

50万D  ×0.6×  (1−0.1) ×  50坪   = 1350万円…A

1500万円{1−(1−0.1)×15/24}≒656万円…B

   A + B ≒ 2006万円…借地権付き建物価格

注 計算上は2006万円と出ますがこの価格は一つの評価の仕方で、外の手法もあります。 そのときの経済事情により値下がり傾向であるとすると、実際に土地所有権付き建物価格が2000万円程度で売買の市場にでていれば、さらに20%〜30%安くないと売れないこともあります。-30%なら1400万円程度。地主は、権利金をもらっていないのだから建物だけの価格なら買っても良いなどと主張する事もあります。上記の考え方は地価の値上がりしている場合に借地人に都合の良い計算方式に見えます。

注 借地権価格を鑑定評価上求めるとすると、他の手法を採用し、求められた価格を調整して決定されることとなります。

注 本当に売買したいのであれば、売り主と買い主が一緒に相談にこられた上で円満に取り引きできる手法があります。「6.有効活用」を参照。

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