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鎌 倉 十 橋

 吾妻鏡によれば、当時の鎌倉の町には「下馬橋」「筋違橋」「亂橋」等の橋の名が見受けられます。今から八百年前に、鎌倉の町には既に幾つかの橋が架けられていたことがうかがえます。
 鎌倉十橋とは、昔より鎌倉に伝わる「鎌倉の名数」の一つです。その謂れには、次のようないきさつがあるようです。


徳川光圀が延宝二年五月(1674)に鎌倉を巡視し、その見聞録を「鎌倉日記」として纏めました。その後、家臣の河井恒久等に命じ、鎌倉の地誌「新編鎌倉志」(1685)を編纂しました。この両書を比較して見るに、鎌倉日記には名数は見られず、鎌倉志には「鶴岡八幡宮の記録」より採用と記載されています。

例えば「鎌倉谷七郷とは、小坂・小林・葉山・津村・村岡・長尾・矢部」と七郷の事を記しています。その他に七口、十橋、十井、五水の名も見ることができます。以上の事から、「鎌倉の名数」は鶴岡八幡宮社務次第より称される様になり、新編鎌倉志、鎌倉攬勝考(1829)により次第にその種類を増やし、新編相模国風土記稿にて集大成され「鎌倉の名数」として、現在に至っていると考えられているようです。

鎌倉の山は凝灰岩(ぎょうかいがん)の地質から水が豊富に湧き出るため、滑川(なめりがわ)水系を中心に小河川が流れ、多くの橋が架けられました。ただし、水質は悪い土地といわれ、良質の水を出す井戸は珍重された為、鎌倉の名数に「五名水」「十井(じっせい)」などもあげられました。

さて「鎌倉十橋」ですが、新編鎌倉志に依ると「鎌倉十橋と言うのは、琵琶橋(下馬四ツ角)筋違橋(雪ノ下)歌の橋(金沢街道)勝の橋寿福寺門前)裁許橋(今小路)針磨橋極楽寺夷堂橋本覚寺門前)逆川橋大町乱橋(材木座)十王堂橋(山ノ内)」と述べています。
 

では、また来月お会いしましょうね。




[参考文献]

書 名
叢書名
著者・編集
出版社
「鎌倉謎とき散歩」 湯本和夫著廣済堂出版
「鎌倉 8」  山と渓谷社
「鎌倉・横浜」 あるっく社編集部山と渓谷社
「鎌倉・歴史の散歩道」:中世の香りを残す古都を歩く講談社カルチャーブックス安西篤子監修講談社
「鎌倉歴史散策」カラーブックス361 保育社
「秘宝のある寺<鎌倉>」カラーブックス785 保育社
「鎌倉の寺」カラーブックス821 保育社
「かながわの古道50選 : てくてくマップ」  神奈川県
「(大きな字の本)鎌倉のあるきかた」 山口千恵美他執筆ゼンリン
「鎌倉散歩24コース」  山川出版社
「ひとり歩きの鎌倉」 新沼美津江著JTB
「鎌倉の古寺」:四季の花と仏像を訪ねてCan Books JTB
「鎌倉を歩こう」るるぶ98 JTB
「鎌倉を歩こう」るるぶ99 JTB
「小さな旅」各号 JR東日本
「あなたの街の新聞:鎌倉生活」各号 遊蟻舎
「鶴岡:つるおか」各号 鶴岡八幡宮
「呪術が動かした日本史」 武光 誠著青春出版社
歴史の意外な「ウラ事情 : あの事件あの人物の"驚きの事実"PHP文庫日本博学倶楽部PHP研究所
「通勤電車で楽しむ日本史の本」 小和田哲男著三笠書房
古都の風情がいまに残る : 鎌倉の小径、うら路、かくれ道」  実業之日本社
「女人鎌倉:歴史を再発見する15の物語」 安西篤子著祥伝社
「三浦半島記」街道をゆく42司馬遼太郎著朝日新聞社
「学校では教えない歴史」 フリーランス歴史研究会コスモ出版
「鎌倉:四季の景」ブルーガイド情報版α002 実業之日本社
「鎌倉 湘南」マップル98:エリアマップ 昭文社
「新版 神奈川県の歴史散歩.下」新全国歴史散歩シリーズ14 山川出版社
「かながわの神社ガイドブック:こころの散歩道」 監修神奈川県神社庁かなしん出版
「エッセー 鎌倉百景」 佐藤 繁著門土社
「鎌倉を歩く'02」iアイジャパン18阿部由美子編集JTB
写真家が足で探した : 鎌倉の秘道.切通し・やぐら・花の寺」 中野正皓著日本写真企画
「古寺を歩く:全国の古寺の歴史と見どころ徹底ガイド日文新書渋谷申博/山中悟著日本文芸社
「鎌倉の寺小事典」  かまくら春秋社
「鎌倉の神社小事典」  かまくら春秋社
「田谷の洞窟:鎌倉の密教地底伽藍」現代名刹シリーズ1吉田 孝著宗教工芸社
「南紀白浜:名勝古跡:三段壁洞窟」  三段壁洞窟観光
各社寺拝観時の配布パンフレット   



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