「鎌倉恋便り」



片瀬龍口寺輪番八ヵ寺 「 本 成 寺 」(第117回)



江ノ電の腰越駅から50mほど北側へ行った小道に、の右側に「本成寺」(ほんじょうじ)と書かれた石碑の立つ路地があります。
鎌倉市腰越は、細い路地が多い住宅街です。この住宅街の中に100mと離れない距離でこじんまりとしたいくつかのお寺があります。
このお寺は片瀬龍口寺輪番八ヵ寺のひとつで、日蓮の弟子淡路阿闍梨日賢(あじゃりにっけん)が1309(延慶2)年に開山したと伝えられています。もとは本覚寺末寺でした。

これは龍口法難刑場跡に建立された龍口寺[1337(延元2)年日法上人創建]が、近世、片瀬常立寺、本蓮寺、腰越本成寺、勧行寺法源寺東漸寺妙典寺本龍寺輪番制(いずれも山号は龍口山と号する)とされていたことによりますが、明治19年太政官布達により住職が入山し、輪番制は廃止されました。

本成寺:1309(延慶2)年 日賢上人開創
勧行寺:1303(嘉元元)年 中老僧日実上人開創
法源寺:1319(文保2)年 中老僧日行上人開創
東漸寺:1325(正中2)年 日東上人開創
妙典寺:1300(正安2)年 中老僧天目上人開創
本龍寺:1302(乾元元)年 日行上人開創

緑青のふいた屋根をいただいた、こじんまりとした本堂には、本尊の三宝祖師と日蓮上人像が祀られています。また、境内には稲荷明神も祀られています。

 




写   真       解    説      
本成寺本堂

路地のつきあたりの門を入った正面が本堂、右に墓地、左に庫裡があります。

「龍口寺輪番八ヵ寺」とは、かつて龍口寺に住職がおらず、代わりに八つの寺を龍口寺の周辺に建てて順番制でこの霊場を守っていました。
この制度は1886(明治19)年、太政官布達により住職が龍口寺に入山し550年間続けられた輪番制はなくなりました。



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