「鎌倉恋便り」




もう一つの"ぼたもち寺" 「 法 源 寺 」(第93回)



龍口寺三門前から東に向かうと、左手に「法源寺」「ぼたもち寺」と彫られた石碑が立っています。脇の坂道を上ると、日行上人が本龍寺を開山した後、1303(嘉元元)年に開いた法源寺(ほうげんじ)があります。

法源寺は常栄寺同様、「ぼたもち寺」と呼ばれており、法源寺は、 日蓮が龍ノ口にて法難を免れた(佐渡に流罪となった)その場所に建てられた龍口寺の輪番八ヶ寺の一つです。

日蓮龍ノ口法難の際、龍ノ口刑場に引かれて日蓮に比企能員(よしかず)夫人の妹・桟敷尼がぼた餅を捧げた逸話はよく知られています。腰越にあった桟敷尼の実家の菩提寺がここだったことがその名の由来のひとつと言われています。

また、前記した龍口寺の輪番八ヶ寺とは、片瀬常立寺、本蓮寺、腰越本龍寺勧行寺、法源寺、妙典寺本成寺東漸寺を言い、いずれも山号は龍口山です。この制度は1886(明治19)年、太政官布達により住職が龍口寺に入山し550年間続けられた輪番制はなくなりました。

本成寺:1309(延慶2)年 日賢上人開創
勧行寺:1303(嘉元元)年 中老僧日実上人開創
法源寺:1319(文保2)年 中老僧日行上人開創
東漸寺:1325(正中2)年 日東上人開創
妙典寺:1300(正安2)年 中老僧天目上人開創
本龍寺:1302(乾元元)年 日行上人開創

                 

 




写   真       解    説      
坂の入口にある石碑

通りに面して、「ぼたもち寺」の由緒が刻まれた石碑が立っています。石碑左側の坂道を50mほど上ったところに法源寺は建っています。

モノレール目白山下、江ノ電江の島駅より徒歩10分
本   堂

本堂には本尊の曼陀羅と日蓮上人像が祀られています。
寺宝:本尊、日蓮上人像、経一文殊稲荷大善神など。

「ぼたもち寺」として名が残っている法源寺ですが、一般の鎌倉観光案内書で「ぼたもち寺」というと大町にある常栄寺の方が有名で、法源寺の名は隠れてしまっている感じです。
いずれにしても、二つのぼたもち寺の由来から、日蓮は龍ノ口刑場に着くまでの間に、随分沢山のぼたもちを食べたのではないか?と思った小生です。
稲  荷  堂

本堂左に建つ稲荷堂には経一文殊稲荷大善神が祀られていますが、この大善神は龍口寺の経八稲荷などと日蓮上人の身の安全を守ったと伝えられています。

一木から作られた二体の日蓮像が、それぞれ法源寺と龍口寺に奉納されています。



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