初音(源氏物語)
新年初めての子(ネ)の日を初子(ハツネ)の日という。この日に山頂より四方を望み陰陽の静気を得て、煩
悩を除くという故事により、古来貴族社会では野外において若松を曵き、あるいは若松をつんで粥とし
て食すなど、野辺にて宴を催すことが初子の行事で、いずれも長寿を願い邪気を払う為の自然との対話
とも言うべき、平安王朝ならではの、優雅な野遊びであった。
この鍔は源氏物語の光源氏が構想した理想郷六条院四季邸(ロクジョウインシキマチ)が落成した
翌年の元旦と初子が重なった日に行われた初子の行事を題に採った作。光源氏とは政敵に当る頭中将(
トウノチュウジョウ)の娘、玉鬘(タマカズラ)が、若松を曵く従者を見守っている姿を描写している。
