機織姫
古代、中国のある村に織姫の娘が住んでおり、また、この村の端を流れる河を挟んだ地には、牛飼いを
生業とする青年が住んでいた。ところがこの二人の若者は、一向に働く意欲を見せず、これを見た天上
の神様は働く意欲を高めようと考え、二人を出会わせ、恋する喜びを与え、働く糧にさせようと試みた
のでした。だが意に反して二人は享楽に溺れ、以前にも増して自堕落な生活を送るようになり、それを
知った神様は怒って、二人を引き離してしまいまったのである。河をはさんだ二人は声をかけ合おうに
もとどかず、涙を流して悔み、再会を願うのであったが許されるはずもなく、神は、ただ毎年七月七日
のみの逢瀬の機会を与え、機織と牛飼いの業を怠らぬよう強く戒めたのであった。
天上に銀河が横たわり夏の二星である琴座のヴェガと鷲座のアルタイルが輝く頃とは、最も桑の成長の早い頃
でありこの桑を餌とする蚕の生育期であるところから養蚕の季節を知る手がかりとして、この星が指標
とされ、これを年に一度の逢瀬という伝説になぞらえ、物語化されたのである。天上世界にいる織女を
表した作である。
