2000.1130更新

 愛の町議会
 2000年 9月定例会
 一般質問 (1)

○原田議員 2番、原田敬一郎です。よろしくお願いします。
 それでは、質問に入ります。
 愛の町は、11.72キロ平方米という地理的領域と4,650人余りの住民を持つ地方自治体です。町長の仕事は、今も昔もこの領域を活用し、そこに生活する町民を、過去、現在、未来において不安なく幸せにすることです。それは、これら先も変わらないし、今の厳しい激動の時代から町民を守ってあげられるかどうかは町長の政治手腕にかかってまいす。所信表明における町長の考え方は6月の議会でお聞きしましたが、就任から半年が経ちまして、町長の考えがまだよく伝わってこないというもどかしさがあります。しかし、町長が先日の町民体育祭が終わった後に、職員と一緒になって最後まで後片づけをされていたのを見ていて、その一生懸命な姿に、やはり「やるんだ」という気持ちが伝わってきました。
 私も議員になって1年を過ぎて、いろいろ勉強して少しずつ議員の仕事というものが見えてきました。これからは、遠慮なく議員としての務めを果たしていこうと考えています。新しい町長を歓迎し、応援したいと考えている者の1人として、愛の町の町民と町の未来のために大いに議論をしていきたいと考えますので、よろしく答弁をお願いします。
 
 それでは地方分権について。
 御存じのように、私は、国営諌早湾干拓事業の見直しを求める者として活動していますが、その活動のうちにたくさんの町を訪れ、たくさんの地元の町を愛してこだわつている
人たちと出会いました。
 どんな人かというと、地元の残り少ない海や山や川を、次の世代に残そうとしている自然保護の人たち。一銭の補助も受けず、人より1円でも多く税金を納める農家を目指して、無農薬農業にこだわっているうちに、地域の変人だったのが、いっの間にか町づくりのリーダーになってしまっている人たち。ごみを燃やさない、埋め立てない、ごみゼロの町づくりをしている人たち。原発のない町づくりを提案している人たち。阪神・淡路大震災以来、国や県より早く被災者救援にかけつけるNGOのボランティアの人たち。一人一人の生涯に合わせた車いすや歩行器などの道具づくりをやっているうちに町や県のバリアフリーの町づくりのアドバイザーまでしている人たち。家庭や施設から自立して行政から援助を受けず共同生活をし、車いすで積極的に町に出て、
役所や商店に段差やスロープや公共トイレなどに文句を言うことでバリアフリーの町づくりを実現しているたくましい重度身体障害者の人たち。ダムに依存しない村づくりを目指して建設省のダム建設を止めさせた村会議員や町長さん。吉野川の河口堰はいらないと市議会に40人中22人の見直し議員を当選させ、住民投票で見直し多数を勝ち取った人たち。女性の地位向上が日本を良くするという考えで議会に女性議員を送りこむ活動を全国展開している人たち。農業用水はいらないといっているのに死んだじいさんが生き返って同意の印鑑を押したことになっているのに腹をたてて国相手に裁判している川辺川の農家の人たち。離島振興策として漁船のいない所にも港や護岸堤防を作るような町長から議員まで土建屋という島でゴルフ場建設を止めた学校の先生。日本の支配下でホッカイドウアイヌとウチナンチュウアイヌの伝統と文化を守り続けている日本の先住民族の人たち。
 
 これらの人たちは私を含め、当然その地方自治体と意見が会わないから立場が違うことが多いのですが、でも、町長、よく考えてみてください。歴史というのは時の権力と住民の不満との間で築かれてきたのではないでしょうか。
 例えば、今では当たり前の女性の参政権ですが、時の権力は女のような目先のことしか考
えられない者に、参政権を与えたら日本がだめになると、女性も人間だ、男性と同じように扱えと不満を言う国民を投獄したり拷問したりして弾圧しました。今となっては信じられないことですが、時代とともに、それを認めざるを得なくなりました。女性の参政権を認めることによって、私たちの社会はもっと豊かになっていることは、だれもが認めることです。
 愛の町の町政においても地方分権型の町づくりをしていく上で、住民の声を遠ざけるのではなくて、取り入れ、取り込んでいく方向にシフトしていかないと何のための自治体なのかその存在理由さえなくなってしまいます。これまで町民の為にと称しながら町民不在で事業を進めてきた部分を町民に協力を求める前に町自身が反省して見直してゆくことができるかが第一番目のハードルではないかと考えます。
 質問です。
 地方分権の目的は、住民の不満は住民に一番近い地方自治体で解決させようというのが、民主主義を住民レベルまで深めようということだと考えますが、町長は、どう解釈していますか。

○松浦町長 原田議員に対してお答え申し上げたいと存じます。
 今、地方分権とはということで、ちょっと申し上げたいと思っておりますが、地方分権とは国と地方公共団体とが分担すべき役割を明確にし、地方公共団体の自主性、自立性を高め、個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現を図ることだと理解しております。また、今、なぜ地方分権なのかと申しますと、中央集権型行政システムの制度の疲労、変動する国際社会の対応、東京一極集中の是正、個性豊かな地域社会の形成、高齢社会、少子社会への対応などが挙げられます。
 したがいまして、議員のおっしやるよう、住民不満は、一番身近な地方自治云々といった目的ではないようにとらえてはおります。民主主義についてですが、議員の言われる直接民主主義的な考え方は、現在の国、県、市町村の地方自治体では採用されておらず、議会制民主主義を今はとっております。住民が自治意識を持ったこと、昔のギリシャなどの直接民主主義とは、全く異なるものと解釈しております。
 原田議員がおっしやる趣旨のように、行政意識を持っていただくことは必要だと思いますが、一人一人の地方自治へのスタンスが異なることも認める必要があると考えております。

○原田議員
 愛の町という地方自治体の領域は、長崎県という広域と中央政府の領域にも属する三層構造の公共空間となっています。 愛の町は、長崎県からの分権と中央政府からの分権を望む前に受け取ることになりました。
 しかし、時代や中央政府の政策は福祉社会化や行財政の改革や、グローバリゼーションへと急激に変化しており、愛の町の都合などお構いなしに、介護保険のように制度や法律として頭越しに押しつけてきます。
 また、市町村合併のように、町の存在にかかわる大問題を、町民と話し合う時間がないぐらいに待ったなしで、特例法などの損得で判断を迫ってきたりもします。
 
質問します。
 今の愛の町には正直言って、そんな難しい問題を町民と一緒に考えて処理していける能力も余裕もないと私は考えますが、町長はあるとお思いでしょうか。イエスなら根拠を示してください。お願いします。

○松浦町長
 原田議員のおっしゃるとおり、介護保険にしても合併問題にしても難しい問題と認識いたしております。そのような問題を、町民と一緒に考えて処理していける能力も余裕もないと思うかどうかということでございますが、、能力があるかないかということは、私から答弁しかねますが、法に基づく職務については処理しなければならないと思っております。
 この分権というのは手段でありますので、この分権改革により、市町村の判断と責任において自主的、自立的に処理していくことになります。そのために、町議会、議会、住民と一体となり、推進しなければなりません。そこから住民参加型行政等が要請されるものと思っております。町づくりは、人づくりからと申されますが、その中で市町村とすれば受け皿づくりに合併が考えられておると思っております。

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