自分の技術を一生磨いてゆき、人のためになる仕事がしたい


最初はビジネススクールへの留学を考えていたのが、どうして国際政治専攻に変わったの?

「転職先の外資系メーカーで仕事上、通訳をやる機会があり、夜間に通訳学校に通い始めたのが転機でした。
主にそこでの授業は、英語のスピーチを聞いて、一人一人指名されて即座に日本語に訳していく形で行われます。スピーチのテーマが国際政治経済といったものが多く、背景知識のある無しが大きく通訳の出来を左右します。
また並行して通っていた放送大学でも政治学関連の授業を取り、そこで学んだことが通訳の授業で役に立つこともありました。そして次第にビジネススクールでのMBA取得よりも、国際政治に興味を持つようになったのです。」

その会社での経験が、通訳という仕事に目を向けさせたのね。

「ええ。転職先での勤務も5年になり、組織の中で会社の利益のために働くより、自分の技術を一生磨いてゆき、人のためになるような仕事がしたいと考えるようになっていました。」
「でもその会社で通訳をやる機会がなければ、今の私はないと思います。そして、通訳学校で、第一線で活躍している先生方に教えていただき、大きな刺激を受けたことが、仕事として考えるようになったきっかけです。
同時に、放送大学での卒論も国際政治分野で書き、もう少し専門的に勉強してみたいと考え始めました。それで大学院での専攻も、ビジネスから国際政治へと傾いていったのです。」
「ここ1年の目標は、とにかく修士号をとること、そして帰ってきたら通訳として実績を積んで、学んだことが生かせるような仕事をしてゆきたいと思います。」

でもなぜ通訳の仕事をしようと思ったの?英語力を必要とした仕事は他にもたくさんあるのに。

「いつか通訳がちゃんと"できる"ようになりたいからです。
通訳の訓練を少しでもやったことのある人ならわかると思いますが、通訳って、ただ外国語と日本語が流暢に話せればできるというのと、全く違うものです。(日常会話の通訳ならともかく)スピーカーの思考回路に入り込んで、その人の論理を読んでいく面白いと同時にすごく難しい、奥の深いものだと思います。
私の場合、技術も英語力も足りないから当たり前だけど、一流と言われている通訳者でさえ、まだ一回も"完璧"にできた仕事はないとよく言っています。」
「それに仕事を通じて色々な分野の勉強ができること。通訳をするには、話し手と同じかそれに近い知識を持っていなければ通訳ができないと言われています。勉強は大変だけど、知識欲は満たされる仕事です。」
「(どの仕事でも言えることかもしれませんが)通訳は1回1回の仕事が自分の糧になり、蓄積したことが全て自分の財産となっていくものだと思います。だから努力すればするほど、仕事の成果に反映されると思います。」
「留学したら、もしかして別の道も見えてくるかもしれないけど、現時点では帰国後は通訳として実績を積んでゆきたいと思ってます。」