「楓VS偽ドラゴン&空とぶギロチン」
謎な絵 480*640  85.1KB

楓VS偽ドラゴン&空とぶギロチン
(中国語題:楓闘偽李小龍与血滴子/英題:KAEDE VS FAKE DRAGON & FRYING GUILLOTINE)

製作・監督・脚本:オリイ/音楽:川井憲次(松尾早人でも可)/武術指導:ラウ・カーリョン(劉家良)/殺陣:菊池剣友会/カツラ:山崎かつら/キャスト:楓=?、忍=?、偽ドラゴン=ドラゴン・リー(巨龍)、空とぶギロチン使いの虚無僧=カム・カン(金剛)、ジミィ先生=ジミー・ウォング(王羽)/ナレーション:芥川隆行
★登場人物★
  • [かえで](手前左):前作参照。 今回の得物は十手。
  • [しのぶ](手前右):楓の相棒。 根来[ねごろ]忍者の子孫で根来流忍法を操るが、「ネゴロ!」 と言われるのをいやがる。 ドジなので楓に“くの2” と呼ばれたりする(“くの一”に一歩足りない意)。 ちなみに、どちらかといえば長身痩躯の楓に対して「ポチャポチャのプリンプリンのボンボーン」 な体型らしい。 極めてご都合主義的に。
  • 偽ドラゴン(中央右):下記ストーリー参照。
  • 空とぶギロチン使いの虚無僧[こむそう](中央左):下記ストーリー参照。
  • ジミィ先生(背景):前作参照。 悪の組織“ドラゴン・ヘッド”を率いる。 日本・韓国・中国・香港…のどこにいても、そしてチョット日に焼けばタイやフィリピンに行っても違和感が無い、 モンゴロイドの平均値のような平凡なツラだが、とにかく悪いヤツである。 時折趣味でバカ映画を作ったりする。

★ストーリー★
 一見平和に見える東京。 しかし、ジミィ先生を首魁とする悪の組織“ドラゴン・ヘッド”は、 その裏側を着実に支配下に置いていた。

 彼らは、偽造テレカ・後楽園ホールのボクシングの試合のダフ屋 ・海賊版同人誌販売等を資金源としていたが、 最近では駅前によくある道ばたの古雑誌売りをも支配下に収めようとしていた。 山手線・中央線内の古雑誌集めを独占し、 ドラゴン・ヘッドの傘下に入ることを肯[がえ]んじないオッサンたちに暴行を加え、 古雑誌売りが縄張りとしている駅の新聞・雑誌専用のゴミ箱に中身入りの缶コーヒーを捨てるなど、 イヤガラセの限りを尽くす。
 弱者に迫害を加えるドラゴン・ヘッドの行状を看過できなくなった “組織”(内閣総理大臣あるいは皇室直属との説もあるが詳細は不明)は、 楓たちの上司の井上主水正[いのうえ-もんどのしょう]を通じて、牙を突き立てろ…もとい、彼女たちに出動を命じた。

 はブーブー言いながらも駅の清掃員や古雑誌売りに変装し、 古雑誌売りのオッサンたちにイヤガラセをしようとする ドラゴン・ヘッドの構成員たちを片っ端からボコボコにしていったので、 ドラゴン・ヘッドの野望も潰[つい]えるかに思われた。 だが、そんなことであきらめるジミィ先生ではない。 彼は刺客を雇い、楓たちの抹殺をもくろんだ。
 いつものようにドラゴン・ヘッドの構成員と戦う楓と忍。 ルーティン・ワークのように手早く片づけていると、 闇から響くジミィ先生の声(エコーつき)。

ジミィ先生 「ふふふ…君たちの活躍はいつも見せてもらっている…だが、 それも今日でおしまいだ…」
物陰から歩み出す男が二人。 一人は黄色いツナギの服に身を包み、 もう一人は虚無僧の格好をして手に謎の武器を持っている。
楓「来たな…変身だ!」
忍「合点承知!」 (←死語の世界)
楓「マゲヅラ・ビルト・イン!」
 すぐさま楓はマゲヅラをかぶって戦闘服=紅葉色の振り袖に変身し(メカニズムは不明)、 忍は素速く忍者の服装に変身する(っつーか着替え)。

 「まずは私が相手だ!」 と、黄色い服の偽ドラゴンはなぜか礼儀正しく名乗りをあげた。

忍「なにあれ…全身タイツ…?」
偽ドラゴン・楓「トラックスーツ!」
忍「?」
実は楓もドラゴン・ボンクラだったのだ!(お約束)
 「アチョーッ!」 と怪鳥音を発しながら襲いかかる偽ドラゴン。 スピーディーな攻撃で楓と忍は防戦一方に追い込まれた…かに見えた。
偽ドラゴン「どうだ、オレのジークンドー(截拳道)は。 手も足も出まい!」
楓「ふ…あんたのジークンドーは偽物だ!顔も似てないけど
偽ドラゴン「何ィ!!」
楓「あんた、『ドラゴン怒りの鉄拳』での霍元甲師父の教えを忘れたか? “武道とは勝利が目的ではなく、精神と肉体を鍛えるためのもの”だということを!」
偽ドラゴン「!」
楓「そんなことも忘れてドラゴンもジークンドーもあったもんか。 阿呆ぬかすな、このインチキ・ブルース・リーが!」
偽ドラゴン「!!!」 (背景に「ズガビーン」 という擬音)
 偽ドラゴンは攻撃することも忘れて呆然と突っ立ってしまった。 奇妙な間が流れる。 虚無僧が「おい、どうした!」 と呼びかけるが、動こうとしない。 さらに声をかけても微動だにしないので、 虚無僧は自ら“空とぶギロチン”を楓に向けて放った。
 気を抜いていた楓の眼前に、 恐ろしい勢いで回転する“空とぶギロチン”の刃が迫る!
グシャッ!
  空とぶギロチンの刃が鈍い音をたてて突き刺さったのは…偽ドラゴンの胸板であった。 空とぶギロチンが楓を襲おうとした瞬間、 彼は身を投げ出したのだった。

 「なぜ…こんなことを…?」 と問う楓。 「あんたに…礼を言いたかったんだ…」 と答える偽ドラゴン。
 彼は、 少年時代にブルース・リーの映画を観てたちまちその魅力のとりこになったこと、 リーのような武道家&映画俳優になることを目指して武道修行を続けたこと、 そのかいあってブルース・リィ(何宗道)やブルース・(呂小龍) といったインチキ・ブルース・リーたちの映画にスタントマンとして出演したこと、 やがてブルース・リーのブームも去って職を失い、 ついには黒社会に身を投じて雇われ用心棒に身を落としたこと…などを 苦しい息の下で数分間にわたって語った(歌舞伎の“手負い”のパターン)。

偽ドラゴン「あんたが、最初にリー始祖を好きになった頃の気持ちを 思い出させてくれたんだ…ありがとうよ…」
楓「……」
偽ドラゴン「最後に一つだけ聞いてくれないか…?」
楓「何?」
偽ドラゴン「オレの、“怪鳥音”を」
楓「いいとも」
偽ドラゴン「……あちゃぁ……!」
楓「あんた、本物のドラゴンだよ…
 最後の“白鳥の歌”を唄い、 楓の言葉を聞いた偽ドラゴンは莞爾[かんじ] として笑って逝った(アップになって“ガクッ”)。

 残る相手は謎の武器“空とぶギロチン” を操る虚無僧 実は彼には恐ろしい過去があった。

 今から三十有余年前の中国には文化大革命の嵐が吹き荒れていた。 毛沢東主席は自らと対立する“実権派”の人々に“右派”・“走資派” のレッテルを貼り、彼らを倒すために“空とぶギロチン”を考案し 武道の達人たちを集めて使い方を伝授した。 武道家のフン・ジェンもその一人で、 彼が操る凶刃によって多くの憂国の志士が斃[たお]れた。
 毛沢東の死とその直後の“四人組”の失脚によって文革は終結し 、フン・ジェンも日本に密航して虚無僧に姿を変え、 隠遁[いんとん]生活を送っていた……のだが!
(ナレーション by 芥川隆行)
 フン・ジェンが日本のどこかにいることを知ったジミィ先生は彼を発掘し、 用心棒兼殺し屋として雇ったのであった。
楓「あのの虚無僧、偽ドラゴン以上の強敵だ!」
忍「うん、の虚無僧が持っている武器はなかなか厄介だね」
虚無僧「謎、謎、って、ワシはフン・ジェンというんだが…」
楓「の虚無僧の武器の弱点を知ることができれば…」
忍「下手にの虚無僧の武器を受けたら首が無くなっちゃうよ」
虚無僧「謎ぢゃないって!」
楓「の虚無僧の武器さえ奪うことができたら…」
忍「の虚無僧も、あの武器がなければ無力になるね」
虚無僧「謎、謎、言うな〜っ!」
楓・忍「謎!」
  激怒した謎の虚無僧は楓と忍に対して空とぶギロチンを放った。 二人が危うくよけると、虚無僧はすぐさま空とぶギロチンについている紐[ひも] を引いて手元に戻し、間髪入れずに次の手を放ってくる。 その刃は強靱で触れた物全てを切り裂き、 回転しながら飛んでくるその恐ろしいスピードは、よけるのがやっとであった。
 空とぶギロチンの回転はすさまじい力を生み出し、 それは誰もとどめることはできない。
(ナレーション by 芥川隆行)
楓たちは反撃する暇[いとま] も無く、徐々に追いつめられる。

 窮地に陥りながらも楓は「そうだ!」 とつぶやき、なんと街路樹を背にして立った。 虚無僧が「馬鹿め、背水の陣をひいたつもりか!」 と叫びながら空とぶギロチンを放つ。 楓が間一髪でよけると空とぶギロチンは 鋭い刃で街路樹の幹を難なく切り倒した。
 しかし、空とぶギロチンの紐が周りに伸びていた枝にからみつき、 虚無僧の手元に引き戻されるのが一瞬遅れた。 忍がすかさず通販で買った高枝切りばさみで紐をチョキンと切ると、 楓は丸腰になった虚無僧の頭を十手でカチ割って片づけた。

   〜劇終〜



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