「バトル・オブ・ブリテンの勝利―チャーチル&スピットファイア」(10000アクセス記念イラスト)
「バトル・オブ・ブリテンの勝利―チャーチル&スピットファイア」(10000アクセス記念イラスト) 800*600 57KB

We shall never surrender!

 
 かつて英国の救世主と呼ばれた、Sir Winston Churchill(1874〜1965)とSpitfire。
 チャーチルはヒトラーの恫喝に対し、断固として"We shall never surrender!"(我々は決して降伏しない)と演説し、Vサインを示しながら爆撃に耐え抜いて英国を勝利に導いた。ゲーリング率いるルフトバッフェ(独空軍)と「バトル・オブ・ブリテン」を戦い、うち破ったのがハリケーン戦闘機と「スピットファイア」である。
 レジナルド・ミッチェルが命と引き替えに設計した(ミッチェルは完成前に癌で死去)スピットファイアは、その高性能以上に美しさが際だっている。スマートな胴体と何よりも印象的な、海鳥を連想させる主翼のフォルム。そして、次々と改良を重ねて十年以上用いられた息のながい飛行機でもある
 後期形はプロペラ機のほとんど限界に達する高速を出したが、航続力不足と操縦性の点で第二次大戦最強の戦闘機の座は米国のP-51ムスタングに譲るかもしれない。しかし、日本の零戦と共に第二次大戦機で最も美しい戦闘機の一つであったことは誰も疑わないであろう。

 チャーチルは英国の救世主といわれ英雄視されてきたが、ドイツに徹底して無条件降伏を求めたことにより戦争終結を遅らせたのではないか、ヒトラーを倒してより厄介なスターリンとソ連を太らせたのではないか、などの点や戦術的失敗などの面から現在再評価がなされているという。確かに彼は「大英帝国」を信奉する十九世紀人だった。第二次大戦勃発直後に首相となり、終戦直後に選挙で敗れて愕然としたが、英国民は彼が「乱世の英雄」であることを知っていたかどうかはさだかでないけれども、チャーチルは「狡兎死して走狗烹〔に〕られ、飛鳥尽きて良弓蔵〔しま〕はる」(『史記』「韓信伝」など)という中国の俚諺を知らなかったのは確かだろう。第二次大戦には勝利したものの、英国はアジア・アフリカの植民地をほとんど全て失い、国力は以前とは比べるまでもなくなった。戦争が英国にもたらしたのは、チャーチルのノーベル文学賞だけ、といったら言いすぎだろうか。スピットファイアもバトル・オブ・ブリテンでは独空軍をうち破ったものの、航続力の点で戦争後期の英空軍のドイツ爆撃を護衛できなかったという。つまり迎撃用の戦闘機に近かった。日本軍の呼称で言えば「局地戦闘機」が最高の名機であったことに英国にとっての第二次大戦の意義が象徴されていると思う。ほとんどこじつけではあるが。

 

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