「精武門〜ドラゴン怒りの鉄拳〜」
時の中で永遠に静止した彼の憶い出のために。 480*640 92.2KB

Bruce Lee claims his revenge through death and beyond.
――ブルース・リー、死を賭けた復讐の誓い。
(ゴールデン・ハーベスト社による海外向けキャッチコピー)

精武門
(邦題:ドラゴン怒りの鉄拳/英題:Fist of Fury)

香港ゴールデン・ハーベスト社1972年/日本公開1974年/製作:レイモンド・チョウ(鄒文懐)/監督:ロー・ウェイ(羅維)/音楽:ジョセフ・クー(顧嘉輝)/主演:ブルース・リー(李小龍)、ノラ・ミャオ(苗可秀)
 物語の冒頭、師匠の危篤の報を受けて、陳真(ブルース・リー)が上海の精武館へ帰ってくる。しかし、そこには館長の霍元甲(実在した武道家。1857?-1909)を祀る祭壇が飾られていた。「遅かったか…」庭に廻ると、雨の中、精武館の一門(精武門)の人々が霍元甲の棺を埋葬しようとしていた。「師父、師父〜!」と声をあげ、錯乱したように棺に取りすがる陳真。……と、男女混声合唱の悲愴なテーマに乗せてオープニング・タイトルが始まる。繰り返し迫る「精」「武」「門」の三文字。
 陳真は、霍元甲が急病で死んだことを知らされたが、その死因について疑念を抱く。

 やがて陳真は、霍元甲が日本人経営の虹口道場の道場主・鈴木(橋本力。『大魔神』の中の人)の差し金によって毒殺されたことの確証をつかみ、精武館の面々とは別に自らの手で復讐しようとする。精武館に対して投げつけられた“東亜病夫”(アジアの臆病者)という挑発に対して、陳真は虹口道場に一人殴り込んで門弟たちを叩きのめすと、“中国人唔係病夫!”(ヂョンゴッイェン ンハイ ベンフ=中国人は臆病者ではない!)という一言で答えた。
 一人放浪する陳真は、町外れの墓地で彼を捜す可憐な娘と再会した。霍元甲の一人娘・麗児(ノラ・ミャオ)である。以前から将来を誓い合っていた二人は、ひととき、互いの唇を重ね、抱擁した。
 しかし、陳真の復讐はやまない。ただ一人で毒殺の実行犯たちを血祭りに上げて行くが、鈴木は日本の外交ルートを通じて上海の警察に圧力をかけてきた。警察署長は精武館を訪れると師範たちに、陳真を出頭させなければ精武館を閉鎖させると宣告する。
 かたや、陳真は虹口道場に忍び込み、ついに鈴木たちに勝負を挑んだ。陳真が鈴木の用心棒(勝村淳。『座頭市』シリーズで勝新太郎のスタンド・インを務めていた人)やロシア人武道家のペドロフ(ロバート・ベイカー)を打ち倒すと、鈴木は日本刀で斬りかかる。陳真は危機に陥りながらもヌンチャクで対抗し、トドメの跳び蹴りを食らわせると、鈴木は絶鳴をあげて吹き飛んだ。

 一方、精武館には、ついに警察署長や日本人領事らの外交官までが現れて閉鎖を命令する。物陰から押し問答を聞いていた陳真は姿を現し、縛につくことを告げた。師範や門弟たち、そして麗児と無言でまなざしを交わして別れを告げると、精武館の玄関から歩み出る。
 門の外には噂を聞きつけた民衆が集まり、「陳!」「陳真!」と名前を連呼している。だが、人々と陳真の間は銃を構えた外国人たちと警察官の群によって隔てられ、彼らは陳真に銃口を向けていた。

「あちゃああぁぁぁぁ!」
 裂帛の気合いと共に、ただ一つの美しい思い出を胸に抱いて陳真は跳躍した。同時に鳴り響く銃声。

 陳真の時が止まった――。

   〜劇終〜

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