ある人が、ブルース・リーの素晴らしさは言葉では伝えられないので、そのもどかしさに人は皆「いたこ」と化して彼の物まねをするようになってしまう、というような意味のことを書いていた。
素晴らしさを伝えるためかどうかは別として、ブルース・リーは人を「いたこ」化してしまう魅力を持っている。かつて、リーの姿をスクリーンで観て、ある者は怪鳥音を発してヌンチャクを振り回し、ある者は空手を始め、ある者は8ミリカメラで“空手映画”を自作自演した。
そうした彼らも、ヌンチャクを鼻の頭に思い切りぶちあてた瞬間、空手道場にかよいはじめて三日目、あるいはスクリーンに映し出された己[おのれ]の姿を観て現実を思い知らされた。
私は自らの容姿や運動神経を知っているので、自分の身体で彼を真似ることなど思いもよらないことである。しかし、絵にすることでブルース・リーに対する何ほどかの思いを表現していようとしているのかもしれない。
メインの上半身裸のリーは、特に特定の写真を模写したというわけではなく、オリジナル(?)に近いモノである。『怒りの鉄拳』のリーをイメージしたが、顔が似なかった…。大きくドッペルゲンガー状態(笑)になっているのは、『燃えよドラゴン』撮影中のスナップを参考に、左右反転させた状態で線画にしたもの。『燃えドラ』のイラストのポスター(←国際版。日本での公開当時のポスターは写真のコラージュ)では、ウィリアムズ役のジム・ケリーがこの構えをしている。上の方の跳び蹴りは『ドラゴン危機一発』(“唐山大兄”)の香港版ポスターから。共に、参考にして自分で線画として描いたのであり、取り込んで二値化したりしたわけではない(見ればわかると思うけど)。
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