





アナログシステム研究所 (NEWS RELEASE 40052)
#4005 3の3 日本の独立性を取り戻す
為替政策の積極化
この先円高が進むに任せてドルを通貨のままの状態で保ち、外貨準備に占める米国債の比率を少しずつ下げてゆくと、資本の還流を自らの手で作り出す方途を生み出すことができるようになるでしょう。円高は輸出産業にとって現状では不利なようにみえますが、高くなった円でより多くのドルを調達することができるという意味でもあるのです。ここに気がつけば円高は寧ろ国にとって望ましい結果の一つであるということが見えてくるはずです。今までは外的要因で変化する為替市場の動きに追随するだけでした。これからは巨大な外貨準備を活用することで、日本にとって望ましい為替レートにまで収斂させてゆくようにしなければなりません。受身のままの対応を続けていたのでは、財政赤字を増やしてアメリカへ活動資金を供与し続けることになるだけです。
輸出産業などの売上代金としてのドルは一旦バッファとなる受け皿に落としておき、円高が終息するまでの間暫時臨時の繋ぎ融資を受けて乗り切るようにするか、或いは貴金属などに価値を移し変えてから円を売却する動きに合わせて現金化するという方法などもあるでしょう。(輸入が増えればドルは高くならざるを得ないのです)ドル資産を企業買収などに投入して、日米相互間で利益を生む体制を築いておくこともできるはずです。この状態は為替の動向に応じて柔軟に企業の外貨バランスを整えるため、往復で利潤を生み出すことも可能になるだろうと思われます。(外資が既に日本で実施しているごくありふれた会計処理による資産分配とその移動のための方法です)
円買いが完全に落ち着くまで円売りを続けてゆくのが最も重要なことなのです。円安を導いてから円転するので、為替差益も同時に得られるという訳です。資金需要は一時的に増加しますが、財投資金などから低利の融資を暫定的に引き出すことは可能だろうと思われます。円安はドルを買うことで実現するのです。買ったドルで金などの現物を確保し、日本に商品取引市場を充実させて最適なタイミングで適正に売却すれば二重の利益を手にすることもできるでしょう。アメリカがこれまでにやってきたことを、立場を変えて日本が行うというだけのことなのです。日本は円を供給するだけという有利な立場にあるのです。このアドバンテージを活かさない手はないでしょう。
貴金属などの現物が日本に集約されるようになると、世界の経済は変わらざるを得なくなります。現物を抑えておけば決済資金を円建ての条件で契約することができるようになるでしょう。来るべきインフレの時代を考慮すれば、貨幣経済だけにのめり込むのは極めて危険なことだと分かるはずです。ドルという機軸通貨の脆弱性がこれから注目されるようになると、円高は一層高進するようになるはずです。高くなった円で廉いドルを仕入れ、そのドルで貴金属などを含む各種商品を日本に持ち帰ることで、将来に備えておくことができるようになるでしょう。
このようにして為替差益を積極的に生み出しこれを善用することで、円高の恩恵を国内により多く留め置くことができるようにするべきだと考えます。長期債のまま塩漬けの状態で運用するより、遥かに大きなメリットが得られるように思います。空洞化の原因となっている在外資本を早く呼び戻すということが、日本政府の急務であるはずです。適切な対応を機敏かつ果断にとることこそが、アメリカの態度を方向付ける役に立つでしょう。状況を放置している現在の態度を続けていると、相手にその気がなくても最終的に増長させてしまうことになるのです。
日本の独立性を取り戻そう
貴金属などの現物を扱う経済は、ものが移動しても価値が変動するようなことはありません。ものの価値には地域を越えた普遍性があり、それが絶対的な価値の裏づけとなっているからです。不動産は動かせませんが、貴金属などなら輸入することができます。輸入した貴金属類を日本で円安になるのを待って換金すれば、コストダウンと同時に為替差がうむ損失からも免れることができるでしょう。通貨価値の変動にも影響されることはありません。インフレ時における有効なヘッジ対策は、貨幣から現物へとシフトすることだけなのです。貨幣価値は下がっても、物の価値は却って上がるようになっているはずだからです。
物資が一旦日本に集約されるようになると、円建ての国際商品取引市場が日本に生まれることでしょう。日本でなければ手に入らないようなものは、プレミアムがつくようになるのです。円が下がっている時に資本と利潤を日本へと移転させ、円が上がっている時に金塊を仕入れて速やかに国内へと移動する流路を築くべきだと思います。価値を通貨から物へ移転すると同時に地理的にも移動しておけば、特定の品目の価値が上昇しても取引価額は安定しています。仕入れなどは円高という条件でなら廉いドルがいつでも手に入ります。このような経済環境そのものを活用すれば、通貨の価値を相互に振り替えることができるようになるでしょう。その後は波となって現れる通貨価値の変動幅を利用し、需要と供給のタイミングで生じるポイントを見計らってゆけばよいことです。
将来のインフレに備えるなら、日本は現物経済の基礎をできるだけ早く固めておくべきなのです。現物は貨幣価値が減少しても、また為替市場による通貨価値の変動があったとしても、それ自身の本質的なモノとしての価値に変化が生じるということはありません。その基礎となる土台を建設した上で、貨幣経済という上屋を建てることが最も必要なことなのです。インフレ時に日本の通貨価値を裏付けることになる金の保有率は、現時点で僅か全体の2.3%でしかありません。アメリカの十分の一にも満たない量なのです。この日本経済の土台となる部分の脆弱性が懸念されてなりません。なぜこれほど低い金の保有率に甘んじていられるのかが、なによりも不可解です。
価値というのは売り手と買い手の相対的な関係で決まるという性質をもっています。供給量に制限があるとそれが希少価値を生むため、プレミアムがつくこともあるでしょう。デフレのこの状態がいつまでも続くようなことはありません。デフレメリットを活かすなら、大胆な資金戦略を実施するべきです。経済にはさまざまな周期性という特徴があるのです。国内の不動産価格の推移には、動意づく地域が増えていることが窺えるようになりました。未曾有の円高で日本に投入されていた資本の多くが不動産へと投資されていたようです。ドルの価値を保つための措置でした。円が必要だったという訳ではありません。日本はバブル崩壊後の不況で既に喘いでいたのです。日本は大量の円売りで応じ、大量のドルを買ってそれを米国債としたのでした。売られた円で日本の国債が買われたという事実はありません。外資となった円の殆どが日本で不動産と株式または企業買収などのために使われた模様です。
ドルがユーロの誕生でEU圏で余り、その大部分が一気に日本へと流れ込んできたことがありました。その結果たちまち80円台の最高値をつけるところまで急上昇したのでした。95年4月のことです。(この年の12月にはEUが1999年の元日に正式に仮発足することが決まっています。未確認の情報に市場が反応するタイミングは、その実現から半年程度遡ったあたりが最も確率が高いという経験知が存在します。それまでに一定のデータが集まっていれば、最も有利なタイミングを選ぶことができるからです。情報が漏れ出すと商機を逸して利益を十分に確保することができません)
日銀は公定歩合を引きずられるようにして次々と引き下げたのでしたが、効果はまったくありませんでした。金利差の縮小を嫌忌した円売りは結果として発生しなかったのです。つまり政策金利の変更は完全に的を外していたのでした。金利を引き下げても、また引き下げなくても円高という結果はやってきたのです。緊急の金融緩和策はその後すぐ限界領域にまで達し、その状態が今も尚続いています。一旦基底状態にまで下がった円の金利を少しでも上げたら円が買われ易くなるため、最低のレベルのままで膠着した状態を続けることになったのです。日銀が判断を誤ったためにこのような結果が生まれてしまったのでした。日本の金利を上げたいのなら、赤字国債を更に増発するという方法が残されています。インフレ誘導策を現時点で導入すると、致命的な結果を招きかねません。金融引き締めで好結果がでる確率は、とても低いといわざるを得ないのです。
日本の今後の政策次第では、国際経済に大きな影響が及ぶことになるでしょう。日本は円安をいつでも実現することができる優位な立場にあるのです。日本政府が円という通貨の発行権を有している訳なのですから、所定の状態まで円安が実現してから通貨供給量を絞ればそれでよいのです。これは現在の機軸通貨を発行しているアメリカの立場に準ずる潜在的な地位に日本が到達した、ということを示しています。金の裏づけがあれば、そんなことが実際に可能になるのです。現在のような低い金の保有率ではジリ貧になるのをただ待つだけです。問題の本質がみえていないと、対策をとるための判断そのものが醸成されません。
現在の長期的な円高と超低金利の持続更新という状態は、政策判断の誤りという単純な帰結であるということを伝えるメッセージになっていたのでした。この先日本が円安を円満に実現してゆくためには、円売りと同程度のドル買いとなる量の輸入を行う必要がでてきます。買ったドルをどう次の円安へと結びつけて良好な循環を築いてゆくか、という点が重要な変化の契機になるでしょう。物と資本の適切な循環が成り立っていれば、為替の動向が問題となるようなことはありません。この条件を充たさないでグローバライゼーションを押し進めようとしたために、国際経済ではデフレ基調が拡大して眠っていた軋轢を世界各地に呼び覚ますことになったのでした。日本が円高圧力の円滑な調整を行うことができるなら、世界に範を示すことに繋がってゆくはずです。
石油の価値が温室効果ガスとなって反転するのに比べて、貴金属類はどのように加工してもその元の基礎的な価値を保存することができます。現物などを実際に動かす必要はありません。所有権がデータとして移転するというだけのことなのです。場合によっては在外資産が凍結されてしまう可能性もゼロという訳ではありません。日本につくるべき新しい取引市場の基礎が固まるまでは、物質的価値を一旦日本国内へ物理的に帰属させておく必要はありそうです。(バーチャル市場で取引する場合には、保管場所がどこにあっても一定期間内にものの移動を終わらせることができます。決済方法を将来バーチャル通貨に変えるためには、一定量の現物を一定期間日本の資産としてもっている必要があるでしょう)
この困窮は政治が生み出した問題だった
日本の政府がアメリカに対して自国の正当な利益を主張することができない以上、それをできる環境を作り出さなければなりません。米国債を担保として現地調達したドルで金を購入すれば、為替相場に影響を及ぼすことなく資産を移し変えることができます。ドル資産を一旦金にかえて日本に価値を移転させ、金を中心とする各種の商品市場を国内に構築すれば、日本は世界のマーケットの一翼を担うことができるようになるでしょう。担保物件である米国債の保有比率は変わりませんので、債権そのものは名目ではあっても日本に帰属しています。円建てでの取引にするのがポイントです。円高ドル安が進みますが、円の供給量を制御することで安定した相場を築くことができるでしょう。
支払利息は輸入した現物の一部を売却するか、後日ドルが過剰流入した時に高くなった円で廉いドルを仕入れて返済すればよいことです。売買益と為替差益とを収益として同時計上することも不可能ではありません。関係各国は依然としてドルでの決済を希望するでしょうから、円売りドル買いを専門にする機関を国内に設置して、国際的な各種条件の変動などに対応させるように配慮します。輸出と輸入との間にある落差が狭まってくれば、為替は一定のレンジで安定的に推移するようになるでしょう。円の供給に制約はありません。需要がある限り供給することができるのです。これは円が機軸通貨に「準じる」位置に到達したことを示す証拠です。難しいことは何もありません。価値の上った円を有効に使うための工夫をするだけで、このような新市場を日本国内に構築することができるようになるのです。
この方法でドル安を導き、借り入れたドルを返済することができるはずです。輸出に偏っていた産業構造を改め、日本でしか手に入らない優れたものを生産することを目指すべきでしょう。最も重要な点は円で決済する市場であるため、企業側に為替差損が発生しなくなるということなのです。大事なことは取引で得た収益を独占しない、ということです。買い手側の購買力を養成しながら市場を育てていかなければなりません。このように配慮することで市場の裾野を広げ、購買力の裏づけのある消費意欲の涵養を図り、生産と消費の円滑な循環を成り立たせるようにするべきだと考えています。日本に金を集約して再分配するための中継基地にしようというこの試みのことを、ジパングプランと呼びます。日本を名実共に黄金の島にするという計画を実現しようという計画です。富をバランスよく中継するだけですから、独占することにはなりません。日本にしかできない分野を開拓すれば、信じられないようなことがおこるでしょう。
金だけにとどまらず世界が必要とする付加価値の高い商品などを、日本の市場からでなければ手に入らないようにするというのがポイントです。日本にはエネルギー資源が絶対的に欠けているのです。日本がもっている資産の一部で、地下資源を安定した状態のまま確保することができるようにしておかなければなりません。円で決済することが認知され実際にそれが可能な状態になると、円高はおそらくそこで極まることになるでしょう。極まった円高を抑制するには、円を売るという方向の単純な制御方法だけでよくなっているはずだからです。
利益率の低い輸出産業などは事前に中国などの生産基地に資本財ともども移動させ、獲得したドルで一旦現物に換えた後に日本の商品市場で換金できる状態にすればよいでしょう。(人民元はドルにフィックスされた状態で運用されています)円安にするのは円高にするより以上に日本にとっては簡単なことなのです。紙幣の印刷能力にのみ依存することだからです。円高を望むのなら、大量にある在外のドル資産を適切に売却すればそれで済む話です。国債を売られて困るのはアメリカだけなのです。日本一国だけで今後の国際経済に対応しようとしてはいけません。近隣の諸地域と互いの利益を共有しあう、という姿勢をもつことがこれからの地球規模の経済にとってとりわけ重要な要素になるでしょう。
生産と仕入れ販売等は当初ドルで行い、利益は現物に託して円で回収するという手法です。日本に現物の取引市場が生まれると、円が商品などの決済通貨になるだろうと思われます。日本でなければ手に入らないものであれば、需要者は円という日本の通貨を買わざるを得ません。世界は円をより多く確保するようにシフトしてゆくことでしょう。日本の国債も売れるようになるのではないでしょうか。この段階がおそらく円高のピークになりそうです。少ない円で多量のドルを調達できるようになっているはずです。この安くなったドルで世界中からさまざまな商品や貴金属を購入し、日本の市場で国際的な取引を成立させることで、日本の経済を改めて発展させることができるようになるはずです。日本は円の供給元であり続け、必要なドルがあれば高くなった円でいくらでも有利な条件で外貨を調達することができるようになるでしょう。
輸出依存型から輸出入平衡型へと早くシフトしなければなりません。この状態が通貨と物のバランスを統一的に制御できるステージです。(将来は実際の円と仮想の新通貨とを使い分けることになるでしょう)
2005/09/06
Rev.2005/09/25