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北海道へは列車がいい。
トンネルができて、少し味気なくなったけど。
はじからはじまで、見られるしなあ。
そう思ったのは、こんな文章を読んだから。
つたない文章だけど、北へ旅行したくなったなあ。
「北斗星」
ごおぉー、と、雪煙を上げながら走る列車。
どこまでも見えそうなくらい透明な空。
おひさまよりも、まぶしい地面。
窓外の景色を見ながらのビールはとてもおいしい。
長いトンネルを抜けて、方向を変えて走りだした列車は、とても暖かい。
山は見えない。
どこまでも平べったい地面が続く。
ところどころに木が、寒さに耐えるように生きている。
ぽつぽつと見える家も、寒さをしのごうと丸くなっているようだ。
列車には、たったひとり。
車掌も運転士もいないように思えてしまう。
それくらい静かで、たばこの、ほのかな香りが、妙に懐かしい。
どこへ向かって飛んでいるのか、鳥が一羽、空を舞う。
レールの上の列車は、確実に終着点を目指して走っている。
「べんとーにー、おちゃー」
おや?、弁当を売っているのか?
誰もいないこの列車で、暇だろうなあ。
はらも空いたし、買ってみるか。
見ると、おばあちゃんのような、売り子さん。
「弁当と、お茶、下さい」
「はい、全部で千円ね」
地面も鏡だと、言葉も鏡になってしまうのかなあ。
いつから売っているのですか、なんて、とても聞けなかった。
ワゴンを押す背中が、少し丸く見えた。
弁当は、暖かだった。お茶は、少し冷めていた。
窓に息を吹き掛けて、文字を書く。
ぼんやりと時が過ぎていく。
このまま、列車が走り続けると、いいのにね。
読みながら、こっちもビールが飲みたくなってきた。
コンビニまで、走っていかないといけないなあ。
いっそ、列車に乗ろうか、でも、明日は会社だしなあと、困りながら、
東京の狭い空を眺めていた。
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