かきました
わたしの書いたものがたりです

 そろそろまわりの景色が白一色になろうとしている頃のお話です。
 ある森に子供のくまがいました。
 このこぐまは、ひとりぽっちでした。
 食べ物を探しに行った母親が、猟師に撃たれて捕まって
しまったからです。
 でも、そんなことはこぐまは知りませんでした。
 きっと食べ物を持って帰ってくると、こぐまは信じていましたので、
じっと家の中で母親の帰りを待っていました。
 でも、何日待っても母親は帰ってきませんでした。

 空から白い粒が舞い降り始めた頃。
 こぐまの寂しさはつのるばかりでした。
 少しでも物音がすると、起き上がってあたりを見回してから、
がっかりする日々が続きました。
 いつもなら母親に抱かれて、暖かいぬくもりの中で眠っていたのに、
いまでは寒さのせいもあって、星空を見上げては泣きじゃくってしまう、
眠れない夜を過ごしていました。

 そんなある日のこと。
 こぐまは、窓から月がきれいな夜空に浮かぶ雲を
ぼんやりとながめていました。
 青白い空にふわふわ流れる雲は、母親のようにとても
暖かそうに見えました。
 「あったかそうだなあ」
 こぐまがそうつぶやいた時です。
 「お空の布団をあげるわ」
という声とともに、北の空から雲が流れこんできて、
こぐまを包み込みました。
 布団の感触は、なつかしい母親の肌触りです。
 「うわー、あったかいー」
 こぐまは、雲の布団に抱きかかえられるようにして、
すやすやと眠りました。

 全てのものが白一色になった頃。
 子供たちは、白い息を吐きながら、透き通るような夜空を
観察していました。
 ひときわ光り輝く親子のくまに見とれながら・・・。


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