にゃんこ@宗次郎様から頂いた絵に、物語をつけてみました。 ありがとうございます、にゃんこ@宗次郎様(^-^)
少女は、仮店舗で働きながら、ふと壊される前のお店を思い出していました。
牛鍋の香りと、にぎやかな雰囲気。
忙しいけれど、陽気なお客を見ると感じた楽しさ。
そして・・・
ときどき逢いに来てくれた少年のやさしさ。
少年のことを考えると、少女は、寂しくなりました。
「強い心で、頑張らないと・・・」
少女は、眠る時間も惜しんで働きました。
お昼過ぎ。
お店が空いた時間に、お客がひとり、ふらりと入ってきました。
「いらっしゃいませ・・・」
少女は、お客の姿を見た瞬間、おぼんを落としてしまいました。
「あれ? お店、変わったの?・・・でも、雰囲気は同じですね」
少年は、にこっと笑いながら言いました。
「そう言ってもらえると・・・」
おぼんを拾って、にこやかに答えようとする少女の目から、涙がこぼれました。
「どうしたの?」
「・・・うれしくて・・・」
少女の涙は止まりません。
「ここに座って、お話しようね」
少年は、横に少女を座らせました。
少女は、泣きじゃくりながら話し始めました。
大好きだったお店が壊されて、悲しいこと。
お店の雰囲気を盛り上げようと、がんばっていること。
「でも、がんばっても、がんばっても、寂しくて・・・」
「どうして?」
「・・・あなたにお逢いできなかったから・・・でも、逢えて・・・」
そう言いかけると、少女は、気を失ってしまいました。
「あ・・・ね、ね、だいじょうぶ?」
少年は、少女を抱きかかえると、そっと自分のひざに少女を寝かせました。
「ん・・・」
「よく眠れた?」
少女は、ぼんやりと少年の顔を見つめています。
「・・・あ、あの」
夕ご飯の時間で、お店の中は、にぎやかです。
「きゃあ、お仕事に戻らないと・・・」
あわてて起き上がった少女の手を取ると、少年は言いました。
「ちょっとお願いがあるんだけど」
「・・・はい?」
「きょうから、ぼくもここで働いていいかなあ」
「え?」
「自分なりに見い出した答えだから、あなたは・・・」
「・・・は、はい」
少年の言葉に、少女は、また涙ぐみました。
次の日の朝。
お店の娘は、ふたりに言いました。
「がんばって仕事してね」
「はい」
ふたりは、元気よく返事すると、にこっと笑いました。