よみました
わたしの読んだものがたりの感想です

「初雪のふる日」
安房直子 作/こみね ゆら 絵


 この本は、安房さん独特の影と怖さ、場面展開の見事さを
存分に楽しめる本です。
 小さな女の子は、道に石けりの輪を見つけて、ついつい
遊び始めてしまいます。
 ところが、これがどこまで行っても終わらない上に、
いつか話で聞いた、冬を告げるうさぎの石けりの輪で
あることに気づいてからは、怖さで、なかなか教わった
石けりの輪から抜けるおまじないを唱えることができません。
 前にもうさぎ、後ろにもうさぎ、止まることの許されない
石けりの輪の行列で、どうなるのだろうかと思っていると、
すぱっと場面転換するような何かを女の子は見つけます。
 そこからは、急に明るい物語に変わってしまいます。
 こみねさんの絵は、遠景が多いのですが、どこかで
見たことあるような、懐かしい日本の風景で、物語の
怖さがあまりないだけに、かえって安房さんの怖さが
ひしひしと伝わってきます。
 石けりの輪を抜けてからは、さらりと物語を終えてしまう
あたりも、安房さんらしい感じで、隠れた名作です。


ものがたりのページに戻ります

ホームページに戻ります