よみました
わたしの読んだものがたりの感想です

「春のオルガン」
湯本香樹実/文


 2冊本を読んで湯本香樹実さんがますます気に入ってしまったので
処女作の次の作品を買って読みました。
 この物語は、ある意味でとても現実的、ある意味でとても非現実的な
事象がこんがらがるようにして進んで行きます。
 小さいときの視点って、こんな感じだったのかもと思えるような
物語になっていて、おもしろいながらもどこか寂しさがあります。
 トモミとテツという姉弟が主人公なのですが、ふたりを取り巻く
登場人物が何とも味のある、その辺にいそうな人ばかりです。
 ですが設定は、どういうわけかありそうでなさそうな設定で、特に
捨てられたバスというのは、そうそうお目にかかれません。
 オルガンは、変な音が出たり鳴らなかったりですが、オルガンの
音こそが、この物語の流れを作り出しているような気がします。
 結局オルガンは直らないのですが、別の意味で何かを直したような
感じがしています。
 「夏の庭」ほどのすごさは感じられませんが、かえって静かな
雰囲気が、春の季節を見事に描いている傑作だと思います。
 卵うどんは、好きですね。
 


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