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「夏の庭 -The Friends- 」
湯本香樹実/文
「西日の町」で湯本香樹実さんという作家を気に入ったので
処女作である表題作を買って読みました。
おそるべき筆力もさることながら、情景の表現力、設定の
生かし方、人間の生と営みと死、人間の友情などなど、
さまざまな現実の世界をここまであざやかに、それでいて
あっさりと、でも軽くない感じで描いた物語には驚かされました。
物語は、小学生の三人の友達のうち、ひとりのおばあさんが
亡くなるところから始まり、そのうちに一人暮らしをしている
おじいさんが亡くなるところを見てみたいという、奇妙な、
でも起き得るであろう好奇心から走り出します。
最初は、ただおじいさんを眺めているだけだったのが、
あるきっかけで、どんどんと近づいて、ある意味では、血より
濃い何かを三人の友達は掴み取ります。
軽そうに読めて、情景が浮かんでくる筆力はすごいもので、
一気に読むのは難しいと思います。
噛みしめて、物語の中に出てくる誰かになった気持ちで
読むといいかと思います。
「西日の町」も傑作だと思いましたが、こちらは傑作どころか
一度は読んだほうがいい物語だと言い切れるぐらい、すてきな
物語です。
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