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「シノダ! 樹のことばと石の封印」
富安陽子・作/大庭賢哉・絵
前作の「シノダ! チビ竜と魔法の実」より、冒険色が
強いですが、このシリーズは、もしかすると富安陽子さんの
代表作になるのではないかと思えるくらい、おもしろくて、
すてきな物語です。
ほんのちょっとだけ変わっているけれど、ごくごく身近に
いそうな家族の、お姉ちゃんと弟と妹(=これは三姉妹?)が、
なにげないことから始まってしまう、15分間の冒険を描いた
ものがたりです。
冒険の舞台は、これもまた、どこの山でもいいような感じで、
これといった特徴がありません、もっと言えば、山の神さまとして
祭られている対象も、樹と石です。
しかしながら、冒険の舞台に潜んでいる大きな人たちのわがままと、
三姉妹のおじさんの、ちょっとしたいたずら(?)で、ものがたりは、
がらりと色を変えて、ここがポイントなのですが、三姉妹を冒険に
引きずり込んでしまいます。
そう、三姉妹は好んで冒険したわけではないのです。
潜ませた設定を最大限に生かして、三姉妹や大きな人たちの
それぞれの気持ちの揺れ動き、言葉の持つ力など、さまざまな
ものを見せてくれます。
最後の場面では、名前に重大な意味があることを教えてくれる
ものがたりかも知れないとも思いました。
「名前っていうのは、世の中でいちばん最初の、
いちばん短い"呪文"なのよ」(本文から引用しました)
この文章は、かなりわたしの心に、いろんなものを落としました。
と同時に、言いようのない気持ちにさせてくれました。
この文章も含めて、全体的に、いろいろな捉え方が出来ますが、
わたしにとっては、個人的にですけど、久しぶりに傑作を読んだ、
すばらしいものがたりを読んだなあと感じました。
大好きで、大切にしたい本です。
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