|
「竜の巣」
富安陽子・作/小松良佳・絵
小細工の無い、いかにも童話的な物語です。
回想形式で物語は進みますが、いまあればおもしろいのにと
思わせるだけの、懐かしさめいたものと楽しさがあります。
えてして懐かしさを前面に出しすぎると、読んでいて
実感がわかなくて、おもしろさがなくなるのですが、この本は、
できるだけ懐かしさを出さないように、でも雰囲気だけは、
うっすらと残すように描かれていると思います。
小松良佳さんの絵は、どちらかといえば、やや昔を意識した
感じになっていますが、物語にきれいに合っていると思います。
言葉遊びのような要素を持っていて、もしかしたらと、
先が読めてしまう感じは否めませんが、それを補うだけの
臨場感があります。
どちらかというと、自分で読むより、誰かに読んでもらって
聞きたい本だなあという印象を受けました。
|