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「家守綺譚」
梨木香歩・作
この物語は、梨木香歩さんの作風や筆力が思う存分、
発揮されていて、読み応えがあります。
「ほんの百年ほどすこしまえ」の物語のはずなのに、
忘れてしまったというか、あまりにも知らないことが
多いことを、思い知らされる気分にさせてくれます。
物語そのものは、植物の題名を持った短編の形式ですが、
これらの短編は、あるひとつのまとまりを持っています。
おそらくは、細かな設定を張り巡らせているのではないかと
思うのですが、あまり考えなくても十分に考えさせてくれる
物語のような気がします。
口語体ですが、明らかに文語体を意識した文章、それでいて
梨木さん独特のやわらかな表現が、ぴたっと合って、読めない
漢字があっても、読ませてしまうだけの力強さがあります。
読み手の取りようによって、物語の性質が変わるという面は
あるものの、個人的には上品な童話だと思いました。
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