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「ゆうすげ村の小さな旅館」
茂市久美子・作/菊池恭子・絵
この物語は、茂市久美子さんの目から見た一年と
考えていいのかどうか分かりませんが、一年を通しての
季節や景色の移ろいや、さまざまな生き物たちの動きを
ふんわりと、やわらかな色調で描いています。
主人公は、旅館を営んでいる、つぼみさんという、
年を取ったおかみさんなのですが、読み進むにつれて、
「こわい」という感情が無いのではと思えるくらい、
いろいろな生き物たちに、接しているさまを見ていると、
とても年を取っているとは思えない印象を抱きました。
菊池恭子さんの絵は、こういう物語には、ぴったりで、
情景を見事に描いていて、あれこれ想像できて楽しくて、
「霜の精」は、音が聞こえてきそうなくらい、ぴったり
合っていると思います。
さまざまな季節に出てくる生き物たちの物語には、
それとなく昔話の伏線があったりして、別の意味でも
おもしろい作りになっています。
ほっとするようでいて、ちょっとわくわくする、
とても楽しい物語だと思いました。
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