|
「春はもうすぐ」
瀬尾七重/作・ふりやかよこ/絵
いかにも瀬尾七重さんらしい、のびやかな物語です。
「童話」というのを意識させないというか、ほとんど
ひねりのない設定なのですが、どこか暖かい感じのする
物語で、読んでいて、ほっとするものがあります。
ふりやかよこさん(漢字で書くと降矢加代子さん)の
絵も、淡い、暖かい感じで、とてもいいです。
「童話」の部分にひねりがない分、現実的な書き込み、
特に登場人物の描写はかなり考えられていて、それが
この物語を支えているのだろうと思います。
リコーダーが出てくるのですが、これを縦笛と書いて
しまうと、やや重たくなるような気がしたので、これは
これで上手だなあと感心しました。
もしかすると、この物語の主人公は、しおりちゃんでもなく、
シジュウカラでもなく、おばあちゃんとおにいちゃんなのかも
しれないと思えるくらい、すてきな場面に出会えます。
どこか暖かくて、どこか懐かしくて、どこか考えて
しまうような物語のような感想を抱きました。
|