「命の洗濯を」
「ふう、いいお湯ね」
露天風呂につかりながら、作戦部の女と、灼熱の中での任務を終えた少女は、
何事か話しながら、くつろいでいます。
その光景を見ながら、器材を下ろして、一息つく娘。
「露天風呂なのに、大胆だなあ」
娘は、明るいうちから外でくつろいでいるふたりに、ちょっと驚きながら、
任務報告のメールを打ち込むと、部屋にある内風呂で、シャワーを浴びました。
日が暮れはじめたころ。
作戦部の女の部屋では、任務遂行をねぎらう内輪の宴会が始まっていました。
「さあ、きょうだけはいくら飲んでもいいからね」
浴衣姿の女は、ビールの栓を抜くと、こちらも浴衣に着替えた少女と娘に注ぎ
始めました。
「ちょっと、あたし、まだ飲めないわよ」
「いいの、気分、気分」
ビールを注ぎ終わったと同時に、乾杯の声。
グラスがかちゃんと音を立てたかと思うと、女はすでにビールを手酌で
注いでいます。
「うわー」
「はやいですね」
「おいしいー、やっぱビールはこうでなくちゃ」
湯上がりでのどが渇いているせいもあるでしょうけれど、かなりのペースで女は
ビールを次から次へと空けていきます。
少女と娘は、黙々と料理を食べています。
すると、女はビールの栓を抜きながら言いました。
「飲まなきゃだめよお」
娘は、ちょっと困ったなあと思いましたが、少女にビールを飲ませるわけにも
いかないので、言われるままにビールを飲みはじめました。
宿にあるビールの半分以上を飲んだでしょうか・・・
まだ宴会は続いていました。
娘は、長引きそうな感じがしたので、酔いを覚ましたくなりました。
「ちょっと酔いを覚ましてきますね」
そう言って立ち上がると、露天風呂へ行きました。
「いい気分・・・心が洗われるようだわ」
夜空を見上げながら、お湯のなかでくつろいでいる娘。
ふわあっと吹いてくる風が、髪をなでています。
娘は、桶の中から缶ビールを取り出しました。
「1回やってみたかったのよね」
お湯につかりながら、プルタブを開けると、ビールを飲みました。
「冷たいー」
でも、飲んだ後に、娘はのぼせてきました。
いけないと思いながら、お風呂から出ました。
風が涼しく感じられます。
娘は、はりつめていた緊張感が取れてしまったのでしょうか、その場で眠って
しまいました。
同じころ。
お風呂に入り直すために、女と少女は、露天風呂にやってきました。
横になっている娘を見ると、あわてて女と少女は、娘のところへ駆け寄りました。
「のぼせちゃっているみたいね、もうしょうがないんだから」
ほっとした女と少女は、顔を見合わせました。
「ゆっくりと身体、冷やしてあげないと・・・いいわね」
「わかってるわ」
夜の闇が深く、あたりを包んでいます。
娘は、けだるい感じで目を覚ましました。
「どう、全てが洗われた気分は?」
「んー、だいじょうぶです・・・えっ?」
瞬間的に正気に戻った娘は、まっかになりながら、更衣室へと走り出しました。
その後ろ姿を見届けると、女と少女は、顔を見合わせながら、同時に、ふふっと
笑いました。
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