「少年の見たものは・・・」



  「ふわぁ、さすがに夜勤明けは眠いわね」
  眠い目をこすりながら家に帰ろうとしている娘に声をかけてくる人がいました。
  「おつかれさま〜」
  「あ、おつかれさまです、夜勤明けですか」
  「まあね、回答文書を作っていたらね」
  「大変ですね、作戦部も」
  「仕方ないわよ、最近ハデな戦闘が多いから」
  苦笑いをしながら、作戦部の女は言いました。
  「ね、これから家で一杯やらない?  仕事の後のビールはおいしいわよ」
  「でも、まだ制服のままですし・・・」
  「ひとりで飲んでもおもしろくないし、ね、ちょっとだけ」
  「それもそうですね、ちょっとだけなら」
  ふたりは車に乗り込むと、女のマンションへと向かいました。

  「ビール、飲むでしょ?」
  部屋に入るやいなや、女は冷蔵庫を開けました。
  中はビールだらけの冷蔵庫に、娘はびっくりしました。
  「すごい量のビールですね」
  「え?  そうかしら」
  笑いながら女は、ビールを取り出すと娘に渡しました。
  「はい、ビール」
  プシュッと開けてから、乾杯の鈍い音。
  「おいしいですね」
  娘が一口飲む間に、女は次の缶ビールを開けています。
  「早いですね」
  「ビール、好きなもので・・・どう、もうひとつ」
  「あ、でも、まだ飲んでいるから・・・」
  「あったまっちゃうから、きゅううっと空けないと・・・」
  そう言われた娘は、仕方なく、残りを飲み干しました。
  「さすがね、はい、どうぞ」
  ビールを手渡されて、娘は、プルタブを開けました。
  いつのまにか娘は、女の飲むペースに、はまっていました。

  「んー、おいしかったわ」
  ひとしきり缶ビールを飲んで、女は満足そうに言いました。
  「あれ?  静かだと思ったら、眠っちゃったの?」
  娘は、テーブルに伏して、すやすや寝息をたてています。
  「もう、制服のままで・・・ちゃんと眠らないと、疲れ、取れないわよ」
  女は、娘をゆすってみましたが、熟睡しているようで、娘は起きる気配が
ありません。
  仕方ないわねという感じで、女は立ちあがると、娘をひょいと抱き上げ、
自分の部屋へと消えていきました。

  「あのぉ、ごはんはぁ?」
  目をこすりながら同居している少年が、女の部屋に入ったとたん、顔を真っ赤に
して自分の部屋へと逃げ込みました。
  「う、うわああ・・・」
  ベッドにもぐりこんだ少年は、胸の高まりを抑え切れませんでした。

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