「潔癖症」



  昼ご飯の時間。
  娘は、先輩といっしょに食堂へ行きました。
  「きょうは、わたしがおごるわ」
  「うれしい、なににしようかしら」
  食券販売機の前で、娘はチャーハンにしようか、ラーメンにしようか、決めかねて
いました。
  とても悩んでいる娘の姿を見て、先輩は、
  「ラーメン定食でいいわよね?」
と言うと、ラーメンとミニサイズチャーハンの組み合わせである、「ラーメン定食」の
食券を買おうとしています。
  その瞬間、娘は、思わず先輩に言いました。
  「ラーメン定食ですか・・・先輩のおごりですけれど、わたしはあまり・・・」
  「あまり食べたくないのは分かるわ、しかしラーメンにチャーハンは必要なのよ、
    おなかが一杯になるにはね・・・」
  「・・・先輩を尊敬していますし、おごっていただくのははとてもうれしいです。
    でも、納得はできません」
  そう言うと、娘は、ラーメンの食券を買いました。
  先輩は、ラーメン定食の食券ボタンを押しながら、娘に言いました。
  「潔癖症はね、つらいわよ、おなか一杯になるのが・・・、午後の勤務に入って、
    夕ご飯が待ち遠しいと感じたときに分かるわ、それが・・・」
  娘は表情を曇らせながら、それでも先輩といっしょに食事しました。

  午後3時過ぎ。
  コーヒーを飲んでいる先輩。
  娘は、おやつのポテチを食べながら、昼間のことを思い出してました。
  「おやつは、おやつとして食べなくちゃいけないのに・・・」
  食べ終えたポテチの袋を、ごみ箱に捨てると、娘は仕事を始めました。

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