「裏コードは・・・」



  スーパーコンピュータに逆ハックを仕掛けて、正常な動作に戻すために、
娘は端末を抱えて、コンピュータ本体の横に座りました。
  ちょっと中を覗き込んだ娘は、思わず叫んでしまいました。
  「うわー、これ裏コードですね、きゃああ、こんなの見ちゃっていいのかしら」
  ぺたぺたと貼られたメモには、裏コードがぎっしりと書き込まれています。
  「これなんか、intのcだわ、これなら・・・」
  「そうね」
  にこっと笑う先輩。
  娘は、端末にコードを接続すると、電源を入れてソフトを立ち上げました。
  「まだかしら・・・」
  どきどきしながら端末をたたいていると、やがて応答がありました。

  先輩:こんにちは
  娘:こんにちは、先輩
  先輩:中は結構複雑よ、それに暑いわ
  娘:大変ですね、でもサウナだと思えば(笑)
  先輩:ちょっと待ってね、作戦部のお方をごまかすから
  娘:はーい
  
  「まだかしら・・・」
  娘は、ふと晩ご飯をどこで食べようかと考えました。

  娘:晩ご飯、久しぶりに中華がいいですね
  先輩:ただいま
  娘:おかえりなさい。あの晩ご飯のことですが・・・
  先輩:あ、それなら基地の裏においしいイタ飯屋さんができたの
  娘:そうなのですか?
  先輩:おいしいわよ、それに安いしね(笑)
  娘:じゃあ、晩ご飯はそこですね
  先輩:ちょっと遅くなるけれどいいかしら?
  娘:先輩だったら、いつまでも待ちます(^^)
  先輩:それはうれしいわ(^^)

  「ハッキング始まりました!」
  その報告を受けて、作戦部のお方は、缶ビールを飲み干すと言いました。
  「間に合うの?」
  「だいじょうぶ、まだ一秒あるわ」

  先輩:それじゃあ、晩ご飯はイタ飯屋さんで、あとはいつものワンショットね

  画面に表示されると同時に、先輩の声。
  「いい?」
  「はい」
  娘は、OKと入力して、リターンキーを押すと、ソフトを終了させました。
  その途端、スーパーコンピュータは、正常な動作に戻りました。
  「やったあ」
  端末を抱きかかえてよろこぶ娘。
  「さっすがね」
  そう言うと、作戦部のお方は、コーヒーを入れに行きました。
  先輩は、娘に先にお店に行っているように言うと、ログの整理を始めました。

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