「ここのつ」
しょうじょは、ここのつでした。
とにかく、まわりじゅうの、もの、すべてが、まとわりつくような、
なにも、ふれてこないような、ふしぎな、ばしょでした。
じめんもなければ、そらもないようで、いっしょうけいめい、てを
のばしても、それが、うえをむいているのか、よこになっているのかも、
わからなかったり。
まぶしすぎて、おもわず、めを、とじてから、そっと、めを、あけて
みると、まっくらに、みえたり。
みみに、まとわりつくような、おと、また、おとと、たえまのない
うねりのなかで、ふときづくと、きりのなかにいるようで、なにも
きこえなかったり。
うごくものも、うごかないものも、けむりを、ふいているかのような
どんよりとした、くうきのなかを、すこし、あるいてみると、じぶんの
かおりさえも、なくなってしまったり。
くちに、ふくんだものが、くるおしいほど、おどったかとおもうと、
ふいに、きえてしまったり。
それでも、しょうじょは、まっしろなまま、おおきくなりました。
いまは、すなおで、じゅんしんで、いっしょうけんめいで、まっすぐで、
やさしくて、しょうじきな、じょせいに、なっています。
しあわせが、くるといいですね。
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