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デキシーズが影響を受けたバンド/アーティストたち

Cliff Bennett & The Rebel Rousers



ケヴィン・ローランドの音楽性が形成されるうえで大きな影響があったアーティストと言えば、"Jackie Wilson Said"の作者Van Morrisonや、そのものずばり"Geno"という献歌まで唄われているGeno Washington、歌の中に名前が出てくるKinks、更にスタックス所属R&Bミュージシャン等々を思い浮かべる人が多いと思います。

それぞれ興味のあるアーティストなんですが、ここではまず第一に、不遇な60年代イギリスのビート・グループ、Cliff Bennett & The Rebel Rousersを取り上げます。

60年代ブリティッシュバンド特集があっても、まず名前の出てこないようなバンドですが、非常にケビンのキャラクターにだぶって見えるような個性を持っています。ケビン・ローランドを好きなら、きっと好きになれると思いますので、ひとつおつき合い下さい。

なお、現在入手できる彼らのCDは、
The Best Of The EMI Years (EMI 0777 7 99436 2 3) (後述)
Cliff Bennett & The Rebel Rousers (EMI 7243 8 56576 2 7) (後述)
の二枚があります。以前はEdselからアナログ盤がリイシューされてました。


1.ケヴィンからの言及
1stアルバムの日本盤ライナーの中で、どういう音楽が好きだったか、という問いに答えて、スタックス系のオーティス・レディング、アレサ・フランクリン、ウィルソン・ピケット等とともに、この売れてないバンド、クリフ・ベネット&ザ・レベル・ラウザースの名前を挙げています。

今、手元に現物を持っていないため、正確な記述を載せられませんが、もしお持ちなら確かめてみて下さい。他のビッグ・ネーム達と同格にクリフ・ベネットのことを言うのですから、かなり愛着があるんだと思われます。


2.デキシーズによるカバー
シングルまたは編集盤に収録されている、"One Way Love"。これは、クリフ・ベネットの最初のヒット曲です。64年にイギリスで7位を記録。作曲者クレジットは、Russell-Meadeとなっており、オリジナルはDrifters。ボーカルスタイル、アレンジともに、デキシーズ・バージョンはクリフ・ベネットのバージョンにそっくりです。


3.音楽性
クリフ・ベネットはソングライティングは不得意です。まず、個性の強いシンガーであって、アメリカのR&Bが得意のレパートリーでした。60年代前半当時の他のイギリスのバンドとレパートリーは重なりますが、割にカーティス・メイフィールドを好んでカバーしてるのが特徴と言えるかも知れません。他には、Ray Charles、Marvin Gaye、John Lee Hooker、Bobby Blandなどを好んでいたようです。

ボーカルスタイルは、ケビン同様かなりアクが強いです。ソウルフルですが、黒人に近いわけではないのですね。ややエルヴィスふうに声色を用い、のぼせあがったような高いシャウトを多用します。伸びのある声ですが、節回しに力をこめる時には、かすれたような艶めかしい声も使います。また、フレーズの末尾で素早いビブラートをかけます。ケビンの歌い方を思い出してもらえば、当たらずとも遠からず、です。

バンドは、やや多人数で、通常のドラム、ベース、ギターの他に、サックス、オルガンが入ります。ベネットは唄のみです。レコードでは、スタックスふうにエッジの効いたドラム、ブーブーうるさいサックス、オルガン、それにソリッド・ギターの単弦フレースが特徴的です。ベネットと張り合うような合いの手コーラスが入る曲もあります。 まあ、63年〜65年ならまだいいけど、66年に入ると断然古くさくなってしまうスタイルですね。


4.略歴
クリフ・ベネットの生年は、1940年6月。Sloughという地に生まれ、ロニー・ドネガン、スキッフル、トラッド・ジャズに出会って音楽に入れ込みます。同年生まれのジョン・レノンと似ていますね。
バンドは当初からサックス、ピアノ入りの6人編成。Duane Eddyの'58年のヒット"Rebel Rouser"から、バンド名を付けたとのことです。

2年後にはEMI(Parlophone)と契約を交わし、1961年6月にはジョー・ミークのプロデュースのもと、デビューシングル"You Got What I Like"が出ます。これは当時の同世代のビートバンドとしては、早いデビューですね。(ビートルズのデビューが62年の10月)
曲は、ジェリーリールイスのような、ピアノの目立つR&R。ボーカルの声色もジェリーリーふうです。しかし、この時代にはヒットせず、もっぱらライブ活動を続け、62年5月からはハンブルグのスタークラブにも6ケ月出演しています。

この時期、同じくスタークラブに出演していたビートルズのマネージャー、ブライアン・エプスタインからマネージメント契約を申し出られますが、ビートルズが成功してないのを見て、断ったそうです。しかし、64年に、ビートルズの前座として"Sanday Night At The Prince Of Wales"に出演した際、再度エプスタインからオファーを受け、今度はビートルズも大人気だったので、晴れて契約。エプスタインが、リバプール出身でないアーティストと契約したのは、彼らが最初だったとのことです。

そして、同年64年11月。初のヒット"One Way Love"が出ます。プロデューサーは、John Burgess。続いて翌65年2月に同じくDriftersのカバー"I'll Take You Home"をリリース。同年には充実した内容のアルバムも出ており、バンドのピーク時期と言えるでしょう。

アルバムのジャケットでは、チェックのスーツを着たバンドメンバーを従えたベネットが、カメラを見上げ、すかしたポーズを決めています。見るからにひねくれ者、強情っぱり、我が道を行く、というタイプの顔です。髪は、時流に反して七三分けをかき上げたような短髪。細い黒ネクタイと渋いグレーのスーツは着てるけど、両手はポケット。唇をひねって、「なんか文句でもあんのかいや、兄ちゃん」とでも言いたげな顔してます。(うー、好み!)

その後は、同門のよしみで66年に"Got To Get You Into My Life"、68年に"Back In the USSR"と、ビートルズのカバーを出しますが、活動は低迷。そもそも、ビートルズの曲は彼らに合わないですが、オリジナル曲をつくるバンドが増え、新しいロックの時代もやってきて、やむにやまれぬ選択だったんでしょう。 68年にはバンド名をCliff Bennett & His Bandと変えてますが、復活はなく、フェイドアウトしていったようです。


5.入手可能なCD

The Best Of The EMI Years '92 (EMI : 0777 7 99436 2 3)

  1. You've Got What You Like
  2. I'm In Love With You
  3. That's What I Said
  4. When I Get Paid
  5. Poor Joe
  6. Hurtin' Inside (Twist)
  7. Everybody Loves A Lover
  8. My Old Stand-by
  9. Love Is A Swinging Thing
  10. Got My Mojo Working
  11. Beautiful Dreamer
  12. One Way Love
  13. I'll Take You Home
  14. Something You Got
  15. It's All Right
  16. Three Rooms With Running Water
  17. You Can't Love 'em All
  18. Need Your Lovin' Tonight
  19. Got To Get You Into My Life
  20. Ain't Love Good Ain't Love Proud
  21. 6345-789
  22. I'm Not Tired
  23. C.C. Rider Blues
  24. I'll Take Good Care Of You
  25. Lonely Weelends
  26. Good Times
  27. Said I Weren't Gonna Tell Nobody
  28. I Take What I Want
  29. One More Heartache
  30. Back In The U.S.S.R.
  31. Red Bus

備考


Cliff Bennett & The Rebel Rousers '97 (EMI : 7243 8 56576 2 7810 0542)

  1. I Can't Stand It
  2. Sweet And Lovely
  3. Make Yourself At Home
  4. You've Really Got A Hold On Me
  5. Ain't That lovin' You Baby
  6. Sha La La
  7. One Way Love
  8. Steal Your Heart Away
  9. It's All Right
  10. Beautiful Dreamer
  11. Mercy Mercy
  12. Talking About My Baby
  13. The Oick-Up
備考
Cliff Bennett- Lead Vocal
Dave Wendells- Lead guitar, Bobby Thompson- Bass
Maurice Grooves, Sid Phillips- Saxophones
Roy Young- Piano & Organ, Mick Burt- Drums


6.結論
とにかく、どこかで見つけたら聴いてみてください!!


7.余談
略歴でも書いたとおり、クリフ・ベネットのバンドはビートルズと同じ時期に、ハンブルグのスタークラブで武者修行していました。同時期のビートルズの音は、テイチクから出ているライブ盤「レア・ライブ '62 完全版」で聴くことができますが、なんとその中にはクリフ・ベネット&レベル・ラウザースの演奏が紛れ込んでいます。(と、思います。)16曲目"Hully Gully"が、それです。

何のクレジットもないのですが、ビートルズでないことは間違いないでしょう。そもそもバンド編成が違ってます。 鋭角的なギターリフ、サックス、のぼせ上がるようなボーカルスタイル等々。クリフ・ベネットが無名なうえ、音質もよくないので、こういう指摘は見たことがありませんが、どうもクリフ・ベネットのように聞こえます。もし、両方の音源お持ちでしたら、是非聴き較べて感想を寄せて欲しいですね!

1999/7/27


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