〈ピークフローは重要!〉

●ピークフロー値の測定を続けよう!
(4.29/97)

 ピークフロー値について、ほとんどの喘息の方は知っていると思います。このピークフロー値の測定は喘息の治療上、非常に重要な役割を持っています。

《主なピークフローメーター》
ミニライト アセス


 そのことはリンクページで紹介している喘息の各専門ページで詳しく説明されています。それら各ページの内容をここで紹介しようかとも考えましたが、必要な人にはその専門ページにジャンプしてもらえばいいと考え、紹介はしていませんでした。
 しかしピークフロー値を毎日測定している人が少ないらしいことを最近になって知り、何らかの形でこの「Zensoku Web」でも取り上げるべきだと考えていました。折しも、リンクページで紹介している山形大学医学部附属病院薬剤部の小嶋文良氏から、ピークフロー値を測定することの大切さについてメールが送られてきました。
 私は発病して数年後からずっとピークフロー値を測定していますが、その重要性を認識してのことではありませんでした。最初のころは医師に言われたから、そして最近は習慣でやっているだけでした。今回、小嶋氏のメールを読んで、なぜピークフロー値が重要なのかよ〜くわかりました。この情報は多くの喘息の方が知っておくべきことだと思ったため、ここでそのメールの内容を紹介します。
 なお、メールには薬の処方日数等についての記述もありました。これは「喘息VOICE」で紹介した薬に関する疑問に対しての専門家の回答になっているので、これもここで合わせて紹介します。
 以下に紹介するのは小嶋氏のホームページのURLとE-mailアドレスです。ホームページはリンクページでも紹介していますが、定量噴霧吸入薬(MDI)についての内容が充実していて喘息の方には必見のページだと思うのでここでも紹介しておきます。小嶋氏は、このメールの内容や氏のホームページの内容についての問い合わせはもちろん、薬に関してのさまざまな質問にも応じてくださるそうです。

●E-mailマojimaf@med.id.yamagata-u.ac.jp

●URL(小嶋君のお家)マhttp://yuhpa.id.yamagata-u.ac.jp/ojima/ojima.html

●ピークフロー値の測定について
 喘息の治療に欠かせないのがピークフロー値の測定です。喘息を自己管理する上でも治療の効果を判定したり目標を決める上でも非常に重要です。
 「喘息VOICE」にも出てくるのですが、ある日、突然発作が起きたとか風邪をひくと具合が悪くなる方がいます。突然発作が起きるのは、それまでに相当悪くなっているからなのです。それが自覚症状として現れていなかっただけであり、発作が起きるまでにはたぶん1年以上の年月が経過しているはずです。この点がピークフローを測定しているとわかってきます。
 また、風邪をひくと具合が悪くなる方は喘息がよくなっていないのです。たまたま今発作のような症状が出ていないだけであり、気道の炎症が取れたわけではありません。自覚症状が出ない(発作やヒューヒューにならない)うちにその状況を把握できるようにし、きちんと対応できるようにするためにもピークフローは重要です。ぜひ測定するようにしてください。
 ちなみに、最も調子の悪い(ピークフロー値が低い)ことが多い朝と、日中もしくは夜の変動の割合も症状の把握に重要です。ピークフロー値のいいときと悪いときの差が20%以内(一般的な目安)であれば良好な状態と言えます。
 はじめての発作が起きる前からピークフローを測定している人はいませんが、入院した人は測定した経験があるのではないでしょうか。退院してから継続するのは非常に大変だとは思いますが、決して医師や薬剤師のためではありません。本人のためです。朝と日中の2回だけでも結構です。人間ですからできないこともありますので、ときに休むのはかまいません。とにかく測定を続けることです。
 なお、あまりピークフローについて熱心でない医師もいます。その場合、「喘息の専門医かな?」と疑ってもいいかもしれません。こんな過激なことを書くのは、喘息治療にとってピークフロー値の測定はそれほど重要だということを知っていただきたいからです。

●ピークフローによる自己管理の方法
〈グリーン・イエロー・レッドゾーンの意味と対応〉
[すべての方に当てはまるとは限りません。主治医に確認してください]

 自己ベストのピークフロー値を100%とし、80%以上であればグリーンゾーンになります。これは良好な状態です。50〜80%であれば、自覚症状は出ていなくとも少し調子が悪い状態のイエローゾーンになります。こうなると注意が必要で、無理はいけません。患者さんによっては何らかの対応が必要になります(ステロイドの吸入回数を増やすなど)。50%以下であればいつ発作が起きても不思議ではないレッドゾーンとなります。早めの対応が必要になります(人によってはステロイドの内服を指示されている場合もあります)
 目標はグリーンゾーンを維持することです。たまにイエローゾーンになってもレッドゾーンまで悪化しないような対応をすることが重要です。
 基本的な考え方はこれでよいのですが、注意しなければならない点があります。それは、自己ベストがほんとうに自己ベストの値かということです。また80%、50%といってもそれはあくまで一般的な目安であって、人によっては例えば80%以上だから安全とは必ずしも言えないことに注意してください。
 例えば完全によくなれば500のピークフロー値を出せる人がいるとします。しかし、その人が400を自己ベストだと思っていたとすると、実際は250以下がレッドゾーンになるのに200以下にならないとレッドゾーンと見なさなくなります。
 やはりこれらの目標値やイエローゾーン以下になったときの対応については、直接診てくださっている主治医に確認する必要があります。
 (注:この方法を実行している患者さんがあまりいないのが残念です。この方法はけっこう紹介されていて医師もよく知っているのですが、患者さんに間違いなく確実に理解してもらう必要があるため手間がかかり、なかなか実行できないようです)

●薬の処方日数について
 喘息は慢性疾患と見なされているので、内服薬は健康保健上、基本的には30日までの処方が認められています。ただし、これはあくまで症状が安定していて医師が28日ごとの通院でもかまわないと考えた場合です。症状が不安定で14日ごとに診察した方がよいと考えた場合は14日、もしくは7日くらいの処方になります。
 ただし、抗生物質については14日までの処方しか認められていません。びまん性汎災気管支炎にマクロライド系の抗生物質の少量長期投与が効果があるという話があり、喘息でもこの薬が処方されている場合があります。マクロライド系の抗生物質というと、当院ではアイロゾン、エリスロシン、リカマイシン、ルリッド、クラリシッド、クラリス等の薬があります。このような薬が処方されている場合、これらの抗生物質は健康保健上は14日までの処方しか認められていないので、症状が安定していても14日ごとの受診になることがあります(14日も飲んで効果がなければその抗生物質は無効であり、別の治療をしなければならないという考え方による)
 またステロイド剤を内服している場合、量によっては体の抵抗力が弱くなる(免疫力が弱くなる)ため、感染予防に抗生物質や抗菌剤が処方されていることもあります。この場合も14日分の処方しかできません。
 そのほか、内服薬は長期が認められているのですが、喘息の治療に必要なステロイドの吸入薬(ベコタイド、アルデシン、タウナス)は健康保険上、1回の診療で2本までしか認められていません。ベコタイド100の場合、1本で可能な噴霧回数は約60回なので、2本ならば約120回の噴霧が可能です。1日4吸入(4噴霧)するとしたら30日で使いきる量です。この量(本数)しか処方できないので、1日4吸入以上必要な場合は、例えば1日8回吸入する必要のあるときは2本で14日しかもちません。したがってこの場合はどうしても14日ごとの受診が必要になります。ベコタイドは自費で購入することも可能なのですが、1本当たり1,500〜2,000円くらいかかると思います。現在、健康保健を審査するところに働きかけは行われているようですが、すぐには1回に4本をもらえるようにはならないと思います。

●薬について
 皆さん、それぞれに調べていらっしゃるようなのであまり細かいことは触れませんが、喘息に効果があると認められている薬はたくさんあります。その中から自分に合った薬を見つける必要があります。その意味でやはり経験豊富な医師に診てもらう必要があります。
 いわゆる専門医ですが、気を付けなければならないのが、一口に呼吸器の専門医といっても喘息の専門医とは限らないということです。この点につきましては、私は残念ながら適当な医師を紹介できるような情報は持ち合わせておりませんが、やはり医師を選ぶ(立場上あまり過激なことは言えませんが)ということも必要になってきます。
 なお、自分の飲んでいる(使っている)薬について知りたいという方は問い合わせていただければ回答できると思います。薬の名前が分からなくても記号があれば調べることが可能です。

小嶋 文良(山形大学医学部附属病院薬剤部薬剤師)


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