〈“看護婦さん”と呼びたい〉

●“看護婦さん”と呼びたい!
〈“看護師さん”と呼ぶ必要があるの?〉
(10.15/09)

 「なんで“看護師”さんなんだ?」とよく思います。
 「“看護婦”さんでいいのに」

 「看護婦」さんが「看護師」さんになったのは、おそらく男性の看護師がぽつぽつ増えてきたためでしょう。
 だったらまあ仕方ないかとも思いますが、ではなぜ「看護士」ではなく「看護師」になったのか?
 「医師」に右ならえをさせたのでしょうか。
 しかし、「看護師」では何とも偉そうで、私の抱いている「優しい看護婦さんのころのイメージ」(変な意味ではない)からかけ離れます。

 思い起こせば、子供のころから今にいたるまで私がお世話になった「看護婦」さんたちは皆、優しくて暖かく患者を包んでいました。
 素人が考えるに、それは「看護婦」という崇高な職業の伝統のなせるわざなのかもしれません。

 職業で“師”の付くものには、医師のほかに教師などがあります。
 教師という職名はわかる気がします。教育者だからです。
 教師のすべてが人の師と呼べるかどうかは別として、少なくとも義務教育を担当する教育者には「教師」という職名を付けてあげないと仕事がやりにくいだろうと思います(ただし、教師同士で「先生」と呼び合うのは変だと私は思う)
 「医師」という職名には少し違和感を覚えます。
 “師”は文字通り師匠の意味に受け取られると思うので、教育者ではない職業にまで“師”を付けるのはどうかと思うのです(医師は病院や医院で働く医療関係者の頂点に立つ師的存在ではあるし大学医学部の教授等は教育者でもあるが)
 尊敬されるべき立派な医師はたくさんいます(そう書いて私が真っ先に思い浮かべたのは私の主治医のK先生と『宮川医院』の宮川武彦先生である)
 しかし、「どうもこの先生は…」という医師も残念ですがいっぱいいます。

 「医師」は「医士」でいいのではないでしょうか。
 「医士」ではありがたみが減ると言う人もいるでしょうが、それなら「弁護士」や「税理士」はありがたみが少ないかと言えばそんなことはないでしょう。
 昔は「医者」が普通に使われていた気がするので「医者」でもいい。患者としてはそのほうが親しみが持てていいかもしれません。

 患者に対する医師の態度は、患者の側の人権が尊重される風潮が強まり、また競争社会になって医院も病院も経営のことを重視せざるを得なくなってからというもの、グンと良くなったと私は感じています。
 私が昔受診した医師の中には、何とも素っ気ない人がいたり、それはそれは威張っている人もいました。患者はすべて医師の言う通りにしていろとあからさまに言う人もいました。そういう医師は今もいるかもしれませんが、患者が相手にしなくなってきているでしょう。
 そういう時代になっているので、「医師」という職名が余計に合わないと感じます。

 なのに、さらに「看護婦」さんを「看護師」にするというのは、どういうことでしょう。

 医院や病院の中に複数の「師匠」がいたのでは私はビビります。どうして患者をビビらせるような職名にしなければいけないのか、どうもわかりません。

 医師や看護師さんたちも、「お医者さん」「看護婦さん」と呼ばれたほうがしっくりこないでしょうか。
 「そのほうがしっくりくる」と感じる人のほうが、医療従事者として適しているようにも私には感じられます。

 「医師」のことはおいておいて、「看護師」は「看護士」でいいと思うし、できれば「看護婦」のほうがいいと個人的には思うのでした。
 「わたしは“看護師”よ」と取り澄ましている人や「“看護士”じゃ嫌だ。“看護師”と呼んで」と思っているような人の看護はあまり受けたくないと思いますが、「“看護婦さん”と呼ばれると嬉しい」と思ってくれるような人に看護されるのは幸せではないでしょうか。

 看護技術をきちんと身につけていることを前提として、親しみの持てる人とそうでない人の2人の看護婦さんがいるとします。そのうちのひとりにしか看護していただけないとなったら、たいていの人は親しみの持てる人を選ぶのではないでしょうか。

 私のこの感じ方は普通ではないのでしょうか?

 私がもし「看護士」だったら、「看護師」と呼ばれたほうがいい気持ちになるかもしれませんが、そう呼ばれつづけることによって、弱い私は自分が偉い存在なんだと勘違いしそうで、その点がとても怖い。
 それと、患者に偉そうな職名で呼ばれると患者さんとの関係が上下関係になってしまいそうで、そうなると患者さんとうまくコミュニケーションを取れなくなりそうで、その点も心配です。

 そういえば、私がいつもお世話になっているKクリニックの「看護師」さんたちは笑顔の素敵な人たちばかりで、しかも、こちらが恐縮するほど腰が低くて優しくて言葉遣いも態度も丁寧です。
 クリニックを受診する度にいつも感心するのは、とても穏やかな雰囲気なことで、そこにいるだけで私の心はリラックスできます。
 クリニックのこのいい雰囲気は、明るく親切で優しい彼女たちが醸し出しているところ大だと感じます(もちろん、美人なのに庶民的で謙虚なK先生の雰囲気に負うところも大である)

 とにかく私は、呼び名として「看護婦」さんのほうが好きなのです。
 男性だけを「看護士」さんと呼び、女性は以前のように「看護婦」さんと呼びたいと思っています。



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